読者の気分に寄り添い読み味が変わる!? 日常忍者ビジネス漫画!!『ハケンの忍者アカバネ』【TSUTAYAの名物企画人“仕掛け番長”のススメ】

│職場の部下が全員くノ一!? 上司として大切なが何かまで学べるくノ一×日常×ビジネス!? 漫画

日常マンガのいいところは、それを読んでなんだか幸せでホッコリできるところだろう。
このホッコリ要素はとても癖になるもので、ついつい私も日常マンガを読み漁ってしまったりする。

本日紹介したいのは『ハケンの忍者アカバネ』。

この漫画は、『赤羽課』という人材の墓場と会社で言われている人材派遣会社アカバネスタッフの派遣社員が集う課の主任になった主役のサラリーマンの男性の日常を描いた漫画なのだが、この赤羽課、全員超美人でしかもくノ一というひと癖も二癖もある課だったのだ…。
というその内容を聞いてぱっと想像するのはそのくノ一に翻弄されるハーレム日常モノだろう。

それは全く間違っていないのだが、この作品にはプラスのエッセンスとして現代のビジネスに大事な事がささやかに添えられていたりする。
例えば1話では開発商品ターゲットであるお客様と同じ目線を持つスタッフとのライバル企業のイベント視察で「仕事だからいう気持ちで」いかない事で得られる情報の方が大切であるという、わかっているようで忘れがちな目線について触れられている。
しかしこの『ハケンの忍者アカバネ』は、それを武器にビジネスマンに向けたスキルアップ漫画として描く道もあったはずなのに、あえてはっきりとビジネス感を出して描くわけではなく、気が付く人は気が付くし、気が付かない人は気が付かないように描いている気がするのだ。

これは例えば仕事で疲れて癒されたいときに読むと、ホッコリできるような日常癒しマンガとして読めるし、なんだか情報を頭にインプットしたいやる気モリモリの気分の時に読むと情報量の多い漫画としても読める。まさに読み手の気持ちを考えながら描かれた作品なのだと思わずにはいられない。

またラブコメとしての要素も強くその想いの深まりが連作短編としての面白さも加えておりこの作品を非常に読み応えのある作品に仕上げている。

ぜひ気になった方はCOMICSPACEでの1話試し読みも出来るので、一度、読んでみてはいかがだろうか?

(文:仕掛け番長)

│仕掛け番長のおすすめ本

 

ハケンの忍者アカバネ

1巻発売中

著者:みなもと悠
出版社:秋田書店

“仕掛け番長”栗俣力也

【コンシェルジュ】仕掛け番長

栗俣力也(くりまた・りきや)。TSUTAYA IPプロデュースユニット 企画プロデューサー。
TSUTAYA文庫、コミック、アニメグッズの企画を担当。10年以上のキャリア持つ書店員でリアル店舗からヒット作を次々と生み出す事から仕掛け番長と呼ばれる。人生のバイブルは『鮫島、最後の十五日』

Twitter(@maron_rikiya)

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