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平井堅

COLUMN

ターニングポイントを経て完成したポップスターのリアルライフ

5年ぶりのオリジナルアルバム。よくある紹介の仕方をするならば、平井堅の『THE STILL LIFE』はそういうことになる。しかし重要なのは前作『JAPANESE SINGER』からのリリース間隔でなく、そのあいだにアーティストがなにを考え、なにをしてきたかである。その積み重ねが曲となり、そしてアルバムとなるからで、なにより、明確なターニングポイントが平井堅にはあった。2012年に発表したシングル「告白」である。

「ストイックになったと自分では思っているんですよ。曲を書いているときは売れたいと思いますし、どういう結果になるのかわからないわけですけど、自分で曲を書く場合は主題を明確にしよう、ストーリーの輪郭をくっきりさせようと決めた曲が『告白』なんです。暗いものはもっと暗く、アツいものはもっとアツく、その曲を色濃くするためにふさわしい言葉は他にないか、推敲することが前よりも多くなったんですね」

たしかに「告白」では、人間の持つ闇や毒が徹底的に描かれている。暗いというよりは不気味で、だから、ソフトなイメージの強い平井堅としては異色作ということになるわけだけれど、この曲をはじめ、シングル曲、タイアップ曲が盛りだくさんの『THE STILL LIFE』というアルバムの本当のすごさはそこにある。みんながよく知る平井堅だけでなく、この人のあまり知られていない、もしくはまったく新しい要素が次々に飛び出してくるからである。

「僕にもエクストリームな部分はあって、それが歳を重ねるとともにひどくなってきた気がするんです(笑)。でも、悪いことではないんじゃないのかな、それに従って生きていくことも大切なことなんじゃないのかなと思うようにもなったんですね」

おそらく、聴いた人全員、“これが平井堅!?”と驚くことになるであろう「驚異の凡才」。なんたってハードコアなのである。あの美声がぐしゃぐしゃにデジタル処理されているのである。

「声の加工に関してはなんの抵抗もなかったですよ。“もっとやって!”っていいたいくらい。ぼくには凡才コンプレックスがあって、だからこの曲は、自虐の歌。陰と陽でいうと、『グロテスク』や『ソレデモシタイ』も陰の世界を歌ったものなんですけど、それをさらに掘り下げたのが『驚異の凡才』なんです。驚異の凡人でいたいという願望も込めてはいるんですけど」

つまり、平井堅は「陰」だけを表現しているわけではないのだ。ときにユーモアを交えながら「陽」も歌い上げ、そして、明快かつ親しみやすいポップスへと昇華させているのである。

「自分は不幸だ、愛なんて知らない、社会から外れた人間なんだ、みたいなことをずっと思ってたんですけど、40年ちょっと生きてきて、ぜんぜんそんなことないって、やっと感じられるようになったんです。仕事は不幸せなんですけど(笑)。ストレス感じるときもありますから。でもそれはみなさんそうでしょうし、僕は仕事のことを歌にはしないので、歌にするならそれ以外の日常生活なので、だから僕の人生、良くも悪くも幸せということなんです」

平井堅のいう「陰と陽」を別の言葉に換えるなら、「絶望と希望」や「弱さと強さ」ということになるのではないか。だから、『THE STILL LIFE』は矛盾と向き合う大人の日常を描いたアルバム、といういい方もできる。

「今回のアルバムは全曲、自分で歌詞を書いたということもあって、リアルライフになりましたね。そうなることを意識していたわけじゃないんですけど。ただ、進化であったり老化であったり、自分は変化してきているわけです。そこで、44歳の今の自分を切り取ることが僕にとってのリアリティに繋がるわけですから、その言葉選びは突き詰めたいとは思いましたね。やるからにはとことんやって死にたいなと(笑)。だからやっぱり、歌詞を書くときは、『告白』を作っていたときのストイックさを思い出すんです。あの曲に鼓舞されることもあるので、『告白』は本当に大切な曲なんです」

INTERVIEW&TEXT:SATOSHI SHIMADA PHOTO:YUSUKE YAMATANI

NEW RELEASE

THE STILL LIFE

  • NOW ON SALE
  • J-POP

7.23 RENTAL
Ariola Japan

初回限定盤(CD+DVD)
BVCL-731~2 3,750円(税抜)

通常盤(CD)
BVCL-733 3,000円(税抜)

収録曲

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曲名 アーティスト名 再生時間 音楽配信
1. Plus One 平井堅 00:03:30
2. 魔法って言っていいかな? 平井堅 00:04:00
3. 告白 平井堅 00:03:39
4. かわいいの妖怪 平井堅 00:04:23
5. 桔梗が丘 平井堅 00:04:26
6. Missionary 平井堅 00:05:19
7. ソレデモシタイ 平井堅 00:03:39
8. 驚異の凡才 平井堅 00:02:30
9. 君の鼓動は君にしか鳴らせない 平井堅 00:05:09
10. ON AIR 平井堅 00:04:00
11. おんなじさみしさ 平井堅 00:05:05
12. グロテスク feat.安室奈美恵 平井堅 00:03:47
13. TIME 平井堅 00:05:23
14. それでいいな 平井堅 00:05:05

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TSUTAYA 予約/購入特典

未定(特典あり)

LIVE INFO

Ken's Bar 2016

7月7日(木)幕張メッセ イベントホール

PROFILE

1995年デビュー。「瞳をとじて」「POP STAR」など、数々のヒット曲を放つポップメイカー。20周年を迎えた昨年5月からの1年間はアニヴァーサリープロジェクトとして各地で精力的にライヴ活動を展開し、全36公演でトータル16万人を動員。新作発売の翌日、7月7日(木)には人気の全編アコースティック形式のライヴ“Ken's Bar”を幕張メッセ イベントホールで開催。

HP:http://www.pinups.co.jp/hirai/
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