人気コミック『娚の一生』が映画化! 漫画家・ 西炯子インタビュー

娚の一生

映像化のイメージは、まったくなかった

'08年~'10年にかけて連載され、累計160万部を突破したベストセラーコミック『娚(おとこ)の一生』。恋愛に不器用な三十路美女・堂薗(どうぞの)つぐみと独身を貫いてきた52歳の大学教授・海江田醇の恋愛模様を描いた同作は、“オトナ女子”と呼ばれる30代女性を中心に根強く支持されている。実写映画が公開された今、作者の西炯子さんにお話をうかがった。

―映画をご覧になった感想は?
西:映画は、廣木隆一監督の作品として拝見したのですが、きれいな形にまとめてくださっていて嬉しかったです。

―連載当時から、映像化のイメージはあったのですか?
西:いえ、まったくなかったです。むしろ、漫画を描き始める前段階から、つぐみと海江田の年齢差がありすぎると言われていたので、みなさんから支持されるとも思っていなくて。連載中は、“これはこれで良いんだ”って、自分に言い聞かせながら描いていました。
映画化にあたり、私から一つだけお願いをしました。それは、海江田役を演じるのは、ネイティブに関西弁が話せる方にしてほしいということ。そこで大阪出身の豊川悦司さんが候補に挙がり、快諾していただけました。撮影現場でお会いした豊川さんと榮倉奈々さんは、現実離れした頭身の持ち主で驚きました。特に、豊川さんは漫画に出てくる海江田のビジュアルにそっくり! ご本人らしさよりも、漫画を忠実に再現することに注力してくださって、恐れ多かったです(笑)。

『娚の一生』は、私の理想を描いた漫画

リアルさと少女漫画らしさが絶妙なバランスで混在する本作。実は、海江田にはモデルが存在するという。

西:その人と知り合ったのは、私が26歳くらいの頃。彼は仕事一筋の40代で、結婚なんてどうでもいいと言う方でした。しかし、私はどうしても結婚がしたくて…。うまくいきませんでした。想いを断ち切れないまま歳を重ねていったのですが、私が40代になったとき、その人と再会したんです。彼はやっぱり独身でしたが、私も当時の彼と同じ年齢になって、結婚を選ばない彼の考えが理解できるようになりました。そこで吹っ切れましたね。じゃあ、私が彼にかけてきた時間はどうしたものか…と考えた時に、漫画にすることをひらめいたんです。だから『娚の一生』は、“あの人とこうなりたかった”という理想を描いた、言わば私自身を救済するための作品なんです(笑)。なので、つぐみと海江田の年齢差にはこだわりました。自分自身を投影した作品は他にもあるのですが、『娚の一生』を描き終えたときには、“私の恋愛はここで成就したんだ!”という達成感がありました。

80歳まで漫画家として描き続けるために

―今後はどのような漫画を描いてみたいですか?
西:幅広い層に気軽に読んでいただけるような作品が描きたいですね。そのために、どんなテーマならみなさんに楽しんでいただけるのかを、現在模索しています。それが描けるようになったら、私が目指す“80歳まで漫画家で居ること”が実現できると思うんです。もちろん、恋愛漫画も描き続けていきます。各年齢に合った恋愛の形を嘘偽りなく描いていきたいです。それもまた、私の漫画家としての生涯のテーマかもしれません。

PROFILE

Keiko Nishi/鹿児島県出身。’86年漫画家デビュー。代表作は『娚の一生』『姉の結婚』ほか多数。現在『カツカレーの日』『お父さん、チビがいなくなりました』などを連載中。

(取材・文:倉内夏海)

(C) 西炯子/小学館フラワーコミックスα

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アーティスト情報

西炯子

生年月日1966年12月26日(51歳)
星座やぎ座
出生地鹿児島県指宿市

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