『海街diary』女優・ 広瀬すずインタビュー

読まずに口伝えで演じたから原作の“すず”になれた

広瀬すず

名前、末っ子、スポーツ、共通点が三つもあった

マンガ大賞2013に輝くなど、21世紀の名作漫画として多くの読者に愛されている吉田秋生の『海街diary』が映画化された。鎌倉の四姉妹の姿を人の心の絆の側面から綴った作品だが、四女を演じる広瀬すずは、あえて原作を読まなかったという。なぜなら、事前に脚本を読まず、是枝裕和監督から撮影ごとに口伝えでシーンや台詞を指示される方法を選択したから。「台本もらわないで映画を作るって!?」と、想像がつかないからこそトライ。それなら漫画の内容も知らない方が良いと考え、読みかけのまま中断した。だが、監督はもちろん、三人の姉を演じた綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆も「原作にそっくり」と広瀬を絶賛している。 

広瀬:似てるのかな? 似てないよな…って思ってたんですけど。原作のすずちゃんのように、凛とした女の子になりたいなって。でも、名前が“すず”だったし、私も末っ子だし、すずちゃんはサッカーをやってますけど、私はバスケをやってるし、似すぎてて。そこはもう私なんじゃないかっていうくらい、演じてることに違和感がなくて。本当に、その場ですずちゃんが“生きてる”ような感覚でいました。

その場で生まれたものは複雑だけど、美しい

父親が亡くなり、腹違いの姉たちに引き取られた『海街diary』のすず。かつて父親が三人の姉を捨てる原因となった女性の娘であるという後ろめたさを引き受ける彼女の、決して単純ではない意識のありようを、広瀬すずは微細な揺れ動きを通して表現している。

広瀬:是枝監督の映画『そして父になる』を観たときに、台詞のないところの表情がすごく印象的だったんです。“その場”で生まれたものって、複雑でも、すごく綺麗だなと思いました。それを自分がやったら、どうなるんだろう? とは思いましたが、台本をもらわずに演じていたので、実は意識することが一つもなくて。年齢も離れているし、最初は綾瀬さん、長澤さん、夏帆さんの中に絶対入っていけないと思ってたんですよ。でも、“すず”と話しかけてくれて、受け入れてくれる“お姉ちゃん”たちとだんだん仲良くなっていく感覚が『海街diary』の物語と似ていたのかなと思います。

そこ”でプレイする。それが演技だと思う

映画がどこから始まり、どこで終わるかもわからず、完成した映画を観て初めて“あ、これが『海街diary』なんだ”と思ったそうだ。

広瀬:大切にしていたのは、相手を見て、聴いて、感じるということ。“そうさせてもらった”という気がします。

この肉体的な感覚、スポーツ少女である点は、『海街diary』のすずと、女優・広瀬すずの重要な接点なのだと思う。演技も、スポーツも、自身の肉体をコントロールすることだから。

広瀬:具体的には上手く言えないんですけど、似てるものはあると思いますね。お芝居をするのと、スポーツでプレイするのとは、似てるような気がします。お芝居には決まりがあるし、台詞もある。でも“そこ”で表現することと、“そこ”でプレイすることは一緒だと思います。

真っ直ぐな度胸がまぶしい、超新星である。(取材・文:相田冬二/撮影:木村利美/ヘアメイク:遠山美和子(THYMON Inc.)/スタイリスト:中井綾子(C.コーポレーション))

◆PROFILE

広瀬すず
'98年、静岡県生まれ。TVドラマ『幽かな彼女』で女優デビュー、『学校のカイダン』で主演を果たす。映画出演は『謝罪の神様』『クローズEXPLODE』に続いて3作目。姉は、モデルの広瀬アリス。

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アーティスト情報

広瀬すず

生年月日1998年6月19日(20歳)
星座ふたご座
出生地静岡県静岡市

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