専門家が「絶対観るべき」と断言! インド映画歴代興行収入1位の名作

『きっと、うまくいく』(2013年) (C) Vinod Chopra Films Pvt Ltd 2009. All rights reserved

実は今、世界で一番映画を製作している国はアメリカではなくインド。インド映画というと1995年にヒットした『ムトゥ 踊るマハラジャ』のような、陽気な踊りと楽天的なストーリーが始終展開される娯楽作をイメージする人も多いだろう。しかし近年、傾向に変化が生まれてきているという。ハリウッド並みの撮影技術で、笑いあり、涙ありの緻密なストーリー展開をみせる映画が増えてきているのだ。

代官山 蔦屋書店のシネマコンシェルジュ冨丘紗里氏は、特に昨年公開された『きっと、うまくいく』を「最近、最も感動した映画。とにかく観た後に残る、爽快感がすばらしい!」と絶賛。

本作は、インド映画歴代興行収入1位を記録し、「第37回日本アカデミー賞」では優秀外国作品賞を受賞。スティーヴン・スピルバーグ監督やハリウッド俳優のブラッド・ピットもほれ込むなど、国内外で高い評価を得ている作品だ。

教育への問題提起を、深い感動とともに

超難関理系大学のキャンパスを舞台に、自由人ランチョー、動物好きなファルハーン、苦学生ラジュー、大学時代の親友“最強の3人”が珍騒動を巻き起こす。学生時代と、行方不明になったランチョーを探す10年後、2つの時代が並行してストーリーが紡がれていく。

「インド映画らしいミュージカル調のシーンがある一方、根底でインドの教育問題を描いています。インドは学歴社会が日本以上にすごいんです」と冨丘氏。実はインドは、世界的に見ても自殺率が高い国。インドは地方と都会で収入の格差が大きいにも関わらず、教育には平等に金がかかる。だからこそ、受験や就職で失敗すると自分だけでなく家族の恥とされる。責任の重圧につぶされ、自殺してしまう若者も多いという。この現実を踏まえて、「なぜ、何のために学ばなくてはいけないか」を訴える。

「『子どもが優秀ならそれでいい。成功は後からついてくる』というセリフが何度か出てくるのですが、これが物語をすべて言い表していますね。この教育問題は世界共通、日本でも言えることです。大人は『学生時代にもっと勉強できることがあったかも』と振り返らずにはいられませんし、義務教育を終えて、言われて勉強するのではなく、自分のために学ぶ意味を考えなければならない世代が見たら、また違うことを感じるでしょう。上映時間が3時間と長めですが、絶対に観る価値があります」(冨丘氏)

(文:高橋七重)


発売中

『きっと、うまくいく』(2013年)

4,536円(税込)

監督:ラージクマール・ヒラーニ
出演:アーミル・カーン、カリーナ・カプール、R・マーダヴァン、シャルマン・ジョーシー
発売・販売元:ハピネット

【代官山 蔦屋書店】
シネマコンシェルジュ 冨丘紗里 氏

2011年10月から同店のコンシェルジュに。大学では映画について研究。年間150~350本の映画を観ている。国を問わず海外ものが得意分野で、単館系からヒット作まで幅広く網羅している。今気になっている作品は、海外ドラマ『ウォーキング・デッド』(DVD、Blu-ray 12月リリース)。

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