世界よ、これが日本だ! FRaU×TSUTAYA「TSUTAYA映画ラバーズが厳選! 史上“最恐&最悪”ヒール TOP10 ~邦画編~」

この人もワルです。蓮実聖司(「悪の教典」より。(C)2012「悪の教典」製作委員会

この人もワルです。蓮実聖司(「悪の教典」より。(C)2012「悪の教典」製作委員会)

邦画の悪は“身近な悪”

映画に出てくる悪い奴(悪役)は、正義の味方よりもぜんぜん“主役”と言えるだろう。観客にどれだけ嫌われ、成敗されることに説得力や納得感を持たせるか…そうやって正義の味方をお膳立てをするワル側の気持ちも考えてほしいものである。

洋画の場合、大体は「世界征服」とか「銀河を手に入れる」とか途方もないことを言うので悪としての実感はさほどない。しかし邦画の場合は、自分たちの日常に近いものも多く、異邦の地でも宇宙でもない。洋画のワルよりも“じっとりした気持ち悪さ”…「本当に近くにいるかも」という恐怖感をもたらすのは、それをより身近に感じているからに他ならない。

では、そんな嫌なやつのなかでも、いわゆる“ワルの中のワル”は誰なのか!? 厳選された邦画20タイトルの中から、TSUTAYAスタッフが選ぶTOP10をご紹介。そのワルぶりをじっくり見ていこう。

最恐・最強ヒールTOP10 ~邦画編~

冷たい熱帯魚

1位「冷たい熱帯魚」の村田幸雄

2010年

でんでん

フェラーリを転がし、妙にセクシーな嫁を連れ「俺は完璧主義者」というワル。とにかく陽気な“いい人”だが、感情の起伏も激しく、その善悪のギャップ感たるや。ちゃんとした観察眼もあり、言葉巧みに自分のビジネスに引き込んだり、他人の巨乳妻を調教したりする。「人間をどうやって透明にするか。それさえ押さえておけば最強になれるんだよ」はワルの名言。ちなみに、“透明”になった人間は50人以上。警察、仕事しろ。

凶悪

2位「凶悪」の木村孝雄

2013年

リリー・フランキー

表の顔は、困った人の力になる良き「先生」。裏の顔は人殺しても笑顔の殺人鬼。汚れ仕事は連れのヤクザに振る、最前列の傍観者。もとい“死の錬金術師”。死体に火をつけて「肉の焼けるいい匂いがする(ニヤリ)」、人を生き埋めにしている時も「そんな顔されたら興奮するな」と終始ニヤリ。ちなみに、パッケージの顔は心の中の彼の顔であり、この顔を本編で拝むことはない。

告白

3位「告白」の森口悠子

2010年

松たか子

基本、ほとんどの生徒の眼中に入っていない先生。常に無表情で喜怒哀楽を一切見せない。娘を担当クラスの少年2人によって殺されたため、“人の命の重さ”を分からせるために試練を課す。手始めに、犯人2人にHIV感染した夫の血を混入するテロ。潜伏期間を宣告し、「犯した罪を反省するには十分な時間」と捨て台詞。自分が担任を降りたあとも後任の教師を操作し、さらに生徒を追い詰めていく。正直、ラストの仕返しは鬼。

悪の教典

4位「悪の教典」の蓮実聖司

2012年

伊藤英明

クラスの生徒からは「ハスミン」と慕われる英語教師。しかし、少年時代に両親を手に掛け、他殺を偽装する男。さりげなくモンスターペアレンツを退治したり、女子生徒に近づいて裏掲示板を操作したり、名家の先生を強請ったりする知能犯。しかし時に大胆に行動し、極めつけは夜の学校でショットガン乱射。なぜか素っ裸で体を鍛える。やるだけやったあと「これは全部神の意思だったんだ」と確信を持って意味不明の供述を始める。まさに「Magnificent!!」だよ、ハスミン!

十三人の刺客

4位「十三人の刺客」の松平左兵衛督斉韶

2010年

稲垣吾郎

身内から殺害依頼が出るお手上げ状態のキャラで、そこに権力がくっついた厄介なタイプ。女癖が最悪。「死が近づけば人は生きることに感謝が生まれる」「再び戦の世をあらしめることにしようぞ」との台詞にもあるとおり、生の充足を得ることを渇望しており、太平の世に退屈している。自身のピンチにこそ笑顔を見せるのもそのため。部下に武士道を引き合いに出しつつ「迷わず愚かな道を選べ。そのほうが楽しい」と囁いたりもする。正直、生まれた時代が遅かった。

渇き。

6位「渇き。」の加奈子

2014年

小松菜奈

触れたものは、壊れていく…。実業家さえ簡単に転がしたり、いじめっ子を囁きひとつで止めたり、学校で平然と水と見せて酒を飲んだり、薬物に手を出したり…ヤクザでさえ「自由すぎるんだよ、あんたの娘は」と吐き捨てる。友人・知人は「相手が一番言ってほしい事言ってひきつけて、メチャクチャにするの」とか「アクマ」と証言する。娘を両親が放ったらかしにするとこうなります。ただ、娘を探す親父のクレイジーさも常識の域を超えている

アウトレイジ

7位「アウトレイジ」の大友

2010年

ビートたけし

おっと。「加藤のほうが悪いだろう」というのは言いっこなしだ。組に降りかかったトラブルを笑ってみていたかと思ったら、カッターで顔面を突如切りつけたり、歯医者で口内ドリル無双したり、サウナで銃乱射したりと凶悪な部分を見せる。白ジャケットになってからが本領発揮。それでも「貧乏くじばっかりだよ」というように、指もつめて島もとられて、挙句破門。仁義に生きた結果、追い詰められる悲運の男である。

バトル・ロワイアル

7位「バトル・ロワイアル」のキタノ

2000年

ビートたけし

先生を怒らせるな―。話を聞かない生徒はナイフ一刀、「今日はみなさんに、ちょっと殺し合いをしてもらいます」という台詞はあまりに有名。しかしキタノはこの映画で“悪”なのだろうか?家族からは絶縁状態で、生徒からは「キタノ」と呼び捨てにされ授業ボイコット、挙句の果てには教室で刺される始末。実は優しい男であるが、自分が目にかけていた生徒がもし死んでいたらどうなっていたか、考えただけでも恐ろしい。

仁義なき戦い 広島死闘篇

9位「仁義なき戦い 広島死闘篇」の大友勝利

1973年

千葉真一

ヤクザ=“静”のイメージとは真逆な“動”そのもの。褐色の肌、常にサングラスとハットを身に付け、ヤクザらしからぬ風体の持ち主。組長とは思えないほど“血に飢えた猟犬”のごとく、先頭切って身内にも対抗勢力にも喰って掛かる男。手が早い。口を割らない敵対組員を船に連れ出し、手足を縛って海に放り出したかと思えば、その後陸上で木に吊るして射的の的にした上、「よぅ当たるのぅ」と笑いながら舎弟に吐く始末。「オゥ?」が口癖。

疑惑

10位「疑惑」の白河(鬼塚)球磨子

1982年

桃井かおり

前科4つ持ち。「今すぐ入ってよ!」と死んだ夫に掛けた保険金は7社で総額3億1千万。殺人“疑惑”を掛けられた女。逮捕された後は公判をかき乱す。誰とでも敵対する。弁護士ともぶつかる。「白河家の財産全部アタシのもんなのよ!」というくらい金に対する執着心は凄まじい。警察にも物怖じしないので、刑事も「馬鹿にしやがって!」「舐めてやがるな、警察を!」「ぶっ殺してやりたいよ。あのアマ」とご立腹。

復讐するは我にあり

10位「復讐するは我にあり」の榎津巌

1979年

緒形拳

父曰く「戦時中はずっと少年刑務所でござした」という根っからのワル。気が付けば詐欺事件だ殺人事件だと世間を騒がす。その上、人を殺しておいて「(何で殺したのか)ようわからんのじゃけん」と刑事に告白する有様。殺人犯として全国指名手配された後、正体を知ってもなお匿ってくれた女性さえ手にかける男。まさに“ゲスの極み”。留置場に護送の際は車中で鼻歌を歌う始末で、これには警察も呆れ顔。

魔界転生

10位「魔界転生」の天草四郎時貞

1981年

沢田研二

ファーストショットが生首という、ワルとして格の違いを見せる天草四郎時貞。島原信徒3万7千人の怒りを徳川にぶつけるため、転生。「徳川幕府クエスト」を推し進めるべく、この世に未練がある者につけこんで転生を促し、猛者どもを仲間に。悩める若者に「女が気に入ったなら犯せ!お前が欲するままに犯せ!」と唆したり、人間の弱みに付け込んだまでは良かったが、個人技に走ったためクエスト達成ならず。最後の捨て台詞は「人間がいる限り必ず戻ってくるぞッ!!!!」。

藁の楯 わらのたて

10位「藁の楯 わらのたて」の清丸国秀

2013年

藤原竜也

2名の小学生少女の暴行殺害(たぶん他にも)で指名手配になるワルで、本人曰く「オジサン、オバサン」が嫌い。その暴行の様は、遺体を目撃した刑事が「あんなの人間に出来ることじゃねぇ」というほど。ちなみに、それを聞いているときの清丸は口元が笑っている。殺人犯ではあるが、いざ自分が殺されそうになるとわめき散らす。しかし、「僕を殺して、その金の一部を母ちゃんに…」など母親想いの一面も見せる。


ひとえにワルといっても、人によっては捉え方は様々。とはいえなかなかのワルが揃ったこのTOP10、「邦画は分かったけど洋画は?」と思われた察しの良いアナタにお贈りする洋画バージョンは、雑誌「FRaU」3月号(2月12日発売)にて掲載中。この記事を読まれた方は、是非お手にとって確かめていただきたい。

ちなみに、【TSUTAYA映画ラバーズが厳選!史上“最恐&最悪”ヒール TOP10】に決定した10人はこんな人達。
1.正体不明の怪人/2.七つの大罪/3.匂いフェチ/4.悪徳刑事/5.漆黒の鬼上司/6.制服警察姿/7.コイン投げ/8.とにかく無表情/9.例のあの人/10.刃物といえば!

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