タランティーノも愛した「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」とは

第11回(2000)開催当時の授賞式の様子

第11回(2000)開催当時の授賞式の様子

炭鉱産業から観光産業へ

ゆうばり国際ファンタスティック映画祭(以下ゆうばりファンタ)は1990年に当時、炭鉱産業から観光産業へ転換を行っていた当時の夕張市が開催した事が始まり。後に世界的映画監督になる、当時無名のクエンティン・タランティーノがゆうばりファンタの参加時に『パルプ・フィクション』のシナリオを執筆したのは有名な話。車での移動中にはアニメ作品「マッハGOGOGO」のテーマ曲を熱唱していたという。その後、2003年に公開された『キル・ビル』では出演の栗山千明に“GOGO夕張”の名前を付けたのは映画祭への愛着の表れではないだろうか。また当時、若かりし頃の熊沢尚人監や廣木隆一監督、塚本晋也監督らがゆうばりファンタをきっかけに頭角を現していく。一方で世界的女優、アンジェリーナ・ジョリーもゆうばりファンタに参加。空き時間にはスキーの練習をしていたという雪国の夕張ならではのエピソードが。2000年代に入ると吉田恵輔監督に山下敦弘監督、三池崇史監督らを輩出。最盛期となる2004年には当時の夕張市の人口約1万5千人に対して2万7千494人という、ゆうばり史上最多動員数を記録。

2007年財政破たんから有志達による復活

順風満帆に見えたゆうばりファンタであったが夕張市の財政破綻に伴い、2006年を最後にこれまで運営を行っていた夕張市が撤退を表明。これにより以後のゆうばりファンタ開催中止の危機に瀕した。しかし再開に向け、昨年亡くなられた映画評論家の品田雄吉氏が北海道出身の縁で実行委員長に就任。ゆうばりファンタの灯を消すまいと願う映画ファン・映画業界人の力添えとともに、2007年に「ゆうばり応援映画祭」として開催し、復活を後押しした。

北海道の食事に舌鼓を打つ若かりし、タランティーノ

北海道の食事に舌鼓を打つ若かりし、タランティーノ

雪だるまの被り物を被りはしゃぐタランティーノ(中央)

雪だるまの被り物を被りはしゃぐタランティーノ(中央)

復活以降の映画祭

近年では、過去の開催で受賞経験のある犬童一心監督や井口昇監督、石井克人監督らが審査員、もしくは自身の新作を持って再び夕張に凱旋することも多い。ゆうばりファンタで発表され、グランプリを獲得した『SR サイタマのラッパー』以来、今や日本映画界の中心人物となった入江悠監督も、最新作『ジョーカー・ゲーム』が興行収入初登場1位を獲得するなど、映画界のニュースターとして大いに活躍する人物の一人。さらに小栗旬やブレイク前の綾野 剛、鈴木亮平ら若手俳優らがも多数参加。昨年には現在ブレイク中の斉藤工や東出昌大らが参加し、映画祭を大いに盛り上げた。今後も新たなる映画人発掘の場として注目が集まっていくことは間違いない。

ゆうばりファンタ25週年

そして2015年。今期オープニング招待作品の『ジヌよさらば~かむろば村へ~』で主演を務める松田龍平と松尾スズキ監督ら豪華ゲストが多数参加予定。過去24回の開催時に撮影された写真や動画の公式記録の展示や、ゆうばりファンタにゆかりのある人物や関係者を招いてのトークセッションも予定。特別企画の高倉健さん追悼企画では、夕張を舞台にした不朽の名作『幸福の黄色いハンカチ』の上映や関連イベントの実施なども予定されており記念すべきアニバーサリーイヤーを大いに盛り上げること間違いなしだ。


ゆうばり国際ファンタスティック映画祭
開催期間:2015年2月19(木)~2月23日(月)

北海道夕張市において開催され、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭実行委員会によって組織、運営されるものである。この映画祭はSF、ホラー、ファンタジー、アドベンチャー、アクション、サスペンス等、イマジネーションとエンタテインメント性豊かなファンタスティック映画を対象としたものである。本映画祭の目的は、まだ見ぬ新しい才能の発見・育成や、映画による世界各国間の文化交流・相互理解の促進を通じて、市民、映画人、観客の三者のコミュニケーションによる出会いの場を映画祭が提供することで、日本国内のみならず広く世界各国におけるエンタテインメント映画の質の向上に寄与することを目指す。

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アーティスト情報

クエンティン・タランティーノ

生年月日1963年5月27日(55歳)
星座おひつじ座
出生地米・テネシー・ノックスビル

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