ジャーナリスト・鳥越俊太郎氏がイーストウッド最新作を語る!

鳥越俊太郎氏

鳥越俊太郎氏

現在アメリカで驚異の大ヒットとなっている、クリント・イーストウッド監督最新作『アメリカン・スナイパー』。本作の公開を記念して、ジャーナリストの鳥越俊太郎氏によるトークショー付き試写会が開催された。鳥越氏は、舞台となるイラクへ取材で訪れているだけでなく、イーストウッドとの対談インタビューも経験しており、その独自の視点に注目が集まっていた。

イーストウッドが描く「戦争」に込められたメッセージについて「戦争を描いた映画はいくつかあるが、『硫黄島からの手紙』は、決して“アメリカが善”“日本が悪”と言うようには描かれていない。彼はイラク戦争を起こしたブッシュと同じ共和党支持だが、戦争については反対しているし、映画も戦争の非人間性を観た人がわかるように作っている。そこには、イーストウッドのヒューマニズムが描かれています」と解説。

また、「今から11年前の今頃、イラクのバグダッドにいました。多くの日本人も被害を受けていて、その危ない最中に自分もいました。ティクリートという、サダム・フセインが隠れていた穴を、周囲が止める中取材したことを覚えています。先日被害にあわれた後藤さんもそうだと思うが、ホテルを出るときに、家族へのメッセージを吹き込んで部屋に置いて撮影にいきましたね。それくらいの覚悟でした。この映画は、銃弾が飛び交い、本物の戦争にギリギリまで迫っていると思うくらいリアル」と自身の体験を振り返りながら、この映画の重みを改めて解説した。

アメリカで驚異の大ヒット、と書いたが、実は今アメリカではこの映画を巡って評価が真っ二つに分かれている。「160人もの人を殺した狙撃手がヒーローというのはどうか? と言う意見はあるだろうと思うが、この映画は、それだけではないと思う。イーストウッドは『この映画は、戦争を賛美する映画ではない。ある意味では反戦映画だ』と言うことを言っています」

最後には「クリントは、ずっと戦争について独自の角度で取り上げていて、一人の人間や家族の悲劇を通して戦争の残酷さ、悲しみ、痛みを描いています。日本も、後藤さんの事件があったように“決して遠い国の話ではないのだ”と思いながら映画を観てほしい」と現在の情勢も交えつつコメントを送り、イベントを締めくくった。


映画『アメリカン・スナイパー』
2015年2月21日(土)丸の内ピカデリー 新宿ピカデリー 他全国ロードショー

■ストーリー
米軍史上最多160人を射殺した男。国を愛し、家族を愛し、それでも戦場を愛した男――。
ある日、9.11の惨劇を目撃したクリス・カイルは、自ら志願し、米海軍特殊部隊ネイビー・シールズに入隊をする。イラク戦争のさ中、クリスが命じられた任務は「どんなに過酷な状況でも仲間を必ず守ること。」その狙撃の精度で多くの仲間を救ったクリスは “レジェンド”の異名を轟かせるほどになる。しかし、彼の腕前は敵の知るところとなり、“悪魔”と恐れられ、その首には2万ドルの賞金を掛けられ、反乱兵たちの標的となってしまう。一方、クリスの無事を願い続ける家族。平穏な家族との生活と想像を絶する極限状況の戦地…過酷なイラク遠征は4回。
愛する家族を国に残し、終わりのない戦争は幾度となく、彼を戦場に向かわせる。 度重なる戦地への遠征は、クリスの心を序々に蝕んでいく…

原作:「ネイビー・シールズ 最強の狙撃手」クリス・カイル、スコット・マクイーウェン著(原書房)
監督:クリント・イーストウッド
出演:ブラッドリー・クーパー、シエナ・ミラー
配給:ワーナー・ブラザース映画

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