ネクストジェネレーションが集結した『ストレイヤーズ・クロニクル』の中で光る“異色の経歴”をもつ脚本家・喜安浩平の存在感とは?

(C)2015「ストレイヤーズ・クロニクル」製作委員会

(C)2015「ストレイヤーズ・クロニクル」製作委員会

『デスノート』『GANTZ』の製作チーム×本格アクション初挑戦の主演・岡田将生ほか、染谷将太、黒島結菜、成海璃子、松岡茉優、清水尋也、高月彩良、白石隼也ら次世代キャスト×『アントキノイノチ』の瀬々敬久監督が送り出す次世代アクション超大作『ストレイヤーズ・クロニクル』。

監督やキャスト陣に目が行きがちな中、“異色の経歴”をもつ脚本家・喜安浩平の存在にも注目したい。喜安は美術の教師を目指しながらも、生徒を怒ることができないという理由でその道を断念。その後、大学の演劇サークルで美術や大道具の手伝いをしていたことがきっかけで舞台に立つこととなり、その面白さに目覚めていく。広島から上京の後、'99年からナイロン100℃に劇団員として所属、'00年には自身の劇団「ブルドッキングヘッドロック」を旗揚げ。さらに、ナイロン100℃の旗揚げメンバーでもある犬山イヌコがアニメの音響監督と知り合いだったことがきっかけで、TVアニメ「はじめの一歩」の幕之内一歩役で声優デビューを果たす。

話題作の脚本を立て続けに手がける

その後も俳優として「ナースマン」('02)、「恨み屋本舗」(06)などのTVドラマや『血と骨』('04)、『罪とか罰とか』('07)などの映画にも出演、さらに「テニスの王子様」('01)や「DEAR BOYS」('03)などのアニメ作品で声優としても活躍するなど、多岐に渡って活躍。そして'13年に脚本で参加した映画『桐島、部活やめるってよ』が、第36回日本アカデミー賞優秀脚本賞を受賞し脚光をあびると、'15年に公開されたももいろクローバーZ主演の映画『幕が上がる』でも自身の舞台役者として抱き続けてきた迷いを、主人公らに投影させた脚本に仕上げ高い評価を得た。

これらの実績から、「青春群像劇の脚本を手掛けさせると右に出る者はいない」という評価を得た喜安が、満を持して送り出す長編劇場映画の脚本3作目となるのが本作、『ストレイヤーズ・クロニクル』なのである。

とある極秘機関によって生み出された“進化した”2組の特殊能力者たちが宿命によって引き合わされ、希望を未来につなごうとする者たちと絶望的な未来を破壊しようとする者たちとの壮絶な戦いと、能力者ゆえの葛藤や仲間との絆といった人間ドラマを濃密に描いた本多孝好の原作をどのように仕上げたのか?

監督を務めた瀬々は喜安についてこう語る――

喜安浩平

喜安浩平

喜安さんの脚本には“実”が込められている気がします。感情を説明することなく、短い台詞のやりとりで気持ちや思いを伝えようとする。今回の映画で学(染谷将太)の短い台詞「だけど仕方ないんだ」は撮影時は意識しなかったのですが、完成後に見たとき、思わずハッとさせられました。諦めなければならない人生の“実”のようなものがグッと迫ってきたのです。

喜安さんは、地味でパッとしないような普通の瞬間の中に、きらきらしたものが立ち上がってくるのを描くのが物凄くうまいと思います。実は今回発見したことですが、その台詞は普段の生活での話し言葉とは微妙にずれているのです。独特で虚構度は高いものが多い。それを混然と混ぜ合わせ、きらきらとした瞬間に立ち上げる稀有な才能の持ち主だと思います。能力者の日常が描かれるこの映画の中にもそんな喜安節がそこかしこに仕掛けられています。

あと喜安さんは非常に努力の人です。だから信じられます。それが今回感じた一番大きなことです。


映画『ストレイヤーズ・クロニクル』
6月27日(土)全国ロードショー

監督:瀬々敬久(『ヘヴンズストーリー』、『アントキノイノチ』など)
原作:本多孝好「ストレイヤーズ・クロニクル」集英社刊
キャスト:岡田将生、染谷将太、成海璃子、松岡茉優、白石隼也、高月彩良、清水尋也、鈴木伸之、栁俊太郎、瀬戸利樹/黒島結菜、豊原功補、石橋蓮司、伊原剛志
脚本:喜安浩平(『桐島、部活やめるってよ』“第37回日本アカデミー賞優秀脚本賞受賞”)、瀬々敬久
音楽:安川午朗(『八日目の蝉』日本アカデミー賞最優秀音楽賞受賞、『どろろ』、『ヘヴンズストーリー』)
撮影:近藤龍人(『私の男』『桐島、部活やめるってよ』ほか)
アクション監督:下村勇二(『GANTZ』、『プラチナデータ』、『図書館戦争』)
配給:ワーナー・ブラザース映画

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