「普段のままであり続けること、自分を捨てないことを大切に」―映画『彼は秘密の女ともだち』アナイス・ドゥムースティエ インタビュー

フランス映画祭2015のアナイス

フランス映画祭2015のアナイス

『8人の女たち』『スイミング・プール』などで知られるフランソワ・オゾン監督の最新作『彼は秘密の女ともだち』(8月8日公開)に主演するフランスの若手女優、アナイス・ドゥムースティエ。「自分が女優になろうと思ったのは、13歳でミヒャエル・ハネケ監督の作品に出たこと」というアナイスが、初のタッグとなるオゾン監督について、また、自身が演じたクレールについて語ってくれた。

―最初にオファーが来た時、どう思われましたか?

オゾン監督はフランスで最も才能のある監督の一人なので、彼と一緒に仕事ができるということはとても嬉しかった。彼は女性を素敵に撮るだけでなく、深く複雑な部分もしっかり描いてくれる。今回の脚本も、ラブ・ストーリーを通じて自分を見つけていく開放のストーリー。まるでおとぎ話でもあるような感じが素敵だと感じました。

(C)2014 MANDARIN CINEMA - MARS FILM - FRANCE 2 CINEMA - FOZ

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―フランソワ・オゾン監督との仕事は初めてだと思いますが、過去仕事をしてきた監督と比べて際立った違いはありましたか?

私が映画に関わり始めた頃は若かったですし、他の監督がどうやっているかは知りませんでした。でも、今回はその違いを実感しています。オゾン監督の特徴としては「制作の進行が速い」ということ。撮影のテンポも含めてとかとにかく速い。年に1本のペースで出ていますから、フランスでも珍しい監督だと思います。

そして、すごく情熱的に進める人でもある。例えばミヒャエル・ハネケ監督の現場では、もっと集中する感じでシリアスな雰囲気。クリストフ・オノレ監督も近い感じでしたね。また、オゾン監督が他の監督と違うのは、撮影監督ではないけど、自らカメラの後ろに立ってアングルや構図を決めるんです。彼は何をどう撮りたいのかが明確。すごくわかっていて、演出や指示が的確だったのでやりやすかったですね。

(C)2014 MANDARIN CINEMA - MARS FILM - FRANCE 2 CINEMA - FOZ

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―「現場が速い」と言ってましたが、テイクを重ねたシーンはありますか?

何シーンかはありますが、記憶に残るほどはありませんでした。ハネケ監督は1シーンで49テイク撮ったりしますけど、オゾン監督はそういうことはなかったですね。今回の役作りはいつもの倍くらい時間をかけたので、信憑性のある役ができたと思う。また、監督のビジョンが明確なので、何テイクもしなくて済んだんだと思います。

(C)2014 MANDARIN CINEMA - MARS FILM - FRANCE 2 CINEMA - FOZ

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―劇中でクレールの外見が変化しますが、同時に表情や立ちふるまいなどの演技も変えていますよね?

そう言っていただけて嬉しく思います。クレール自身も変わっていくのが今回の一番の課題。演技の使い分けは気を遣いました。最初のクレアは一見幸せの条件が揃っているように見えて幸せではない。しかし、親友の死から全てが覆っていくんです。ダヴィッド(ロマン・デュリス)は見た目もあからさまに変わるけど、クレールはすごく繊細で、内面的に大きく変わっている。例えば姿勢一つにしても、最初は猫背から最後にはピンと背筋を伸ばしたりとか、撮影前からオゾン監督と仕草や表情について話し合いをしていましたね。

(C)2014 MANDARIN CINEMA - MARS FILM - FRANCE 2 CINEMA - FOZ

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―オゾン監督とクレールについて話しあった時に言われて印象的だったことは?

オゾン監督は言葉で多くは言わないし、脚本に全てが書かれています。「徐々に進化していくさまを描きたい」とは言われていました。役作りで頑張ったのは、クレールの内面まで理解しようとシナリオを読み込んだこと。シナリオを読む限りでは彼女はミステリアスな部分も多かったので、内面的な部分までしっかり表現しないと伝わらないと思った。現実味のある奥深い人物像を理解しようと務めました。

―クレールのどういう部分が魅力的だと思いましたか?

真の自分に向かっていこうとするところが好き。一人では出来なくても、誰かがいてくれるおかげで変わることができる。そういう存在が居ることも素敵だと思った。

(C)2014 MANDARIN CINEMA - MARS FILM - FRANCE 2 CINEMA - FOZ

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―この映画では「本当の自分を開放することの大切さ」を描いていますが、それが出来る場所はありますか?

女優という仕事は、いろんなことができる。今回の役も、女性らしさの問いかけをしてくるし、巡りあえてよかったですね。役になりきるために普段の自分を捨てることはありません。普段のままであり続けること、自分を捨てないことを大切にしています。他の女優さんを観ていても、自分を活かしながらやっている人のほうが、すごく素敵だなと思いますね。


映画『彼は秘密の女ともだち』
2015年8月8日(土)シネスイッチ銀座、新宿武蔵野館他 全国順次公開!

監督:フランソワ・オゾン
出演:ロマン・デュリス(『タイピスト!』)、アナイス・ドゥムースティエ(『間奏曲はパリで』)、ラファエル・ペルソナ(『黒いスーツを着た男』)
2014年/フランス/フランス語/107分/ビスタ/カラー/5.1ch
配給:キノフィルムズ
後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本

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