【若干ネタバレ】むしろ親御さんに観せたい! 映画『心が叫びたがってるんだ。』レビュー

(C)KOKOSAKE PROJECT

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2013年公開の『劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』は、その感動を映画館で体感・共有したいファンのパワーが咲き乱れ、興行収入10億円を超える大ヒットに育った。

それから2年後の『心が叫びたがってるんだ。』は、同作品のスタッフが満を持して送り出す感動青春群像劇である。『劇場版 あの花』はテレビシリーズ版を観ていないと分かりにくかったものの、『ここさけ』にはそうした心配はないので特に細かな下準備なく楽しめる。公式サイトのムービーページで見ることのできる特報やCMで充分だろう。また、
これから本作を観ようと考えている人のために、何に注意しておくべきポイントを少々ガイドする。

特報やCMですでに明らかになっている建物は、物語のカギを握る1つとなっているので覚えておこう。のっけから重い話になりそうな予感で「さすがマリー!」と、脚本・岡田麿里の作風を知るファンなら膝を打つかもしれないが、あくまでも取っ掛かりである。そもそも胸を打ちに映画館へ来たのだから、膝を打っている場合ではない。

同じく明らかにされているキャラクター「玉子の妖精」のお陰からか、「行きつ戻りつ」的な異世界ファンタジーのように思われるかもしれないが、それも主人公・成瀬順の心情を補足するキャラクターだと思ってもらえれば良いだろう(ちなみに成瀬は、膝を打つどころか擦りむく)。

成瀬は高校の担任から「地域ふれあい交流会」の実行委員に任命され、一緒に任命された坂上拓実、仁藤菜月、田崎大樹とともに、各自の思いが交錯しながら話が進んでいく。交流会の出し物であるミュージカルの発表会まで、途中でクライマックスらしいところは何度かあるが、覚えておくと良さそうなのはファミレスのシーンだろうか。

ミュージカルの題材は、成瀬の幼少期から現在まさに体験中の出来事とシンクロ。建物も玉子の殻だったのかとか思いつつ、映画は大団円を迎える。そして田崎のとった行動に、「あれは伏線ってことで良かったのか?」と思うに違いない。

思春期の少年少女の気難しさは、親御さんの方が理解できる。成瀬の母・泉は、どちらかというと突っぱねてきた方ではあるが、理解していると思って接しても突っぱねられてしまうほどに難しい。 これから文化祭のシーズンでもあるので、タイムリーに現実とシンクロする少年少女にとって悲喜こもごもな本作。メインとして想定している観客は彼らなのだろうが、むしろ親御さんならどう観るかが気になった。

(文:真狩祐志)


映画『心が叫びたがってるんだ。』
9月19日(土)より全国公開中

CAST
成瀬順:水瀬いのり/坂上拓実:内山昂輝/仁藤菜月:雨宮 天/田崎大樹:細谷佳正/城嶋一基:藤原啓治/成瀬泉:吉田羊
STAFF
監督:長井龍雪 脚本:岡田麿里 キャラクターデザイン・総作画監督:田中将賀
音楽:ミト(クラムボン) 横山 克
主題歌:乃木坂46 「今、話したい誰かがいる」 (ソニー・ミュージックレコーズ)
原作:超平和バスターズ/制作:A-1 Pictures/配給:アニプレックス/製作:「心が叫びたがってるんだ。」製作委員会
(アニプレックス/フジテレビジョン/電通/小学館/A-1 Pictures/ローソンHMVエンタテイメント)

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