『呪怨 ザ・ファイナル』監督・落合正幸インタビュー

『呪怨 終わりの始まり』の続編にあたる人気ホラーシリーズの最終章、『呪怨 ザ・ファイナル』がDVD化。前作に引き続き監督を務めた落合正幸が制作秘話を語る。

落合正幸

お化け屋敷感覚でツッコミながら楽しんでください

僕は怖い映画ばかり撮っている監督と思われがちですが、実は幽霊が出てくるホラーは好きじゃないんです。なぜなら、幽霊の存在自体が苦手で、『シャッター』という映画の脚本を書いていたときには、顔にじんましんが出たほど(笑)。だから清水(崇)監督が最初に手がけたオリジナルビデオ版の『呪怨』と『呪怨2』には心の底から震えました。亡くなった人の内側に黒々と渦巻く恨みや、人間だからこそ生まれる憎悪の感情を振り切って表現していて、『正直、自分にはできないな』と思っていました。

ビデオ版、ハリウッドリメイク版を合わせてシリーズ10作目となった前作『〜終わりの始まり』は、清水監督が創出した世界観を踏襲しながら『呪怨』をリブートさせる試みでした。本作も含めて新たな要素として盛り込んだのが、子どもが欲しくてたまらないのになかなか恵まれず、次第に精神を病んでいく伽椰子の設定です。そして伽椰子の情念と、親から愛されずに餓死してしまった俊雄の霊魂とが結びついて、その家自体に染みつく呪いになったという解釈を加えています。ただ、現実世界では我々の想像をはるかに超える事件も増えているので、たとえホラー映画であってもあまり生々しいものは避け、お化け屋敷感覚のエンターテインメントとして楽しめる映画にしようと、その部分はかなり気を遣いました。ホラー映画の撮影現場はその重苦しい内容とは裏腹に意外と淡々としていて、どうすれば観る人に最大の恐怖を与えられるのかをスタッフ全員で考える研究所のような雰囲気があります。ところがそんな現場でも麻衣役の平愛梨さんは相当怖かったらしく、ちょっとでも慣れてもらおうと事前に伽椰子が登場するシーンを見学してもらったら、めまいを起こして倒れちゃったんです(笑)。こんな体験は僕も初めてでした。

ぜひ友達や恋人やご家族のみんなと、ツッコミや笑いも交えて発散しながら観てください。逆にそうやって楽しんでもらった方が、僕自身もうれしいんですよ。ホラー映画は、部屋で一人きりで真剣に観ない方がいいですね。僕はいまだに『エクソシスト』を一人で観られませんから(笑)。

◆PROFILE

落合正幸/'58年東京都生まれ。『世にも奇妙な物語』などのTVシリーズで演出を手がけたのち、『パラサイト・イヴ』('96)で映画監督デビュー。ハリウッドデビュー作『シャッター』('08)、『学校の怪談 呪いの言霊』('14)などホラー映画の演出に定評がある。

『呪怨 ザ・ファイナル』

『呪怨 ザ・ファイナル』

11.6 RENTAL & ON SALE
'15年・日
監督・脚本/落合正幸
出演/平愛梨、桐山漣、おのののか、柳ゆり菜、松浦雅、最所美咲、小林颯、緋田康人、黒島結菜、袴田吉彦、佐々木希
【セル】3,800円(税抜)、4,700円(税抜/ブルーレイ)

(C) 2015『呪怨 -ザ・ファイナル-』製作委員会

(取材・文:佐々木優/撮影:江藤海彦)

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