【ロングインタビュー】キアヌ・リーブス「『マトリックス』メンバーとは仕事をしたい」

キアヌ・リーブス。日本が大好き

キアヌ・リーブス。来日の際は定宿にしているほど帝国ホテルがお気に入り

『スピード』(1994年)、『マトリックス』(1999年)で世界を沸かせた、キアヌ・リーブスが帰って来た!10月16日より公開の新作映画『ジョン・ウィック』で、マフィアに全てを奪われ、復讐のために封印していた殺しの技を一挙に解放する、伝説の元殺し屋ジョン・ウィックとして完全復活を果たす。

昨年アメリカで公開され初登場2位、翌週には1位を奪取した。今年のカンヌ国際映画祭では、早くも続編『ジョン・ウィック2』の製作が発表された。

そこで、本作のPRのために来日したキアヌ・リーブスにインタビューを敢行し、本作の魅力や続編秘話、そして今後一緒に仕事をしたい監督について話を聞いた。

ウィレム・デフォーの初共演「本当にクールな体験」

──“スタイリッシュ・アクションスター”のキアヌ・リーブス復活ですね! 本作が支持されている理由は何だと思いますか?

キアヌが降板した『スピード2』に出演したウィレム・デフォー。今回初共演

キアヌが降板した『スピード2』に出演したウィレム・デフォー(左)。今回が初共演

キアヌ:ありがとう。日本でも気に入ってもらえるといいな。アメリカではなんでこんなに大絶賛してくれているのか、僕も正直わからないんだよ(笑)。

僕は脚本を読んで、このジョン・ウィックという情熱的なキャラクターが気に入ってね。それと彼をとりまく異質な世界観も好きなんだ。リアルな世界とアンダーグラウンドな世界があって、暴力的だけどユーモアもあって、そこが面白いと思うんだ。またレトロでありながらも、すごくモダンだし、ぐいぐい観客を引き込むところが好きだね。

俳優陣も素晴らしいよ。僕はウィレム・デフォーの大ファンだから、彼と一緒に作り上げていけるなんて本当にクールな体験だったよ。とは言え、僕のほうは必死だったし、すごく緊張したんだけどね。でも同じくらい楽しかったんだ!

「ミフネ」を参考にした

役作りでは「世界のミフネ」を意識したというキアヌ

役作りでは「世界のミフネ」を意識したというキアヌ

──ジョン・ウィックというキャラクターが気に入ったとおっしゃいましたが、役作りはどのようにしましたか?

キアヌ:ジョン・ウィックは、映画の冒頭では普通の悲しみを抱えた男なんだ。最愛の妻を亡くし、犬を殺され、車も盗まれ…。監督たちは、アンチヒーローだけどどこか共感できるキャラクターにこだわっていたね。周りにいるキャラクターはよくしゃべるけど、ジョンはひとりだけ寡黙なんだ。そして、有言実行の男。

そういうところは「ミフネ」(三船敏郎)を意識して役作りをしたんだ。どのキャラクターも過去を背負っている感じが出ていて、構造的に面白いと思うよ。

──チャド・スタエルスキとデヴィッド・リーチ(監督としてのクレジットなし)の2人の監督と仕事をした感想は?

キアヌ:監督の1人、チャド・スタエルスキには1998年に始めて出会ったんだ。『マトリックス』で僕の演じていたネオと(ヒューゴ・ウィーヴィング演じる)トーマス・アンダーソンのスタントマンをやっていてね。その後も三部作の残り2作品も彼と仕事をして、そこでデヴィッド・リーチと出会ったんだ。

その後も何度か別の映画で仕事をして連絡を取り合っていて。当初はチャドとデイヴにこの映画のアクション・デザインをしてもらうということでアプローチしていたけど、本当は密かに監督をしてくれないかと願っていたんだ。彼らは脚本を気に入り、スクリーンに映し出された時にどうなるかを、僕と他のプロデューサーに映画のヴィジョンを話してくれたんだ。彼らはアイディアがすごくたくさんあったし、エネルギーも溢れていた。僕たちが以心伝心で信頼関係があったことでそれは強烈な経験だったね。

「ガン・フー」は大変だった

──さまざまなジャンルのアクションが取り入れられていますが、大変だったアクションは?

キアヌが「大変だった」と振り返る“ガン・フー”アクション

キアヌが「大変だった」と振り返る“ガン・フー”アクション

キアヌ:監督はこの映画を“ガン・フー(ガンアクションとカンフーの融合)”と呼んでいたんだけど、とにかくすべてが大変だったよ。

『マトリックス』の時は、撮影が始まる前に4ヵ月トレーニングをしたんだけど、この映画では3ヵ月のトレーニングをしたんだ。また、これまでなかった新しい要素が入ったアクションにもいくつか挑戦している。ロシア語(笑)と、柔道、柔術などだね。

また、アクションの一連の動きを細かく切り刻むのではなくて長いカットやワイドな画で撮影するという野心があったんだ。「やっているところを見せてみよう」という感じでね。監督は僕が目標をすごく高く設定して、僕ができること以上のことを要求してきたんだ。でも、彼らをがっかりさせるわけにはいかないと思ってがんばったよ。僕にとって一番大変だったのは、車のシーンかな。車を運転しながら銃も使わなくてはいけない、というね。あのシーンはものすごい緊迫感だったね。

血だらけのジョン・ウィックが、すべてを物語っている

──お気に入りのシーンは?

キアヌ:ナイトクラブのシーンは気に入っているよ。コントラストな要素を持ち込んでいるからね。メロウでムーディな音楽をかけている中で、激しく撃ち合うのがすごく面白い。

あと、イアン・マクシェーンとの共演シーンも気に入っているよ。ミカエル・ニクヴィストのパフォーマンスもすごく好きだね。ユーモラスでありながら、容赦ないところがいいよね。

自宅を襲撃されるシーンもいいね。廊下ですごい長いテイクの銃撃戦の後、呼び鈴がなって警官が来るけど、血だらけのジョン・ウィックを見て怖くて何も言えないってシーン(笑)。あれがもうこの映画のジョン・ウィックと言う男のすべてを語っているよ。

──本作は続編が決まっていますが、『マトリックス』以来のシリーズが作られる心境と続編で盛り込みたいことは?

キアヌ:またジョン・ウィックを演じることができてうれしい。

キアヌ、シブい

キアヌ、シブい

続編はどんな作品でもある程度のリスクは伴うと思う。でも皆が気に入ってくれた要素を続編にも盛り込みつつも、もう少しアンダーグラウンドの世界を入れて、ジョン・ウィックの過去を掘り下げたストーリーにしたいね。普通の男であるジョン・ウィックがいて、殺し屋の男であるジョン・ウィックがいて、そしてもう一つ新しい一面を見せたいなと思っているよ。

──ジョン・ウィックには美学がありましたが、あなたが心がけている美学とは?

キアヌ:幸せを感じるのは、撮影前に散々役作りなどの準備をして、監督が「アクション!」と言ってカメラを回し始めた瞬間だね。皆、一緒になって物語を語ろうとしているわけだからね。そして「カット」と言われて、うまくいけば、すごい充実感があるよ。役者として心がけているのは、真実を探ることに尽くしたい、常にリアルでありたいということだね。

アクション映画から離れていたのは「意識的なものじゃない」

──近年、アクション映画から最近遠ざかっていた印象ですが、なぜ離れていたのですか?

キアヌ:確かにそうだね。でも、意識的なものではなかったんだ。2011年に『フェイク・クライム』をやった後で、ドキュメンタリーの『サイド・バイ・サイド フィルムからデジタルシネマへ』(2012年)をやって、それでそのあたりで、『47RONIN』(2013年)をやり、『ファイティング・タイガー』(2013年)、そして『ジョン・ウィック』をやったわけだからね。

僕は、アクション映画は好きなんだよね。アクションシーンを撮影するのが好きだし、単に観た目が派手なアクション映画ではなくて、感情的で内容のあるアクション映画が好きなんだよね。でも、そういう脚本がすぐに見つかるわけではない。『ジョン・ウィック』では久しぶりにそういう脚本に出会えたということだと思う。

──『ファイティング・タイガー』で監督デビューもされましたが、監督と俳優、どちらが面白いですか?

キアヌ:監督するのは本当に楽しかったね。すごく良い体験だったよ。でも、俳優も、監督も、両方好きなんだよね。

それにプロデューサーも好きだし。プロデュース、監督、俳優、すべて好きだ。というのも、究極的に僕がやりたいこと、興味があること、そしてこれからもやり続けていきたいのは、何かを生み出すこと、そして物語を語り続けることだからね。その中で、これまでとは違う何か新しいものを生み出せたらうれしいと思っているんだ。

『マトリックス』の続編、決定権はないけど…

──今後出演したい、あるいは監督したいと思っているジャンルなどあれば教えてください。

キアヌ:ジャンルというのはとくにないけど、どのジャンルだったとしても、どこか新鮮で、オリジナリティがあって、何かしらの概念があるような作品に出たいね。

『マトリックス』 (C)1999 Warner Bros.  Entertainment Inc. All Rights Reserved.

『マトリックス』 (C)1999 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.

今まで観たことのないような映画に出てみたいんだ。そういう意味で僕はこれまでそういう機会が与えられたと思うから、すごくラッキーだったと思うし、この映画もアクション映画だけど、チャドとデイヴが、これまで観たこともないようなアクション映画にしてくれたと思っている。

彼らが作り上げた世界はユニークなビジョンを持っているし、その撮影スタイルも色合いもアクション映画としては変わっているからね。今後一緒に仕事をしたい監督と言ったら、もちろん、(ラナ & アンディ・)ウォシャウスキーとはぜひまた仕事したいね。

『マトリックス』の続編が作られるのかどうかは分からないし、それは僕に決定権はないけど。『マトリックス』でなくても、彼らとはぜひまた仕事したい。それから、クリストファー・ノーランやポール・トーマス・アンダーソンとはぜひ仕事したいね。実験的なことに挑戦している監督だと思うからね。その他にもたくさんいるけど、挙げ出したらきりがないね。

──最後に、本作の見どころを教えてください。

キアヌ:『ジョン・ウィック』は、すごくかっこ良くて、独創的なアクションシーンに溢れている。その上、映像もものすごく美しいし、登場人物たちも興味深いし、役者も素晴らしい。だから観ていてただ美しいし、肉体的にも、感情的にも、ものすごくエキサイティングな映画だよ。しかも、ここには独自の世界観が広がっている。だからこの映画は、観始めたら、物語の中にのめり込んでしまう、そんな作品なんだ。絶対に楽しんでもらえるはずだよ!

(取材・文:クニカタマキ)

『ジョン・ウィック』

10月16日(金)TOHOシネマズ新宿ほか全国ロードショー
出演/キアヌ・リーブス、ウィレム・デフォー、イアン・マクシェーン 監督/チャド・スタエルスキ 配給/ポニーキャニオン
http://johnwick.jp
Motion Picture Artwork (c)2015 Summit Entertainment, LLC. All RightsReserved. (c)David Lee

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