東京国際映画祭コンペ部門『さようなら』Q&Aレポート

 

 

第28回東京国際映画祭コンペティション部門の『さようなら』(11月21日全国ロードショー)の上映後Q&Aが27日、TOHOシネマズ六本木で行われ、深田晃司監督、ブライアリー・ロング、そして原作者である平田オリザが登壇した。

映画祭も折り返し地点となり『さようなら』の2度目の公式上映となる今回、深田晃司監督、ブライアリー・ロングに続いて登場したのは、本作の原作戯曲を書いた世界的に活躍している劇作家・平田オリザ。2010年のアンドロイド演劇「さようなら」の映画化となる本作について、監督は「映画『さようなら』はオリザさんが作り上げた演劇、そして石黒先生が作り上げたロボット工学、この二つの成果をお借りして出来た作品」と述べ両者に感謝の気持ちを述べた。

もともとの演劇版「さようなら」の制作の経緯については「ブライアリーがイギリスから日本へ一人でやってきたタイミングで、石黒先生からアンドロイドを使った企画をやらないかと無茶ぶりがあり、多言語を話す外国人とアンドロイドという組み合わせが面白いと思った」と振り返った。

その演劇を2010年にフェスティバル/トーキョーで観た監督が映画化を熱望し、「死に向かう女性と死を知らぬアンドロイドの生み出す[死の空間]をじっくり時間をかけて作りだしたかった」という監督の思いがそのまま表れて完成に至った。出来上がった映画を観た平田は、「率直に綺麗な映画にして頂いてありがたい。深田監督作品は青年団の劇団員が出ているので、幼稚園のお遊戯会に来た父親の感覚で観てしまう。演劇でなく映画なので心配ないのに、間違えないか不安で冷静に観られなかった」と青年団のお父さん的な眼差しで答え、会場は笑いに包まれた。

平田は「演劇は観客の想像力を要するもの。本作は映画の強みを存分に発揮してくれました。たった15分の演劇作品が映画になり、世界中の人にまた観てもらえる機会ができ、大変嬉しいです」という言葉で、青年団の演出部にも所属する深田晃司監督を激励。深田監督は「2010年に立ち上げ、最初はかなり特殊な日本映画になると思っていましたが、このような形で皆さんと共有するこができて奇跡のよう」と万感の思いを語ってくれた。

<物語>
日本で稼働する原子力発電施設の爆発によって放射能に侵された近未来の日本。日本の国土の大半が深刻な放射能汚染に晒され、政府は「棄国」を宣言した。各国と提携して敷かれた計画的避難体制のもと国民は、国外へと次々と避難していく。その光景をよそに、避難優先順位下位の為に取り残された外国人の難民、ターニャ。そして幼いころから病弱な彼女をサポートするアンドロイド、レオナ。彼女たちのもとを過ぎていく多くの人々。そしてそれぞれの生と死。やがて、ほとんどの人々が消えていく中、遂にターニャとレオナは最期の時を迎えることになる…。


映画『さようなら』

11月21日(土) 新宿武蔵野館他 全国ロードショー!

脚本・監督:深田晃司(「歓待」「ほとりの朔子」)
原作:平田オリザ アンドロイドアドバイザー:石黒浩
出演:ブライアリー・ロング、新井浩文、ジェミノイドF、村田牧子、村上虹郎、木引優子
配給・宣伝:ファントム・フィルム

この記事を読んだ人におすすめの作品

アーティスト情報

関連サイト

TSUTAYAランキング

おすすめ映画ガイド

TSUTAYA MUSIC PLAYLIST