「笑いは常に変わっていくもの」―『帰ってきたMr.ダマー バカMAX!』ボビー・ファレリー監督インタビュー

したコメで来日の監督。お気に入りのハンマーを手に

したコメで来日の監督。お気に入りのハンマーを手に

メリーに首ったけ』(98)や『愛しのローズマリー』(01)でお馴染みのピーター&ボビー・ファレリー兄弟の初監督作品で、ジム・キャリー主演のおバカ映画『ジム・キャリーはMr.ダマー』(94)の公開から21年目の今秋、同作の続編『帰ってきたMr.ダマー バカMAX!』(14)が、ついに日本公開を迎える。

今回は、同作が特別招待作品として上映される第8回したまちコメディ映画祭に合わせて来日したボビー・ファレリー監督に、同作の製作に至った経緯や撮影中のエピソード、演出とストーリー構成、そして映画製作におけるポリシーについてお話を伺った。

―まずは、本作の製作しての率直な感想をお聞かせください。

監督:僕ら兄弟にとっては、『ジム・キャリーはMr.ダマー』が初監督作品だったんだけど、本当に毎日の現場が楽しかったんだ。だから、20年後に続編を製作する機会を得ることができて、ジム・キャリーとジェフ・ダニエルズという2人の役者と、ロイドとハリーというキャラクターを通じてまた一緒に仕事が出来て嬉しく思ったよ。

―楽しまれたとのことですが、20年という時を経て続編を製作することで、何かしらの困難はありましたか?

監督:一番大変だったのは、資金集めだね。20年が経っているということもあって、出資者が続編は見たくないという反応を見せていたんだ。実際に公開されてからはアメリカでナンバーワンになったけどね。予算がそこまで高くない作品であるにもかかわらず、スタジオはなかなか首を縦に振ってはくれなかった。自由にコメディを作ることをしていない、コメディを作ることが難しくなっているハリウッドの現状には驚いたよ。

(C)2014 DDTo Finance, LLC

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―前作から20年を経て完成した本作ですが、監督は年を重ねたことでご自身の笑いの方向性に変化を感じましたか?

監督:この20年間で色々な作品を撮ってきたから、その経験が活かされているべきではあるんだけど、1作目の『ジム・キャリーはMr.ダマー』は他の映画と同じようにうまくいった作品だった。だから、学びすぎるのではなくて、多くの場合は基本に戻って、観客を笑わせて、楽しんでもらうことを心がけるようにしているよ。

―監督がコメディを作るにあたって、影響を受けたものはありますか?

監督:僕たち兄弟は人を笑わせることが大好きで得意だから、コメディを作るのに向いているんだ。ただ、去年面白かったものが今年もそうかと言われれば違う。笑いは常に変わっていくものだから、新しい作品にチャレンジするたびに、どんな笑いがフィットするのかは常に考えているよ。

―「笑いは常に変わっていく」というお話がありましたが、監督の作品では定番のギャグとして障害者ネタがあります。日本では、障害者をネタにしたギャグは避けられる傾向にありますが、本作や過去作で監督があえてこうしたギャグをストーリーに組み込んできた背景には、障害者の人々への特別な思いを感じるのですが…。

監督:子供の頃、近所に障害を抱えている子が何人かいて、僕ら兄弟は他の子と同じように彼らと親しくしていたんだ。育った環境なのかもしれないけど、映画を作るときに、健常者だけじゃなくて、障害者もコメディに登場させたいと思ったんだ。「障害者をコメディに登場させるなんてダメだ」ってスタジオの反対にあったことを覚えているけど、僕らからしたらダメな理由が見当たらなかったね。

(C)2014 DDTo Finance, LLC

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―本作でも爆笑を連発させているロイドとハリーですが、彼らはそもそもどういった経緯で生まれたのでしょうか? 特定のモデルはいるのでしょうか?

監督:僕ら兄弟だね(笑)。僕らが友達と実際にやったバカみたいなことを味付けして、ロイドとハリーに反映させているんだ。

―本作のストーリーは、どう作り上げていったのでしょう?

監督:脚本・監督・編集はいつもピーターと共同でやるんだけど、一番長く時間をかけるのが脚本なんだ。普通、良い脚本から悪い映画が生まれることはあっても、悪い脚本から良い映画が生まれることはないんだ。だから、脚本に関しては時間をかけて、満足できるものになるように努力しているよ。時間がかかる作業だから大変だけど、一番やりがいがあるよ。

―中盤で、ロブ・リグル演じるキャラクターが、ボディ・ペイントをして背景に完璧に溶け込むシーンがありますが、あのシーンではCGを使っているんですか?

監督:いや、使っていないよ。周囲のスタッフからはCGでやろうと言われたけど、ズルしたくなかったんだ。実際に見てもらえば、100%リアルだと分かってもらえるはずだ。メイクのスタッフにはさんざん迷惑をかけたけどね(笑)

―では本作の中で、監督のお気に入りのシーンとその理由を教えてください。

監督:ロイドとハリーが爆竹を部屋に投げ入れるシーンだね。複雑な撮影だったし、1テイクだけで撮ったシーンだったんだ。皆が緊張していたんだけど、結果としてうまくいったから気に入っているよ。

(C)2014 DDTo Finance, LLC

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―撮影中、特に印象深い出来事や、ハプニングはありましたか?

監督:ジム・キャリーとジェフ・ダニエルズが現場にいると、カメラがオンの時もオフの時も、特に一つを選ぶことはできないくらい笑いが生まれるんだ。本当に毎日毎日が楽しかったよ。

―映画製作における、監督のポリシーは?

監督:柔軟でいるために、特別なポリシーは持たないようにしているんだ。でも、僕ら兄弟、そしてスタッフやキャストを含めた全員が楽しむことはとても重要視している。そういった現場の空気は映画に反映されるし、キャストが色々と試すことができるような空気を作ることは、映画製作のプロセスにおいて大事なことだと思うね。

―監督はコメディやロマンティック・コメディを撮り続けてきましたが、これら以外のジャンルに興味はありますか?

監督:ロマンティック・コメディというのは、コメディの中の1つの形に過ぎないんだけど、今は作ることが難しくなってきているんだ。だからコメディ以外のジャンルにも取り組んでみたいと思っているよ。

―では最後に、公開を心待ちにしている映画ファンへメッセージをお願いします。

監督:20年も辛抱強く待ってくれてありがとう。僕らが本作を作るのを楽しんだように、観客の皆さんにも本作を楽しんでもらえたらと思っているよ。ロイドとハリーが、将来またスクリーンに戻ってくることができたらいいね。

(取材・文:岸豊)


映画『帰ってきたMr.ダマー バカMAX!』
大ヒット上映中

原題:Dumb and Dumber To
監督:ピーター・ファレリー、ボビー・ファレリー
出演:ジム・キャリー(『マスク』、『イエスマン』)、ジェフ・ダニエルズ『LOOPER/ルーパー』、キャスリーン・ターナー(『白いドレスの女』)、レイチェル・メルビン『ゾンビーバー』)、ロブ・リッグル(『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』)、ローリー・ホールデン(『サイレントヒル』)

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生年月日1962年1月17日(56歳)
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生年月日1963年10月28日(54歳)
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