『007 スペクター』ボンドガール、レア・セドゥから「本当の美しさ」を学ぶ

いま大注目のフランス女優、レア・セドゥは、神秘的な美しさを放つ。

レア・セドゥ WENN.com

レア・セドゥ WENN.com

アデル、ブルーは熱い色』(2013年)で、蒼い髪の毛のレズビアンでボーイッシュな画家を熱演し、通常は監督に贈られるはずのパルムドール賞を受賞。『007 スペクター』のボンドガールという栄光も手にし、レアならではの強い女性を演じている。女優のみならず、ファッション業界からもラブコールが絶えない彼女からは、"美"について学べそうだ。レアのフランス女性ならではの、美しくなるコツとは――。

シミ、ソバカスは気にしない

レア・セドゥは、決して整った顔立ちではない。頬骨が張ってダンゴ鼻、クマもあるし、眉毛は薄く麻呂のようで、睨むと怖い。だが不思議なことに、見れば見るほど美しい。そこにはとても強い生命力を感じるからだ。

そのヒントはフレンチの美意識にありそうだ。フランス女性は表面上の美しさを追求しない。作り込んだ美しさではなく、ナチュラルでその人そのものが輝いていることを大切にする。だから、シミやソバカスなんて全然OK。女性として生きることの楽しさを味わい、強い意志を持つことで自信がつき、オーラを放つ。そんな段階を経て、魅力へと発展するようである。

レアは、映画『美女と野獣』(2014年)でのインタビューで、こんなことを語っている。

「今はイメージが先行する時代で、皆美しくあることに取り憑かれているけれど、それはとても不幸なことよ…イメージばかり追いかけていたら皆似てきてしまうもの。やはり心が大事よ」

また、「作品を通して自分の恋愛観や価値観を見つめ直す機会になればいい」とも述べている。「私は私を楽しむわ!」という気骨が大切なのだ。

レアは普段、口紅とマスカラのみだそう。ファッションも目立たないようなものが好き。一方、レッドカーペットを歩くときは、大胆で色っぽいドレスを着るのを楽しみにしている。「美人は3日で飽きる」の言葉通り、いつもキメていても普通なので、オンとオフ両方のスタイルを楽しみ、印象を変えるようにしている。自分というアイデンティティーが揺るがず、ブランド物を着ても裸でいても、レアはレア。欠点だらけでも、そんな素の自分を愛してあげることがとても大事で、美しく輝く第一歩なんだと思う。「素の自分」が「素敵な自分」に思えるようになりたいものだ。

彼女はこれまで、フランス映画を中心に数多くの作品に出演している。それぞれがとても印象的なのだが、役柄によってまったくの別人に見え、同一人物であることに気づかないこともあるほどの演技力を見せる。そのいくつかを紹介しよう。

美しいひと』(2008年)

17世紀の恋愛文学の古典「クレーヴの奥方」を現代風に学園を舞台に描かれた作品。

学園の生徒で、教師と同級生に好意を寄せられ戸惑う16歳の少女をレアが演じている。若き日のレアも美しく、この作品からファンになる人も多い。

グランドセントラル』(2013年)

カブールロマンティック映画祭でグランプリを獲った作品。内容も興味深く、原発作業員達のラブストーリーだ。日本人にとっても大事な問題で、原発を舞台にここまで細かく撮った映画は今までない。

『007 スペクター』(2015年)

現在絶賛公開中で、『007』史上最高額の制作費を投じた迫力の映像が見事。劇中のレアのドレス姿が美しく、ダニエル・クレイグとのコンビも絵になっている。激しいキスシーンあり、アクションありの傑作は大きなスクリーンで。ただし、i maxは画面が大きすぎて、前列だと見づらいので、混雑する土日はチケットを前もって買うことをお勧めする。

魅力あふれるレア・セドゥ。彼女は、確固たる自分の意志に反するものは演じない。そんなレアから生き方や作品を通して、本当の美しさを学んではいかがだろう。美しさとは完成度ではなく、一生懸命さの合い間に見え隠れする過程と内面なのかもしれない。その過程を楽しみ、コンプレックスさえ魅力へと変えていく。レアは、そんなことを教えてくれる。

2016年は、『X-MEN ガンビット』にヒロイン役で出演する。彼女が今後、どう年齢を重ね、どんな女性になっていくのか。引き続き目が離せない。

(文:本橋 里絵)

美女と野獣

美女と野獣

出演者 ヴァンサン・カッセル  レア・セドゥ  アンドレ・デュソリエ  エドゥアルド・ノリエガ  ミリアム・シャルラン  オードリー・ラミー  サラ・ジロドー  ジョナサン・ドマルジェ  ニコラ・ゴブ  ルーカス・メリアーヴァ
監督 クリストフ・ガンズ
製作総指揮 フレデリック・ドニギアン
脚本 クリストフ・ガンズ  サンドラ・ヴォ=アン
音楽 ピエール・アデノ
概要 「ジェヴォーダンの獣」「サイレントヒル」のクリストフ・ガンズ監督が、これまでにも何度も映像化されてきたフランスの古典的物語を、主演に「アデル、ブルーは熱い色」のレア・セドゥと「ブラック・スワン」のヴァンサン・カッセルを迎え、最新の映像技術を駆使して映画化したファンタジー・ロマンス。都会で裕福な暮らしをしていた商人一家が、貿易船を大嵐で失い、破産してしまう。失意の父親はある日、森の中の古城で美しいバラを一輪手折ったことから、城の主人である野獣から命を要求される。帰宅した父から事情を聞いた末娘のベルは、自ら身代わりを買って出て野獣の城へと駆けつける。しかし、死を覚悟するベルに対し、野獣が求めたのは、ディナーを共にすることだけだった…。

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