連ドラでも、漫画でも行ける作品―「TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM」準グランプリ片桐健滋&梅本竜矢氏インタビュー

2015年11月12日、TSUTAYAが新たなる才能を発掘し、販促・製作において全面的にバックアップするという初の試み「TSUTAYA CREATORS' PROGRAM」(以下、TCP)の最終審査会にて、『ルームロンダリング(仮)』で準グランプリに輝いた片桐健滋&梅本竜矢氏。

審査会には、唯一の2人組で登場した片桐&梅本両氏に受賞からしばらく経った某日、短い時間ではあるがお話を伺った。

片桐健滋氏

片桐健滋氏

イメージをつけない、つけさせないプレゼンをするのが一番だと思っていた(片桐)

世の中には怪しい仕事が沢山。死体洗浄に臓器売買…知ってはいるけど見たことがない。今作の事故物件を専門に扱う不動産屋も都会に潜む闇の仕事。ルームロンダリングとは、訳あり物件に居住し浄化することを生業とし、想いを残し幽霊と化した元住人たちを成仏させながら失踪した母親を探すという無気力女子が主人公のブラックファンタジーコメディ。

この『ルームロンダリング(仮)』は下北沢の居酒屋でのやり取りが企画の始まりだったという。

「TwitterやFacebookで日々の出来事を記録しているんですけど、今年の5月くらいに彼と下北沢で飲んでいて、その時出来た話ですね。TSUTAYAのTCPのリリースを見た時、2人で話していたことが一番キャッチーだったし、TSUTAYAさんで並んでいるパッケージとか、来店する若い子たちをイメージしたら、一番合っている企画だなと」(梅本)

すでにある程度ターゲットも見据えていた梅本氏は、片桐氏に先んじて企画書を提出。その動きに片桐氏は…

「TCPに企画を出しておいたと連絡が来て、その後、一次審査を通過したんです。そうなると本格的に脚本を書かないといけないんですが、僕もこれから現場で撮影が始まるタイミングで。『すっげー無茶なこと言うなコイツ』と思ったんですが(笑)、とりあえず書いてパスして、全部揃っていない状態なのに締め切り当日に持ち込んだ感じだったんですね」(片桐)

最終審査会にて2人が出したイメージ映像も実写ではなかった。

「映像の方も全く同じで、時間がないから撮りに行けない。だから漫画家の人を紹介してもらって、最低限の枚数だけ書いておいてくれと。で、撮影が休みの日にそれを撮って編集して、そのまま会場に持ち込むっていう流れだったんで…。全部もうまぐれなんですよね」(片桐)

「(笑)。今思えばそうですね」(梅本)

しかしながら、漫画家を紹介してもらったのにもきちんと理由があっての事だったのだ。

「最終審査会では、特にイメージを付けない、つけさせないプレゼンをするのが一番だと思っていた。なので、今後の展開とかいろんなことを考えた時に、イメージを持たないけどプラスのもの=『漫画原作』だろうと。その形にしてプレゼンしようっていうのがある種の作戦でしたね。みんな多分映画撮りたい人なんで、実写でやるだろうからって」(片桐)

梅本竜矢氏

梅本竜矢氏

製作費1億くらいの価値はあるなと思っていました(梅本)

落ちる前提で考えたというこの企画、2人はそれぞれの思惑を持っていた。

「梅ちゃんの考え方が、落ちる前提だったんですね。なので、落ちた時にせっかく企画書として書くんだから、テレ東深夜枠に持って行ってもいいようにしたいと。僕は逆にいつも助監督やっていて思うのが、昨今やっぱりオリジナルがないし、小説もあるけど、漫画原作もすごく多いから、脚本じゃなくて漫画書いたほうが良いって思った。脚本が漫画として成立して面白くて、それを漫画原作の人が監督をするとなれば、お金を出してもらいやすいんじゃないかなって思ったんで」(片桐)

「TCPで5,000万円が獲れなかったとしても…他の企画プロデューサーとかに見せたら1億くらいでやらせてくれるだろうなと思っていたので。審査員の方たちはその辺の価値を感じてくれたんじゃないかと思います」(梅本)

では、企画が通った今、『ルームロンダリング(仮)』における2人のバランス感はどうなるのだろう?

「映画そのものに関する比重は95%片桐くんで僕は5%くらいしか言いたくないな、くらいのつもりなんですよね。この案件に関しては、自分で悔いなくやるっていうところの一作目だったりするので、自分が死ぬときに『あの一本目は…梅本があんな事言ったから』みたいな(笑)ことにならないように思い切ってやりたいですね」(梅本)

「実際脚本が上がって撮影していきますってなったら、今言っているような関係になると思うんですけど、実務的なことであったりとか、整合性をとったりとか、物語を分析したりすることは僕よりも絶対梅ちゃんのほうができるので、互いに意見も聞きながらやりたいなと思います。15年…20年くらい前から一緒にずっと仕事をちょこちょこ現場でしてきているので、人間性もよくわかっている。プレゼンの時もそうだったけど、梅ちゃんがいてくれてよかったと思う事のほうが多いので、今後もそういう瞬間はいっぱい来ると思う。最終的に僕のことを一番知っているのは彼なので」(片桐)

「何でも屋ですんで」とも語ってくれた梅本氏。片桐氏にとっては欠かせない存在だというのがよくわかる。

「プレゼンの映像も作る時間ないかもしれないって泣き言言ったら、仮で作って送ってきてくれたりとかするんですよ。それで作ってもらったやつは『全然違う』っていうんですけど(笑)。すごく失礼な話なんですけど、そうやってやってきたので」(片桐)

最終審査会の一幕。梅本氏が手にしているアイテム、当日見つけてきたものだと会場で明かされた

最終審査会の一幕。梅本氏が手にしているアイテム、当日見つけてきたものだと会場で明かされた

憧れや考えかたが垣間見える、片桐氏&梅本氏おすすめの映画は…

片桐さんが映像の世界へ引きこまれた番のきっかけは、10代の頃に観たトニー・ガトリフの『ガッジョ・ディーロ』だったそう。そこから渡仏~3年編集助手を経験~帰国後、崔洋一監督の元で助監督をやることになって、梅本さんと出会ったんだとか。その梅本さんは「2~3年前くらいまで、ジェリー・ブラッカイマーみたいになりたいと思っていたんですよ」と自身の理想像を持っていたのですが、最近変化があったようで…。

SHIBUYA TSUTAYAにて

SHIBUYA TSUTAYAにて

片桐氏おすすめコメント

日常の中にあるファンタジー。ありえないけどあるよーな。大好きです。

梅本氏おすすめコメント(『キングスマン』も推してくれています)

スパイものでありながら、楽しい仕掛けやアイデアがいっぱいでオモシロイ。監督のマシュー・ボーンは『キック・アス』も作っていて、プロデューサーも兼任していて、今一番あこがれの人です。

フランス映画好きな片桐氏は「日本に来ているフランス映画って、『ベティ・ブルー』しかり、そういったテイストの作品が多い。でも本当はコメディも多い国なんですよ」と嘆きつつも、「作風として好きなモノはなんだろうってなったときに、挙げるなら『ビッグ・フィッシュ』ですかね。僕は基本ファンタジー的なものが好き。この作品は日頃の出来事の中の切り取り方がすでにファンタジーなので、そういうのが素晴らしいなと思ったし、物事の見方を変えるキッカケなった作品なので。デヴィッド・リンチの『ストレイト・ストーリー』と同じで、いつもやっているテイストじゃないことをやっても、素晴らしい監督は素晴らしいということですかね」

では、『ルームロンダリング(仮)』において、その影響はどこまで出るのだろう?

「やっぱり基本的にはフランス映画が好きなので、良い会話を作りたいとは思います。キザじゃない、と。全部言うわけじゃない、と。でも、言葉として“理解するより感じる”物語ができればいいなと思いますけど」

また、プロデューサーとして活躍する梅本氏が最近気になるのはマシュー・ヴォーンなんだとか。

「自分が映画作っている人間なんで、映画観ると穿った見方しかしないんですよ。この明かりがどうだとか、編集がどうだとか…。そういうの関係なく頭を空っぽにして面白いかどうかだけで観る映画を最近は選んでいるんですが、『キック・アス』はその中でノリがあって一番面白かったっていうのが単純な感想ですね。最新作の『キングスマン』とかも見て面白くて、マシュー・ヴォーンの名前を知って。おしゃれで面白い、誰も見たことのないことをやりたがっている人だなと思って。決して無理なセットを作ったりせず、安いところは安くやっていたりとか見えるんですけど、そこがアイデアとかで面白いと思う方向に転がって行っているので、トータルとして今の時代の気分を作れている人なのかなというのが尊敬するところですね。キャスティングもいつも面白いと思います」

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