芸術とエンタメを両方持ちあわせるようなものにしたい―「TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM」グランプリ中江和仁氏インタビュー

2015年11月12日、TSUTAYAが新たなる才能を発掘し、販促・製作において全面的にバックアップするという初の試み「TSUTAYA CREATORS' PROGRAM」(以下、TCP)の最終審査会にて、集まった474の企画の中から、『嘘と寝た女(仮)』で見事頂点に立った中江和仁氏。

審査会では満場一致での受賞となった本作について、受賞からしばらく経った某日、中江氏に短い時間ではあるがお話を伺った。

中江和仁氏

点数なんて、あってないようなもの

中江氏がプレゼンした『嘘と寝た女(仮)』は、実際の事件を元にしている。

5年間同棲した内縁の夫が亡くなった際、彼の名前や医者と称していた事などすべて嘘だとわかりました。夫は一体誰だったのか、調べてもわからない。ただ夫は、妻に黙って700枚の小説を書いていたのです…。

話の内容もさることながら、実写でのイメージ映像でさらに会場を引き込んだ中江氏。満場一致の受賞にも、「嬉しかったというよりも、あぁよかった、と思って」と感想を述べてくれたが、確固たる自信が合ったというわけでもなかったという。

「自信はあったかどうかわからないし、選ぶ人たちがどういうものを求めているのかもわからない。点数なんてあってないようなものですから。そこはもう、審査員が違えば結果も違ったでしょうし。自分としては、やることだけはやったぞと思っていましたね」

最終審査会に

最終審査会にて

『嘘と寝た女(仮)』イメージ画像

『嘘と寝た女(仮)』イメージ画像

当初、クリエイターはクリエイターでも、映像ではなかった?

高校に入るくらいの時に「将来ものづくりがしたい」と考えていた中江氏。なんと、映像より先に自身が作っていたのは「服」だった。

「今はこんな格好していますけど、昔は若干オシャレだったんですよ(笑)。服を自分で作っていたんです。見よう見まねでですけど。自分の服を解体して、パターンを見たりして、またミシンで縫って…みたいな。そんなこともあって、将来服を作りたいと最初は思っていたんです。で、美術の大学があると高校1年の時に知って、友人と一緒にその学校に入りました」

それと並行しつつ、映画は友達からの影響が大きかったと話す。「中学生の時にすごく仲のいいやつがいて、彼の家はWOWOWに加入していた。家にビデオがたくさんあったんですよ。だから彼にビデオを借りて、よく見ていましたね」

そんな中江氏の思考があるタイミングで「映画>服」に変化することになる。「あるときに、服の業界の人には申し訳ないんですけど、服は表面的だと思ってしまったんです。自分が描きたいことは外側ではなくて、もっと人間の内側なんじゃないか。そこで自分の中で服作りと映画の価値観が逆転ましたね」

今まで歩んできた服の道から映画の道へ進路を変えると、その先も早かった。「今まで映画監督になった人たちの経歴を全て調べたんですね。どういう人がどういうルートで映画監督をやっているかって。僕の中ではCMから期待人がカッコ良く見えた。例えば市川準さんとか石井克人さんとか中島哲也さんとか…。彼らは若くしてCMの監督になれるし、いろんな現場を体験できる。場数を踏めるし、なにより彼らが撮っている映画が他の人達よりも自由に見えましたね。で、いくならこのルートだと思って」

高校の時に衝撃を受けたという、中江氏おすすめの映画は…

「思いついたはいいんですが、誰が借りるんだって(笑)」と言いながらオススメしてくれたのは、氏が高校の時に衝撃を受けたという諏訪敦彦監督の『M/OTHER』

SHIBUYA TSUTAYAにて

SHIBUYA TSUTAYAにて

中江氏おすすめコメント

なんでもない日常が、こんなにもリアルに痛々しく描かれている映画は、他に見た事がない。

「これは後々知った話なんですけど、この作品には脚本がないんですよね。あるプロットだけがあって、状況だけを役者に説明してアドリブでやらせる。そのため、会話や雰囲気が非常にリアル。当時高校生の僕は、日常の雰囲気に近いものを描いている作品が他にないなと思っていたんですね。“そのままのリアルが本当に成立するんだろうか”と思っていた時に、諏訪さんはそれをやっていて、『うわ、すげぇ人がいる」って思ったんですよ」

CMで活躍している中江氏において、自身の映像に対するこだわりとは?

「CMって、映画と違って何日も前から本を読んで準備してってことではないので、役者はその日にコンテや脚本を見ることもある。当日見てもなるべく入りやすくしてもらえるように、最初に、役者がメイク室に入る前に、設定を全部書いておくんです。ちょっと手がかりになるようなものを用意して、メイク中にそれを見てもらってキャラを掴んでもらったりとか、映画に近いような作り方をしようとはしようと心がけていますね」

日頃から映画的手法にこだわる中江氏、『嘘と寝た女(仮)』ではどのようなことを考えているのか。

今まで撮ってきた自主映画と違い、この映画はエンタメにしたいなと。理想を言えばポン・ジュノの『殺人の追憶』みたいな感じにしたいと思っている。ポン・ジュノがすごいのは、エンタメでありながら人の業的なところを描いていて、その2つを非常に力強く、上手く描く人だと思う。彼は“黒澤明の孫だ”ってよく言われてましたけど(※「殺人の追憶」を観た阪本順治監督の発言)、芸術とエンタメを両方持ちあわせるようなものにしたいですね。

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