新作映画『スティーブ・ジョブズ』を観るべき3つの理由―伝記映画の“最新モデル”だ!

(C)Universal Pictures

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『スティーブ・ジョブズ』ってどんな映画?

アップルの共同創業者として、現在のパソコンの元祖を生み出したスティーブ・ジョブズは、自らがスカウトした取締役に退社に追い込まれてしまう。その後、古巣に復帰するとiMac、iPod、iPhone、iPadを世に送り出し、倒産寸前だった同社を時価総額世界1位に立て直した。斬新なアイデアでIT業界のみならず、人々の生活そのものに大きな変革をもたらしたジョブズとはどんな人物だったのか? 歴史を変えた3つのプレゼンテーションの舞台裏を通して、その本質に迫るヒューマンドラマだ。

観るべき理由:1―アカデミー賞監督×脚本家が生み出す伝記映画の“最新モデル”

原案はジョブズ本人が唯一全面協力した、ウォルター・アイザックソン著の「スティーブ・ジョブズ」。ただし、膨大な内容をそのまま映画にすると、単なる人生のダイジェストになってしまう…。そこで『ソーシャル・ネットワーク』でアカデミー賞に輝いた脚本家のアーロン・ソーキンは、「1984年Macintosh発表会」「1988年NeXT Cube発表会」「1998年iMac発表会」の緊迫した舞台裏“本番40分前”にスポットをあて、ジョブズの人生哲学を浮き彫りにした。

この大胆かつ斬新なシナリオを、まるでビートを刻むような疾走感で映像化したのが、『スラムドッグ$ミリオネア』でアカデミー賞作品賞&監督賞を受賞したダニー・ボイル。生前のジョブズ氏がそうであったように、常に挑戦を忘れない超一流のスタッフが、革新的なアップデートで伝記映画の“最新モデル”を生み出した。

観るべき理由:2―撮影、衣装、音楽…まるで映画3本分の満足感

映画は1984年、1988年、1998年という3つのパートで構成されており、それぞれ撮影方法やジョブズの衣装、そして音楽の雰囲気がまるで異なっている。1984年のパートは16ミリで撮影され、道半ばであるジョブズの若々しさを活写。一方、アップルを追い出されたジョブズが復活の狼煙(のろし)をあげる1988年は、スケール感を出すために35ミリで撮影された。そしてiMacを発表した1998年の撮影に使用されたのが、アレクサと呼ばれる最先端のデジタルカメラという具合だ。

音楽も、シンセサイザーを使った初期のコンピュータサウンド、オペラを思わせるオーケストラ、アップルのソフトで作られたエレガントな楽曲と、各時代を反映したチョイス。濃密過ぎた人生のエッセンスを凝縮し、まるで映画3本分の満足感を味わえるのが、大きな魅力だ。

観るべき理由:3―“脱モノマネ”主義でジョブズを熱演、アカデミー賞主演男優賞なるか?

近年、ハリウッドでは実在の人物を描いた作品が数多く製作されており、一大ブームを巻き起こしている。スティーブ・ジョブズに関しては、2013年に同じタイトルの伝記映画が製作されており、後発の本作では「本人に似ている」「けれど誰も知らないジョブズ像」が求められた。

そんな難題に挑んだのが、名優マイケル・ファスベンダー『プロメテウス』『それでも夜は明ける』)。伝記映画にありがちな“モノマネ演技”ではなく、内面に秘めた知性と野心をあぶり出す人間味あふれる名演を披露し、見事第88回アカデミー賞の主演男優賞にノミネートされた。ちなみに候補にあがった5人の俳優のうち、実在の人物を演じたのは4人! 娘との確執と和解を通し、“父としてのジョブズ”という一面も垣間見せたファスベンダーの演技に対する評価は高い。

(文・内田涼)


映画『スティーブ・ジョブズ』
2月12日(金)全国公開

原題:Steve Jobs
監督:ダニー・ボイル(『スラムドッグ$ミリオネア』、『28日後…』、『トレインスポッティング』)
脚本:アーロン・ソーキン(『ソーシャル・ネットワーク』、『マネーボール』)
出演:マイケル・ファスベンダー、ケイト・ウィンスレット、セス・ローゲン、ジェフ・ダニエルズ 他

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アーティスト情報

ダニー・ボイル

生年月日1956年10月20日(61歳)
星座てんびん座
出生地英・マンチェスター

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マイケル・ファスベンダー

生年月日1977年4月2日(41歳)
星座おひつじ座
出生地独・ハイデルベルク

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