『スティーブ・ジョブズ』と併せて観たい! 偉大な改革者を描いた伝記映画3選

(C)Universal Pictures

映画『スティーブ・ジョブズ』より (C)Universal Pictures

PCやスマホなどの開発を通じて、現代人のライフスタイル形成に最も貢献した、アップル社の共同設立者で実業家の故:スティーブ・ジョブズの姿を描いた映画『スティーブ・ジョブズ』(ダニー・ボイル監督作品)が全国公開中だ。多くの敵を作りながらも、数々の製品の開発によって多くの人に愛されたジョブズは、紛れもなく偉大な改革者。今回は、ジョブズと同じように、人類に多大なる貢献を果たした、偉大な改革者を描いた映画を3本紹介する。

『グローリー/明日への行進』のキング牧師

エヴァ・デュヴァネイ監督の『グローリー/明日への行進』は、黒人と白人の権利平等化に極めて大きな貢献を果たしたキング牧師の知られざる姿と、彼が1965年に行った「セルマ行進」に至るまでの戦いの日々を描いた作品だ。

キング牧師を演じたデヴィッド・オイェロウォ、当時の米国大統領:リンドン・ジョンソンを演じたトム・ウィルキンソン、強烈な白人主義者のアラバマ州知事:ジョージ・ウォレスを演じたティム・ロスなど、実力派俳優のアンサンブルは、重厚で観る者の目を奪って離さない。ジョンソン大統領のキング牧師に対する「非協力的な」描写は史実と異なるという批判もあったが、寧ろラストを盛り上げるためのプロット上の仕掛けとして機能しており、「純然たる事実」を描くだけではない、脚色が為された上質な伝記映画として、本作を成立させている。

『博士と彼女のセオリー』のスティーヴン・ホーキング博士

ジェームズ・マーシュ監督×エディ・レッドメイン主演の『博士と彼女のセオリー』は、難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)を抱えながらも、特異点定理の発表などを通じて物理学に多大な影響をもたらした「車椅子の物理学者」、スティーヴン・ホーキング博士の人生を描いた感動作だ。

主人公のホーキング博士を演じたレッドメインの徹底した役作りに基づく演技は、批評家から大衆に至るまで絶大な支持を集め、見事アカデミー賞の主演男優賞に輝いた。しかし筆者としては、ホーキング博士を支え続けた妻のジェーンを演じた、フェリシティ・ジョーンズにこそ最大の賛辞を贈りたい。強い意志を持ってホーキング博士を愛すと誓う彼女の「逆告白」は、美しい映像も相まって、映画史でも屈指の名シーンになっている。子宝にも恵まれ、幸せに愛し合っていた2人は、幸せに暮らしていた。しかし、ふとしたことから夫婦の危機が訪れる。互いの幸せのために「ある決断」に踏み切る2人の姿は涙を禁じ得ないほどに切ないが、「これこそが真の愛だ」と強く実感させられるラストには、清らかなカタルシスが待っている。

『イミテーション・ゲーム / エニグマと天才数学者の秘密』のアラン・チューリング

『スティーブ・ジョブズ』の劇中でも言及があるが、本作の主人公で数学者のアラン・チューリングは、世界で初めてコンピュータを作成した人物で、ジョブズに大きな影響を与えている。

物語の舞台は、第二次大戦下のイギリス。アラン・チューリング(ベネディクト・カンバ―バッチ)は、チェス王者や言語学者と共に、ドイツが誇る最強の暗号機「エニグマ」の解読を要請される。「エニグマ」解読にはチームとしてまとまることが不可欠だが、強烈なエゴを持つチューリングは周囲から孤立し、暗号解読器「クリストファー」の開発に没頭する…。

悲しい過去を持つチューリングを熱演したカンバーバッチは言うまでもなく、脇を固めたキーラ・ナイトレイ、マシュー・グッド、マーク・ストロングらの演技も随所で光る。チューリングの大ファンで、自伝に大胆な脚色を加えて映画化にこぎつけた脚本家のグレアム・ムーアには批判も集まったが、本作は優れたサスペンスとして完成されており、ムーアはアカデミー賞の脚色賞を受賞するという快挙を成し遂げている。

(文:岸豊)


映画『スティーブ・ジョブズ』全国公開中

原題:Steve Jobs
監督:ダニー・ボイル 『スラムドッグ$ミリオネア』、『28日後…』、『トレインスポッティング』/脚本:アーロン・ソーキン 『ソーシャル・ネットワーク』、『マネーボール』/出演:マイケル・ファスベンダー、ケイト・ウィンスレット、セス・ローゲン、ジェフ・ダニエルズ 他

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