新作映画『これが私の人生設計』を観るべき3つの理由――イタリア発、超・前向きな社会派コメディ

(C)2014 italian international film s.r.l

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『これが私の人生設計』ってどんな映画?

建築家として世界各地で華々しく活躍していたイタリア人女性建築家のセレーナは、自分を見つめ直し、新たな“人生設計”を立てるため、故郷のローマに帰ってきた。しかし、そんな彼女を待っていたのは、イタリア建築業界の超“男社会”な体質だった。せっかくの能力を発揮することができず、実生活では母親から結婚をせっつかれ、思いを寄せるイケメンはゲイだったりとフラストレーションだけが募る日々。起死回生を狙う彼女がとった、驚きの行動とは?

観るべき理由:1――主人公の前向き思考は、『オデッセイ』超え?

仕事、恋愛、将来の夢…たとえ、どんな困難が立ちはだかっても、持ち前の前向き思考を武器に、打開策を見つける主人公・セレーナの生きざまは同じ女性だけでなく、男性もホレボレするはず。逆転のチャンスは、偶然知った公営住宅のリフォーム建築案のコンペティション。

「でも、女性は相手にされない…」と考えた彼女は、失恋相手のゲイ男性で、建築については何も知らないフランチェスコを“男性建築家”に仕立て上げ、プレゼンを勝ち抜こうと決意!果たして、そんな無謀な作戦が成功するのか? それでも運をつかむためなら、手段を選ばない彼女のポジティブさは『オデッセイ』の宇宙飛行士マーク・ワトニーも顔負けだ。

観るべき理由:2――働く女性の悩み…それは男にとっても大問題

男社会を出し抜くセレーナの痛快な作戦に、胸がすく思いもあるが、それ以前に、仕事をもつ女性の地位や待遇、チャンスは同じ職場の男性と同等であるべき。映画のなかには、採用内定を勝ち取る寸前だったセレーナが、「妊娠したら解雇」の契約書にサインさせられそうになるシーンもあり、職場や社会全体における女性軽視の根深さを痛感させられる。

「子育てがあるから」という理由で、優れた人材が離職を余儀なくされる事実が、男性にとっても大問題なのは言うまでもない。保育園不足など、個々人では解決しがたい問題もあるが、この映画をきっかけに、働く女性の悩みを広く共有する必要性を感じるきっかけになるはず。

観るべき理由:3――ヒロインとゲイ男性が織りなす不思議な友情

基本的にはヒロインの奮闘を描くお仕事コメディであり、社会派な問題提起もある本作。さらにスパイスになっているのが、セレーナとゲイのフランチェスコが織りなす不思議な友情だ。よく「男女の友情は成立するか?」が議論されるが、この二人に関しては“アリ”。

セレーナは頭では「彼はゲイ」と分かっていても、気持ちの面で恋心がくすぶっているし、そんな彼女のことをフランチェスコも友人として愛おしく思っている。また、フランチェスコには離婚歴があり、離れて暮らす息子がいるという設定もドラマを面白くしている。自分の性的指向を、幼い息子に明かすべきか? そんな父親としての葛藤は、風変りに見えてとても普遍的だ。

(文・内田涼)


映画『これが私の人生設計』
2016年3月5日 新宿ピカデリー他にて公開

監督:リッカルド・ミラーニ
出演:パオラ・コルテッレージ、ラウル・ボヴァ、マルコ・ボッチ、コラード・フォーチューナ
2014年/イタリア映画/カラー/シネスコ/103分
字幕翻訳:山田香苗
特別協力:イタリア文化会館

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アーティスト情報

セレーナ

生年月日1971年4月16日(23歳)
星座おひつじ座
出生地米テキサス州

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