『セーラー服と機関銃 -卒業-』橋本環奈インタビュー「周りに支えられている。その気持ちが本当に大きい」

橋本環奈

橋本環奈

現在公開中の『セーラー服と機関銃 -卒業-』。言わずと知れた薬師丸ひろ子の代表作『セーラー服と機関銃』の「その後」を描く物語だが、女子高生組長、星泉を演じた橋本環奈は完成した映画に接したときの気持ちを次のように振り返る。

「日本一暑い高崎で、1シーン、1シーンみんなで全力を注いで作り上げた。それが紡がれて作品になるんだなと。もう本当に感無量、そして感謝でした。すごく多くの方が関わってくださって出来上がった映画なので、すごくありがたいなと思いました。とはいえ、観ているあいだは、様々なものがこみ上げて、何も考えられない、何とも言葉に表現できない状態でした。なんて言えばいいんだろう……普段、映画を観るときは、映画を楽しもう、という気持ちが根底にあるのですが、それとはまったく別の初めての感覚でした」

あの名作の続編。だが、橋本が作り上げた星泉には「先代」にはない迫力がある。たとえば、腹の据わった発声。そこに、10代女子がヤクザの組長を再び務めるというアクロバティックな設定を人肌感覚で体感させる、説得力がある。ヒロインの覚悟が、彼女が放つ言霊にみなぎっている。

「泉ってすごく正義感もあって、心に愛情もあって。でも、負けたくない気持ちも強いと思うんです。(敵方ヤクザの面々に)圧倒されるけれども、一歩下がるのではなくて、もっと前に出てやるぞという負けず嫌いな面があって。そういう気持ちを持って役に臨んでいたという気持ちはあります。あと、遠回りするよりも、真っ直ぐ突き進むという気持ちは強かったです。どんな大人に対しても態度を変えることなく真っ直ぐに、気持ちをぶつける。そこは意識してましたね」

(C)2016「セーラー服と機関銃 -卒業-」製作委員会

(C)2016「セーラー服と機関銃 -卒業-」製作委員会

人間としての動きも、目線も。真っ直ぐだ。

「負けないぞ、という気持ちがいちばん強かったと思う。真っ直ぐに、一回も目を伏せることなく、(相手の)目を凝視している。それはすごく怖いことけど、負けない気持ちの方が勝っていたのかなと思います」

映画初主演。背負えるものを背負えるだけ背負って、これまで知らなかった自分自身が見えてきた。そんなことはあるのだろうか。

「撮影を終えてみて、自分自身でそれを実感することはなかったですね。何かが変わったのかな……というぼやっとしたものはあったのですが。(もともと目標が)自分らしい星泉を作る、ということだったんです。負けず嫌いなところも私に似てますし(笑)。終わって見つかったものは……難しいですね。何事にも全力でいきたいというのは自分のなかにも常にありますし、それが泉のなかにも見えるんです」

星泉のブレのなさは、橋本環奈のブレのなさなのだ。その堂々とした気っ風の良さが大器を感じさせる。

「周りに支えられてる。その気持ちが本当に大きくて。この映画を作る上で、本当に多くの人が関わってくれていたわけですが、それを考えると(いろんなものが)吹き飛んでしまう部分はあって。恐怖もプレッシャーも重圧もたくさん感じてはいたんですけれど、でも、かといって、ひとりじゃない。この『ひとりじゃない』と思えることがとても大きくて。たとえば、組には組員がいる。それだけで組長としては楽になれますからね」

(C)2016「セーラー服と機関銃 -卒業-」製作委員会

(C)2016「セーラー服と機関銃 -卒業-」製作委員会

負けず嫌いなだけではない。聡明なポジティヴィティがある。

「自分ができることをするべきだなと思います。人に教えられて、これをしなきゃ、というのは違うと思っていて。手探りなんだけど、でもそれをみなさんがわかってくださっていて。初主演だから。だから、それでもいいのかなと」

自分ができること。それは自ら映画スタッフたちのもとに行って話すことだったという。

「でも、いまにして思うと、私は(スタッフに)構っていただいていた(だけな)のかなと(笑)。やっぱり、みなさんと一緒にいるのがすごく好きなんです。撮影部さんとか、照明部さんとかのところに走っていって話しかける。それが自分の中の楽しみでもあった。人と関わることが好きなので」

人と関わる。これは表現をする上で、避けて通れぬことである。

「どっちかに分かれるんだと思います。人と関わることが好きな人と、苦手な人と。全然、どっちでもいいと思うんですよ。私は好きだから関わっているんですけど。でも、関わってお話をしているうちに、私は17年間生きてきたこの人生しか知らないけど、その人の感覚であるとか考えを知るのはすごく勉強になるし、それが演じることにつながってくるのかなって。演じることって、自分が知らないような、いろんな役に成り代わる、いろんな役ができることがいいなって思うし。それに至るまでに、いろんな人のお話を聴くことは大事かなって私は思います」

(C)2016「セーラー服と機関銃 -卒業-」製作委員会

(C)2016「セーラー服と機関銃 -卒業-」製作委員会

つまり、いろんな人の人生を知りたい。

「私はこの状況だったら、○(マル)って思うけど、あなたは×(バツ)なんですね、という真逆のことでも、すごいなって思います。そのことをポジティヴに捉えるか、ネガティヴに捉えるかでも全然違うと思うんですよね。それってすごく不思議なことだと思うし。家族だから(考え方も)似てるってことも(必ずしも)ないじゃないですか。私、双子の兄がいるんですけど、兄と考えが違うこともあるし、育ってきた環境は同じなのに、言葉の節々で、それを感じるんですよね。双子でも全然違うんだな、っていうのが面白い」

自分と違う人が存在するということ。

「私、まったく別の考えの人とも友だちになりたい派なんですよ。すごく勉強になるし、その考えが思いつくって面白いなと。私は些細なことって思ってたけど、(別な人は)すごくそれを大きなことと思ってたり。いろいろ気づかされるのが面白いですね」

小学校の卒業文集に「女優になりたい」と書いた。

「しかも、みんなの前で発表までしてたみたいです(笑)。いまも思います。芯のある女優さんになっていけたらなと」

橋本環奈

橋本環奈

大丈夫。橋本環奈には芯がある。人と関わろうとする、いちばん大切な芯がある。

(取材・文:相田冬二)


映画『セーラー服と機関銃 -卒業-』
大ヒット上映中

原作:赤川次郎「セーラー服と機関銃・その後―卒業―」
監督:前田弘二
脚本:高田亮
出演:橋本環奈、長谷川博己、安藤政信、大野拓朗、宇野祥平、古舘寛治、鶴見辰吾、榎木孝明、伊武雅刀、武田鉄矢
主題歌:橋本環奈「セーラー服と機関銃」(YM3D/YOSHIMOTO R and C)
配給:KADOKAWA

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アーティスト情報

橋本環奈

生年月日1999年2月3日(19歳)
星座みずがめ座
出生地福岡県

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