坂井真紀が選ぶ「子どもが輝いている映画」10本

一児のママとなった女優、坂井真紀さんは、昔から大好きだったという、子どもが愛くるしい映画を厳選。あどけない表情やかわいらしいファッションなど坂井さんならではの優しい視点が光ります。

※ピックアップ作品は、2012年末に発行された『シネマハンドブック2013』掲載のものとなります。ご了承ください。


坂井真紀が選ぶ「子どもが輝いている映画」10本

マイライフ・アズ・ア・ドッグ

50年代末、スウェーデンの海辺の小さな町を舞台に、人々との出会いや別れを通して成長していく12歳のイングマル少年の日々を描いたヒューマンドラマ。

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小さな赤いビー玉

1941年、占領下のパリ。迫害の危険が迫るのを感じていたユダヤ人の父の指示で、12歳と10歳の子どもたちが街を脱出した兄を追って非占領域へと向かう道中、さまざまな障害が立ちはだかる。

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運動靴と赤い金魚

第71回アカデミー賞®外国語映画賞にノミネートされた感動作。妹の運動靴をなくしてしまった兄が、3等賞で靴がもらえる小学校のマラソン大会で奮闘する。

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ロッタちゃん はじめてのおつかい

『長くつ下のピッピ』の童話作家アストリッド・リンドグレーンの原作を基にした、キュートでちょっぴりワガママな5歳の少女ロッタちゃんの騒がしい日常。

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夢のチョコレート工場

世界中で愛されるウィリー・ワンカのチョコレートの工場見学者として選ばれた5人の子どもたち。彼らが体験する夢のような時間を描いたファンタジー。

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この道は母へとつづく

孤児院を脱走した6歳の少年ワーニャが、顔も知らない実母を捜し求めて旅をした実話を、現代ロシアの社会情勢を背景に映画化したヒューマンドラマ。

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リトル・ランナー

50年代のカトリック学校に通う14歳の少年ラルフ。問題児だった彼が、昏睡状態に陥ってしまった母のために奇跡を起こそうとボストンマラソンに挑戦する。

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サンダーパンツ!

オナラが異常なほど出てしまうのが悩みのいじめられっ子が、天才少年発明家の助けを借りて、オナラの力で宇宙へと旅立つまでを描いた異色コメディ。

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友だちのうちはどこ?

友達のノートを間違って家に持ち帰ってしまった少年が、友達の家を探し歩く人間ドラマ。'89年のロカルノ国際映画祭で銅豹賞ほか5つの賞を獲得。

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ぼくの国、パパの国

英国マンチェスターに暮らすパキスタン家族の日常を描いたハートウォーミングなドラマ。監督はこれが長編映画デビューとなったダミアン・オドネル。

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『マイライフ・アズ・ア・ドッグ』―いろんな映画を観てきた中で、不動の一位の作品です

『マイライフ・アズ・ア・ドッグ』

『マイライフ・アズ・ア・ドッグ』

名画座で観たんですけど、イングマル少年のかわいさもさることながら、お母さんが病気がちで寂しい日々の中でも、ささやかな人生の楽しみを見つけていこうとする彼のけなげな姿がすごく好きです。中でも、コップに入った牛乳が飲めないシーンは印象に残ってますね。

オープニングのイングマル少年のナレーションもよかった。『自分は宇宙に打ち上げられたライカ犬に比べたらマシだ』っていうセリフを聞いただけで、なぜか泣けてきちゃって…(笑)。今までいろんな映画を観てきましたが、私にとって、不動の一位の作品ですね。

『小さな赤いビー玉』―子どもたちの何気ない表情が映画のスパイスになっている

もっとほんわかした映画なのかと思って観たら、リアルでタフなストーリーでしたね。ナチスの占領下の話で、子どもたちの視点から戦争をシビアに描いています。元々興味のある時代ではあったんですが、子どもの目線で描くからこそ希望や勇気を持てるし、和らいだりできる。

でもそれと同時に、より厳しい現実を知ることにもなるんです。とにかく、映画にとって、子どもたちの何気ない表情がスパイスになっているんですよね。10歳のジョゼフが抑留先で女の子からキスをされるシーンで見せるあどけない表情は、一時停止して何度も観たいです。

『運動靴と赤い金魚』―優しさにあふれた兄妹の関係に、すごく癒されました

『運動靴と赤い金魚』

『運動靴と赤い金魚』

お兄ちゃんが妹の靴をなくしてしまい、お父さんにそれを言えなくて、二人で1足の靴を交互に履くんですよね。新しい靴も買えないほど貧富の差が激しいイランという国の背景も身に染みるんですけど、何より、兄と妹の優しさにあふれた関係にすごく癒されましたね。靴を洗っているときにシャボン玉が舞うファンタジックなシーンも大好きです。ラストシーンも印象的でした。

それと、役者経験のない現地の子どもが出演しているんですが、キアロスタミにしてもそうですけど、どう演出したらこんなにうまく撮れるんだろう? って感心してしまいます。

『ロッタちゃん はじめてのおつかい』―素直に生きていることでちょっとした奇跡が起きる展開が好き

『ロッタちゃん はじめてのおつかい』

『ロッタちゃん はじめてのおつかい』

ロッタちゃんの言動がかわいくて、憎たらしくて…。でも素直に生きていることでちょっとした奇跡が起きてしまうっていう展開が好きですね。それと、生意気なんだけど「どこでこの子は気づくんだろう?」とか「お父さんとお母さんはどうするんだろう?」って考えさせてくれるところがいい。

いい大人になってから観たんですが、当時は“ロッタちゃんになりたい!”“この髪型にしたい!”と思いましたし、劇中に出てくるバムセ(ブタのぬいぐるみ)も持ってました! 今ですか? 結婚を機に断捨離しました。私のバムセ…どこにいるんだろう(笑)。

『夢のチョコレート工場』―子どもたちの設定が優等生ではなく、リアリティがある

『夢のチョコレート工場』

『夢のチョコレート工場』

若い人たちは、ティム・バートン版を観てからこっちを観ると少し物足りないかもしれませんが、ジョニー・デップが妖怪っぽかったのに対し、この映画のウィリー・ワンカは“人間味”があるんですよね。子どもたちも決して優等生じゃなく、みんなといっしょに悪いことしてみたりとリアリティがあるというか。

チャーリーが「普通に買って食べるチョコはおいしいのに、くじを当てたくて買うチョコはまずいや」って言うセリフがあるんですが、人間の心がちゃんと描かれているのもいいですね。バートン版だけじゃなく、ぜひこっちも体感してほしいです。

『この道は母へとつづく』―表情だけで訴えかける子どもの姿は役者としてあこがれる

『この道は母へとつづく』

『この道は母へとつづく』

全編シリアスなストーリーで、この監督の子どもへの演出が好きになるか嫌いになるかギリギリのところにあったんですが、最終的に主人公ワーニャのかわいさに持っていかれました。ちょっと大きめのジャケットを着ている姿がかわいいです。

『母をたずねて三千里』のマルコもそうですが、たとえそれがイヌだとしても、“お母さんのところに帰りたい”と思う気持ちだけでウルッときてしまいますよね。子どもって、セリフはなくとも何気ない表情だけで訴えかけるものがあるので、お芝居をやらせてもらっている身としては、すごくあこがれます。

『リトル・ランナー』―最後には、沿道に立って少年の応援をしているはず

『リトル・ランナー』

『リトル・ランナー』

まず、主人公の少年の“前髪パッツン”に萌えます。ニット帽が似合うところもグッときてしまいますね。お話としては病気のお母さんのために少年がボストンマラソンに出るんですが、最初は『映画だもん』と思うかもしれません。でも、最後には沿道に立ってこの少年の応援をしているはず。子どもを走らせたらズルいですよね(笑)。

それと、子どもの姿を通して宗教的なバックボーンを知るきっかけにもなります。『リトル~』とつく映画は『リトル・ダンサー』『リトル・ランボーズ』と挙げればキリがないですね。“リトル”シリーズとしてどうぞ(笑)。

『サンダーパンツ!』―子どもが大好物な題材。でもシニカルなので大人でも楽しめる

『サンダーパンツ!』

『サンダーパンツ!』

公開当時、“オナラが地球を救う”っていうキャッチコピーだけで絶対観に行こう!と思いました(笑)。劇場は大爆笑でしたね。特に、主人公の少年がオナラでいじめっ子を撃退するシーンが好きです。

一見、子どもが大好物な題材ですが、イギリス映画なので、ハリウッドにはない独特のシニカルな要素もあって、大人でも十分楽しめる作品です。全編オナラなんですけど(笑)、最後は泣けますよ。

『友だちのうちはどこ?』―“どうやってノートを届けるか”それだけで十分映画になる

『友だちのうちはどこ?』

『友だちのうちはどこ?』

子どもたちが素人とは思えない伸びやかな演技をしているし、主役の子のいつも泣きそうな顔がたまりません。ノートを届けに行く、ただそれだけの話で、まず日本の感覚だとあり得ないですよね。

でも“どうやって届けるか?”、それだけで十分、映画になるんです。事件なんか起こらなくたっていい。こんな風に時が流れるのってステキだし、私たち、余分なものがたくさんあるなって気づかされます。

『ぼくの国、パパの国』―モコモコのフード付きコートを着ている末っ子がかわいい

『ぼくの国、パパの国』

『ぼくの国、パパの国』

移民の家族模様が末っ子の視点で描かれていますが、この子がいつもモコモコのフード付きコートを着ている姿がかわいくて。現代っ子の子どもたちと、彼らを立派なイスラム教徒として育てようとする父親の掛け合いも面白く、ドタバタコメディとして楽しめるんですが、その裏側にあるお国の事情も描かれています。こうしてラインナップを見ると文化の違いや時代を映した映画も好きなのかもしれません。


(C) 1997 Miramax Film Corp. All Rights Reserved. (C) 1993 AB Svensik Filmindustri (C) 1971 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved. (C) 2004 Filmofond Lenfilm Studio (C) 2004 Running Miracles Productions Inc., an Alliance Atlantis company. All rights reserved. (C) 2002 Pathe Fund Ltd/ Erst, Zweite Dritte und Vierte Beteiligung KC Median AG & Co. KG. All Rights Reserved. 写真:Everett Collection/アフロ

坂井真紀

1970年東京生まれ。1992年女優デビュー。以来、映画、ドラマ、CMなどで活躍。
現在、BS朝日で放送中の「セキスイハイム presents アーツ&クラフツ商会」(毎週月曜23:00~23:30)では、ナビゲーターを担当。
公開待機作には、宮藤官九郎監督最新作映画「TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ」がある。

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アーティスト情報

坂井真紀

生年月日1970年5月17日(48歳)
星座おうし座
出生地東京都

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