新作映画『リリーのすべて』を観るべき3つの理由――「20世紀最高のラブストーリー」の結末は?

(C)2015 Universal Studios. All Rights Reserved.

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『リリーのすべて』ってどんな映画?

今から80年以上も前に、世界で初めて性別適合手術を受けたデンマーク人画家の実話に基づくヒューマンドラマ。風景画家のアイナー・ヴェイナーは、肖像画家の妻ゲルダと公私ともに充実した日々を送っていたが、ある日、ゲルダから女性モデルの代役を頼まれたことをきっかけに「内側に潜む女性」=リリーの存在に気づく。自身の性別違和と向き合うアイナーは、当時決して成功率が高くなかった性別適合手術を決意するが…。

観るべき理由:1――主演俳優が断言「20世紀最高のラブストーリー」

本作で大きな比重を占めるのは、男性として生まれながら、内面の自己認識する性別(本作であれば女性)との不一致に気づき、苦悩を深めるアイナーの葛藤だ。今以上に社会が保守的で、医療現場でさえも無知による偏見や差別がはびこるなか、アイナー=リリーの生き様は図らずも「勇気ある戦い」に昇華していく。

また、夫婦間の枠を超えて、人間同士の深い愛情が生まれる点では、究極の恋愛ドラマといえる。主演は昨年、『博士と彼女のセオリー』でアカデミー賞(R)主演男優賞を受賞し、今回さらなる超難役に挑んだエディ・レッドメイン。先日、2度目の来日を果たし、ジャパンプレミアの席で「これは20世紀最高のラブストーリー」と断言した。

観るべき理由:2――妻を演じる新進女優が、第88回アカデミー賞(R)助演女優賞を受賞

女性になりたいと願う夫・アイナーを、献身的に支える妻を演じたのがスウェーデン出身の新進女優アリシア・ヴィキャンデル。最初はアイナーの願望に戸惑いを隠せず、「夫を抱きしめたい」と切に願った彼女が、いつしか夫の苦悩と共鳴し合い、一番の理解者にしてソウルメイトとなる姿を臆することなく演じきり、見事、第88回アカデミー賞(R)で助演女優賞を受賞した。

今年のオスカーでは最も混戦した部門だったが、アリシアの存在感の大きさからは「主演女優にふさわしい」の声もあがるほどだ。今年、視覚効果賞に輝いたSF映画『Ex Machina(原題)』では女性型AIを演じているほか、マット・デイモン主演の『ボーン』シリーズ最新作にも出演している。

観るべき理由:3――「本当の自分」と出会う困難と気高さを描くトム・フーパー監督

アカデミー賞作品を受賞した『英国王のスピーチ』でも、現実と理想の狭間で「本当の自分」を模索し、見つけ出す困難と気高さを描いたトム・フーパー監督。マイノリティーが直面する葛藤と選択を通して、普遍的なテーマを問いかけている点は、最近では50年代のアメリカを舞台に、女性同士の恋愛を描いた『キャロル』(トッド・ヘインズ監督)に通じるものがあるかもしれない。

ちなみに、フーパー監督は『英国王のスピーチ』でコリン・ファースにアカデミー賞(R)主演男優賞、『レ・ミゼラブル』でアン・ハサウェイに助演女優賞を受賞させており、出演者がオスカーに輝くのは本作で3作連続。今、ハリウッドスターが一番仕事をしたい監督のひとりだ。

(文・内田涼)


映画『リリーのすべて』
2016年3月18日(金)公開

監督:トム・フーパー
脚本:ルシンダ・コクソン
出演:エディ・レッドメイン、アリシア・ヴィキャンデル、ベン・ウィショー、アンバー・ハード、マティアス・スーナールツ 他
原題:The Danish Girl
提供:ユニバーサル映画
製作:ワーキング・タイトル、プリティ・ピクチャーズ
レイティング:R15+
配給:東宝東和

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