竹中直人が選ぶ「チャーミングな女優が出ている映画」10本

俳優の竹中直人さんは、切なくて愛おしい表情で心をわしづかみにされた女優たちの映画を紹介。コメントからは、監督最新作『自縄自縛の私』のヒロイン像も見えてきました。

※ピックアップ作品は、2012年末に発行された『シネマハンドブック2013』掲載のものとなります。ご了承ください。


竹中直人が選ぶ 「チャーミングな女優が出ている映画」10本

存在の耐えられない軽さ

1960年代の激動のプラハを舞台に、有能な脳外科医で女好きの主人公と、二人の女性の波乱の人生を描く。主演はオスカー俳優、ダニエル・デイ=ルイス。

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オンリー・ユー

『月の輝く夜に』のノーマン・ジュイソン監督によるラブストーリー。占いで告げられた運命の男性を捜す女性が、占いと同じ名前の男性を追ってイタリアへ!

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わたしを離さないで

カズオ・イシグロの同名小説を映画化した青春ドラマ。謎めいた寄宿舎で育った3人の男女。だが、そのうち二人が恋仲になったことで友情が崩壊していく。

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マリリン 7日間の恋

世界中に愛されたセックスシンボル、マリリン・モンローの実像と、モンローの世話役となった駆け出しの第3助監督との秘められた純愛をつづったラブストーリー。

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モールス

スウェーデン映画『ぼくのエリ 200歳の少女』をハリウッドリメイク。孤独な少年オーウェンは、アビーという少女と仲よくなるが、彼女にはある秘密があった。

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パッセンジャーズ

飛行機事故で奇跡的に生還した5人の乗客たちのカウンセリングを担当することになった女性セラピストが、不可解な謎に巻き込まれていくサスペンス。

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無能の人

竹中直人の監督デビュー作。多摩川の河原で石を売る男とその家族ら現代社会から落ちこぼれた人々を温かく見つめた人間ドラマ。原作はつげ義春の同名漫画。

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ニューヨークの恋人

現代のニューヨークを舞台に、超現実主義者のキャリアウーマンと、1876年からタイムスリップしてきた英国貴族とのロマンスを描く。共演はヒュー・ジャックマン。

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恋しくて

ショートカットで男勝りな女子高生と幼なじみの青年、学校のマドンナが織りなす三角関係を描いた青春ストーリー。脚本は『ホーム・アローン』のジョン・ヒューズ。

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赤頭巾ちゃん気をつけて

庄司薫の芥川賞受賞作を映画化。踏んだり蹴ったりの出来事に見舞われる男子高校生の一日を通して、思春期特有の揺れる心情を描いた青春ドラマ。

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『存在の耐えられない軽さ』―ビノシュの顔と声が切なくてはかなくて愛らしかった

『存在の耐えられない軽さ』

『存在の耐えられない軽さ』

これは映画館で号泣しましたね。当時付き合っている彼女と観に行ったんですが、「何泣いてるの?」って言われてちょっとショックでした。好きなのは、ビノシュ演じるテレーザがダニエル・デイ=ルイス扮する主人公とカフェで出会うシーンで、主人公が口パクで何かを言うんです。そのときに『ん?』って聞こうとしている彼女の顔にクギづけでした。

あと、最後、主人公に「何を考えてる?」って聞くときの声がとっても切なくてはかなくて愛らしい。僕の新作映画『自縄自縛の私』の主演、平田薫さんも、何とも言えないチャーミングな声が魅力です。

『オンリー・ユー』―マリサ・トメイの存在をもっともっと知ってほしい

『オンリー・ユー』

『オンリー・ユー』

ロバート・ダウニー・Jr.がまだ青春スターだったころの映画。あまり知られていない作品だけど、ヒロインを演じたマリサ・トメイは抜群にかわいかったし、彼女の存在をもっともっと知ってほしくて一本に選びました。ウエディングドレスを着たまま街を全力疾走する姿や、ダウニー・Jr.扮する“ニセ”のデイモンをキョロキョロと捜す表情が、愛おしくてチャーミング。

そんな彼女が歳を重ね、『レスラー』ではまた一段と素晴らしい女優になってましたね。作品によって表情を変えるのは女優として当然ですが、ポールダンスを踊るシーンが切なくてステキでした。

『わたしを離さないで』―薄幸な中にもどこか“光”を感じさせてくれる女優

『わたしを離さないで』

『わたしを離さないで』

キャリー・マリガンの、愛する人が死んでいくときに見せる眼差しがものすごく切なかった。彼女は、愛する気持ちを、言葉なく表情だけで見せることができる女優ですよね。それに彼女は『ドライヴ』にしてもそうですけど、どんなに薄幸な役をやっても、顔がチャーミングなので、どこか“光”を感じさせてくれるのがいいんですよ。

『わたしを~』は、カズオ・イシグロの原作も好きなんですが、これも映画館でも号泣しました。あまりに泣きすぎて、隣の女性に「竹中さんですよね。一緒に観られて光栄です」と言われて恥ずかしくなったのを覚えてます。

『マリリン 7日間の恋』―どうやったらあんな表情が出せるんだろう?と思った

『マリリン 7日間の恋』

『マリリン 7日間の恋』

キャリー・マリガンと並んで、いま、僕の心を支配しているのがミシェル・ウィリアムズ。マリリンと助監督が湖に入るシーンが泣けるんです。あの、彼を見つめる眼差し。おそらく演出家との響き合いの中でなんでしょうが、どうやったらあんな表情が出せるんだろう?

サラ・ポーリー監督の『テイク・ディス・ワルツ』での彼女は解放されていて、ちょっとした表情がチャーミングでした。彼女も不幸なヒロインをやらせたらたまらない。しかも、実生活ではヒース・レジャーの子どもを産んで、その子がレジャーそっくりっていうね。切ないですねぇ。

『モールス』―女の子が一生懸命走っている姿が大好きなんです

『モールス』

『モールス』

オリジナルの『ぼくのエリ 200歳の少女』もよかったけど、『モールス』でクロエ・グレース・モレッツが演じたヒロインは、より孤独という感じがしました。『自縄自縛の私』の主人公、百合亜も、ひとりぼっちの女の子として描いていますが、『モールス』もひとりぼっちの男の子とひとりぼっちの女の子、この世界にふたりぼっちっていう姿が強調されていてグッときましたね。

あと、『キック・アス』もそうですが、女の子が必死に走っている姿が大好きで。だから百合亜も、台本にはなかったんだけど、重たい荷物を持たせて一生懸命走らせました。

『パッセンジャーズ』―セクシーだけど少女のあどけなさも残る貴重な女優

『パッセンジャーズ』

『パッセンジャーズ』

あまり知られていない名作だと思います。アン・ハサウェイ演じるヒロインは、飛行機事故に遭った男性のカウンセラーをしているんですが、だんだん彼に恋をしていく過程が、切なくチャーミングに描かれていきます。詳しくはネタばれになるので言えないんですが、最終的に映画を観終わると、彼女の“封印”していたものがわかるんですよね。

『ダークナイト ライジング』のキャットウーマンもセクシーでしたが、少女のあどけなさみたいなものも残っている。そういう意味では、今の映画界にとって、とても貴重な女優さんだなと思います。

『無能の人』―日本の女優さんの中で風吹さんの“声”がいちばん好き

『無能の人』

『無能の人』

僕は日本の女優さんの中で、風吹ジュンさんの“声”がいちばん好き。ものすごく個性的で絶対忘れられない音色を持ってるんです。誰かに似ているなと思っていたら、子どものときに観た映画に出ていた内藤洋子さんなんですよ。思わず銀座のシネパトスでやっていた特集上映に声を確認しに行きましたから。

『無能の人』で演出をつけているときも、とってもチャーミングでね。「風吹さん、ここクルクルッと回ってスカートをチョンとやってくれる?」って言ったら照れながらもやってくれたりして。大人の女優さんだけど、少女のような女性ですね。

『ニューヨークの恋人』―恋をしてドキドキする表情が彼女は本当に素敵!

『ニューヨークの恋人』

『ニューヨークの恋人』

メグ・ライアンというと、『めぐり逢えたら』『ユー・ガット・メール』などトム・ハンクスとの共演作を挙げる人が多いと思いますが、僕は何と言ってもこれ。ヒュー・ジャックマン扮する英国貴族がまたハマり役なんですが、彼をだんだん好きになり、ドキドキしていく表情がベリーベリーキュート。彼女はこういう表現が本当にたまらないですよね。ラスト、スティングの『アンティル』が流れるのも最高で、3倍楽しめますよ。

『恋しくて』―彼の恋を応援する複雑な心情を愛おしく演じている

『恋しくて』

『恋しくて』

バンドでドラムをやっている女の子が、好きな男の子に気持ちを伝えられない上、彼の恋を友達として応援しなくちゃいけないっていう複雑な心情を、メアリー・スチュアート・マスターソンがとても愛おしく演じています。しかもこの女の子は、一切泣き言を言わないんですよね。誰もが経験したことがあるであろう一途な気持ちや切ない表情がシーンごとに積み重なっていって…やっぱりこれも最後は号泣しました。

『赤頭巾ちゃん気をつけて』―多くを語らずしてすべてを見せられる女優

東宝の女優でいちばん好きな女優が森和代さん。当時、彼女は『装苑』のモデルをやっていて、ショートヘアがよく似合っていました。少し平田薫さんにも似てるかな。芝居はぶっきらぼうで、ずっとふてくされた顔をしてるんだけど、なぜかクギづけになってしまって。多くを語らずして表情だけですべてを見せられる女優さんですね。DVDになっていない『初めての旅』で演じていた中性的なヒロインもチャーミングでした。


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プロフィール

竹中直人

1952年神奈川県生まれ。俳優や映画監督、ミュージシャンなど幅広く活躍。現在は「仮面ライダーゴースト」(テレビ朝日系)に出演中(〜2016年8月)。

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