【T-SITEインタビュー】阿部サダヲ、羽生結弦に本気でひれ伏す!? 『殿、利息でござる!』の舞台裏、徹底解剖!

「大人計画」の看板俳優で、映画やドラマ、音楽と活動の幅を広げ活躍する阿部サダヲ

阿部サダヲ、でござる

阿部サダヲ、でござる

映画初主演を飾った『舞妓Haaaan!!!』(07)では、日本アカデミー賞優秀主演男優賞を受賞するなど、今や映画界に欠かせない存在だ。そんな阿部が、時代劇では初主演となる新作映画『殿、利息でござる!』で、江戸時代に実在した庶民のヒーロー・穀田屋十三郎を演じる。

そこで、阿部サダヲに豪華出演者やサプライズ出演したフィギュアスケートの羽生結弦選手の撮影秘話、この驚くべき実話から学んだことを直撃!

“250年前の実話”に「40代の中間管理職」が感情移入できる

──時代劇では初主演ということですが、本作に出演が決まった時の感想は?

最初、実話だと聞いて台本を読んだのですが、こんな人たちが本当にいたんだって驚きましたね。

江戸時代の実話がベースになっている『殿、利息でござる!』

江戸時代の実話がベースになっている『殿、利息でござる!』

僕が主演といっても主人公の十三郎だけが出ずっぱりで活躍している話ではなくて皆が活躍していて、その感じもいいなと思いました。それに台本がすごく面白かったんです。台本を先に読んでから原作を読んだので、肉付けの仕方がうまくて、中村(義洋)監督さすがだなと。

僕が演じる十三郎には親子の話もあるんですけど、後でタネ明かしがいっぱい出てくるので、そこでお客さんが良い意味で騙されると思います。

──250年前の話ですが、現代にも通ずるところがありますね。

役割とか今と変わらないですよね。十三郎たちは庶民ですが、千葉雄大くん演じる大肝煎(おおきもいり)は、庶民と藩の真ん中に挟まれて、庶民に頼まれたことを代官に頼みに行くっていう立場で。

40代の中間管理職の方とか、そこに感情移入する人がけっこう多いみたいで、面白いですよね。

──穀田屋十三郎は本当に試練の道を行く男でしたね。役作りはどうされましたか?

十三郎は親子と兄弟の関係で長い間勘違いしていたことがあって、僕はそこを大事にやっていく役割だったので、前半の役作りは、お客さんに「なんでここまで真っ直ぐな人間なんだろう」って思わせたいなと思って演じました。その方が後半に効いてくるんだろうなと思って。

撮影初日に、死ぬ覚悟で訴状を持っていく最初のシーンの撮影があって。その時に、覚悟した顔とか死んでもいいと思っている人の表情とかってどういうのだろうって、監督と話し合いました。表情や目の芝居を映画『生きる』の「志村喬さんみたいな目で!」って言われましたね。

実在の子孫も「控えめ」

──役に共感する、もしくは見習いたいというところはありますか?

見習いたいところばっかりですね。「自分たちがしたことを口外してはいけない」とか…普通できないですよね。

穀田屋さんの末裔の方は今も酒屋を営んでいるんですけど、訪ねてみたら、未だに控えめな方たちだったんですよ。

「映画になったら皆に知られますけど、大丈夫ですか?」って聞いたら、「この街の為になるんだったらいいです」っておっしゃっていて。教えが末裔まで伝わるなんて、すごいですよね。

「役は見習いたいところばかり」(阿部)

今回の役は「見習いたいところばかり」(阿部)

──中村義洋監督とは『奇跡のリンゴ』(13)に続き2本目のタッグでしたが、久しぶりの中村組はどうでしたか?

『奇跡のリンゴ』以前から中村監督の映画が好きだったし、同い年というのもあって話がしやすかったですね。今回は原作者の磯田さんまでも同い年で。すごい入りやすい現場を監督が作ってくれました。

撮影の合間も、きたろうさんとか、西村(雅彦)さんとか、寺脇(康文)さんとか、面白い話の引き出しをいっぱい持っている先輩方が盛り上げてくれましたね。

でも、誰も芝居の話はしてなかったですけどね。飛んでいるクワガタを手で捕まえたりして。捕りすぎてカゴが真っ黒になってました(笑)。

羽生の登場に「皆ひれ伏しました(笑)」

──豪華なキャストが揃いましたね。

中村監督は、今回撮りたい画が決まっていて、キャスティングにこだわったそうです。映画の最初と最後の山崎さんの顔がどうしても撮りたかったみたいで、まず一番最初にキャスティングが決まったのが山崎さんだったと聞きました。

それから、監督が撮りたい役者を呼んで、どういう配置にしようかと考えて、決まっていくと「阿部さんが十三郎だったらこういう感じで」という風に、そこから当て書きっぽくしたみたいですね。

『殿、利息でござる!』

瑛太の笑いに持っていくところも「すごいなと」(阿部)

監督は真面目に撮ろうと思ったらそうできる方ですし、瑛太くんも真面目に演じればそうできるんですけど、そこを飄々とした感じでちょっと笑いに持っていけるようにしたのは、監督も瑛太くんもすごいなと思いました。

──映画のタイトルにもなっている“殿”こと仙台藩藩主・伊達重村役として、羽生結弦さんが映画初出演されましたが、本番直前まで秘密だったそうですね。

中村監督は当日まで黙っていて、誰も知らなかったんですよ。それが羽生くんだったから、皆ひれ伏しましたね(笑)。驚いて笑っちゃってる人もいるくらい。

羽生くんは芝居もしっかりしていて、台詞も全部入っていたし、所作もすごくきれいでした。うまく演技できないと、自分から「もう一回やらせてください」って言ってやり直す事もありました。さすが表現者ですよね。

役者業に飛び込む 親戚からは「未だに信じられない」

──本作は殿や藩相手に一世一代の大勝負を仕掛けますが、阿部さんの人生において、勝負をかけたことは何ですか?

やはり芝居を始めたことですかね。

就職した会社を辞めて、バイトをしていた時期もあって、そこから世界を変えてみたいなと思って、全然知らないところに飛び込んだこと。それが今となっては良かったですけどね。

思い切って行ってみようと思った時は、まさか映画の主演をやらせてもらえる事になるなんて誰ひとりも思ってないじゃないですか。先日たまたま親戚が集まったんですけど、僕はおとなしかったので、それが役者をやるなんて未だに信じられないって言われました。

──芝居を始めた当初と現在とでは、仕事に対して考え方は変わりましたか?

それは、変わらないんですよね。仕事の仕方は変わってないし、今、不満が全然ないからだと思いますけど。それは良いことですよね。恵まれているなと思います。

役者になって出たいなと思ったものに出演させていただけたり。最近だと『徹子の部屋』(2回目となる出演は、5月13日放送予定)とか(笑)。映画もドラマも舞台もバンドもやってますので、ありがたいですね。

「マチャアキ」に憧れて…

──最近観た映画やDVDで印象に残っているものは?

(C)1954 TOHO CO.,LTD. ALL RIGHTS RESERVED.

(C)1954 TOHO CO.,LTD. ALL RIGHTS RESERVED.

仕事の為に、昔の映画を観ましたね。この映画でいうと『7人の侍』(54)や『生きる』(52)の時代劇とか、舞台に関連した市川海老蔵さんの『出口のない海』(06)とかを観ていました。

去年印象に残っている映画だと、『マッドマックス 怒りのデスロード』(15)かな。あんなふざけたのないですよね。シャーリーズ・セロンがかっこよかった。アカデミー賞をたくさんとったのはいいことですよね。

最近だと、映画『さらば あぶない刑事』(16)と、大人計画の人たちが出ていた舞台『あぶない刑事にヨロシク』が面白かったですね。

──今後何か仕事でもプライベートでも挑戦してみたいことはありますか?

50歳から大人っぽい感じの生活をしていきたいと思っているんです。僕ちょっと堺正章さんに憧れてる部分もあるんですよね…。

60年代くらいの車で、鎌倉あたりをゆっくり走るクラシックカーのレースがあるんですけど、それをやりたいなと思っていたら、既に親戚でやっている人がいたんですよ。だから50歳になったらそういうのやってみたいなと考えています。

(取材・文:クニカタマキ 写真:杉野正和)

阿部サダヲ

 


『殿、利息でござる!』
5月14日(土)全国ロードショー
監督・脚本/中村義洋
出演/阿部サダヲ、瑛太、妻夫木聡、竹内結子、寺脇康文、きたろう、千葉雄大、橋本一郎、中本賢、西村雅彦、重岡大毅、羽生結弦、松田龍平、草笛光子、山崎努
http://tono-gozaru.jp/
(C) 2016「殿、利息でござる!」製作委員会

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阿部サダヲ

生年月日1970年4月23日(48歳)
星座おうし座
出生地千葉県

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