【今さら聞けない】3分で分かる「カンヌ国際映画祭」の基礎知識

カンヌ国際映画祭公式サイトより

カンヌ国際映画祭公式サイトより

フランスの高級リゾート地で開催される映画祭

5月11日、第69回カンヌ国際映画祭が幕を開けた。開催地は、フランス南東部の地中海沿岸にある高級リゾート地。レッドカーペットを歩く絢爛豪華なセレブのスナップが、連日多くのメディアを賑わせている。

今年、日本からは是枝裕和監督の最新作『海よりもまだ深く』(5月21日公開)と、深田晃司監督が浅野忠信を主演に描いた『淵に立つ』(秋公開予定)の2本が「ある視点」部門にノミネートされているほか、過去に『殯の森』でグランプリを受賞した河瀬直美監督が、「短編コンペティション」部門と学生映画を対象にした「シネフォンダシオン」部門で審査員長を務め話題となっている。

ドレスコードまで!? “世界三大映画祭”の一つと言われる所以

ヴェネチア、ベルリンと並び、「世界三大映画祭」の一つと称されるカンヌ国際映画祭は、過去の開催時に政治的なメッセージを発してきた歴史もあり、三大映画祭の中でも特に権威があるとされている。ドレスコードが厳しいことでも知られ、ソワレと呼ばれる夜の部の上映では、男性はタキシード、女性はイブニングドレスや着物などのフォーマル着用がマスト。

取材陣もブラックタイを着用しないと撮影ができないほどの徹底ぶりだが、近年フラットシューズの女性が入場を拒否されたことがネット上で物議を醸したこともあり、「ハイヒールの強要」に多くの女優陣が反発。今年の映画祭ではジュリア・ロバーツが裸足でレッドカーペットを歩き、メディアの注目を集めた。

カンヌ国際映画祭と日本映画の関わり

会員の無記名投票で決定するアメリカの「アカデミー賞」と違い、受賞結果に審査員の好みが色濃く反映されているのがカンヌ国際映画祭の特徴だ。毎年、映画祭事務局によって指名された、名だたる映画監督や役者、文化人らがコンペティション部門の審査員を務めており、今年は『マッド・マックス 怒りのデスロード』のジョージ・ミラー監督が審査員長に選出。

過去、日本映画としては、衣笠貞之助監督の『地獄門』(1954年)、黒澤明監督の『影武者』(1980年)、そして今村昌平監督の『楢山節考』(1983年)と『うなぎ』(1997年)が最高賞の「パルム・ドール」の栄誉に輝いたほか、是枝監督や河瀬監督、黒沢清監督などが、カンヌの常連監督として各部門に複数回ノミネートされ、是枝監督の『そして父になる』が2013年の審査員特別賞を受賞した際には、日本でもカンヌの反響が大々的に報道された。

観客のシビアさはピカイチ! カンヌ国際映画祭に参加する醍醐味

一方、カンヌの上映に際しては、監督を始めとする映画関係者が、とてつもない緊張を強いられることも多いと聞く。というのも、映画に対する観客の反応が、良くも悪くもダイレクトに伝わってくるからだ。映画祭の公式サイトの情報によると、上映中に観客が途中退出する際の露骨な椅子の音は、世界の北野武監督をも震え上がらせるという。だからこそ、上映後に数分に渡って鳴りやまないスタンディングオベーションを目の当たりにすれば、安堵と感動のあまり、涙するのも無理はない。

過去には、出品が決定していたにもかかわらず、編集が間に合わずに取り消しになったり、急遽映画祭特別バージョンで上映することになったり、といったハプニングも起きているカンヌ国際映画祭。晴れやかな大舞台で、心から映画を愛する世界中の人たちとともに、最高にスリリングな状況を分かち合うことこそが、きっとカンヌに参加するということの醍醐味であるにちがいない。

(文・渡邊玲子)


2016年度カンヌ国際映画祭公式ホームページ
http://www.festival-cannes.fr/jp.html

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