主人公の道のりは、自身の道のりに重なる―【インタビュー】映画『フラワーショウ!』メアリー・レイノルズ

(C) 2014 Crow’s Nest Productions

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「チェルシー・フラワー・ショー」をご存じだろうか。イギリスの王立園芸協会が主催し、毎年5月にイギリスのチェルシーで開催されるこのガーデン・ショーは、世界で最も権威のあるガーデン・ショーで、全世界のガーデン・デザイナーの憧れである。そんな「チェルシー・フラワー・ショー」に挑んだ、一人のアイルランド人女性の姿を描いた感動の映画『フラワーショウ!』が、7月2日に全国公開を迎える。去る6月某日、本作でエマ・グリーンウェルが演じた主人公のモデルで、世界的に知られるガーデン・デザイナーのメアリー・レイノルズさんに、映画化の裏話などについてお話を伺った。

撮影前に、メガホンを取ったヴィヴィアン・デ・コルシィ監督やグリーンウェルとお話をされたというメアリーさん。実は、監督とは以前から知り合いだったそう。「もともと、デ・コルシィ監督とは彼女の庭をデザインするよう依頼を受けていたんです。エマについては、私が当時住んでいたアイルランドのリングルという町に会いに来てくれました。彼女はしばらくそこに滞在して、両手でほっぺたを包む私の癖などを研究して、役作りに取り入れていましたね」

(C) 2014 Crow’s Nest Productions

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劇中でのメアリーは、庭づくりに対して徹底したこだわりを見せる。自身を描く映画化に対して、メアリーさん自身は何かを要求したのだろうか?「(要求は)特に出しませんでした。ただ、私は本作が、自然や地球を守ることの大切さといったメッセージを伝える映画になって欲しかったのです。私たちは、地球のガーディアン、つまり守護者であるべきだと思います。この映画が、人々に忘れていたことを思い出させ、地球を守っていくきっかけになればいいですね」

劇中でメアリーは、様々な困難を乗り越えながら「チェルシー・フラワー・ショー」への出場を果たすこととなる。メアリーさんいわく、その過程は本作の制作プロセスと似ているそうだ。「実は、今回の映画化の前に、別の方から映画化のお話をいただいていたのですが、アプローチが好ましくなかったのでお断りしていたんです。メガホンを取ったデ・コルシィ監督は、パワフルで温かく、良い人だなと思いました。なので、自然に対する想いをしっかり描いて欲しいとお願いしました。ただ、本作は彼女にとって初の監督作品です。私は映画を作ることの難しさを知っていたので、まさか、本当に映画化が実現するとは思っていなかったですね。本作における彼女の道のりは、私がチェルシーにたどり着くまでの道のりと非常に似ています」

(C) 2014 Crow’s Nest Productions

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メアリーさんはガーデン・デザインにおいて、「ありのまま」の姿の野草を自然と調和したデザインに落とし込んできた。そんな彼女は、自然との調和を重視しない西洋のガーデニングはあまり好きではないとのこと。一方、日本の庭造りについては、「素敵ですね。デザイナーのエゴから作られているのではなく、日本の自然を感じさせてくれるような、そういう庭造りをされているし、そういった自然の美しさというものを感じているからこそ作られている。だからこそ、日本の庭園は美しいのだと思います」と絶賛している。

最後に、本作以外で、庭が印象的だった映画を訊くと、メアリーさんはピーター・ウィアー監督の『グリーン・カード』を挙げてくれた。「劇中でアンディ・マクダウェル(『マジック・マイク XXL』など)が持っていた温室が、とても美しかったのを覚えています」

大好きな庭について語る彼女の笑顔は、植物に降り注ぐ太陽の光のように暖かかった。

(C) 2014 Crow’s Nest Productions

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(取材・文:岸豊)


映画『フラワーショウ!』
2016年7月2日(土)ヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国ロードショー!

監督、脚本:ヴィヴィアン・デ・コルシィ
出演:エマ・グリーンウェル、トム・ヒューズ、クリスティン・マルツァーノ
配給:クロックワークス
2014年/アイルランド/カラー/DCP5.1ch/シネマスコープ/100分/原題:Dare to be wild 字幕翻訳:鈴木恵美 /後援:アイルランド大使館/提供:クロックワークス、東北新社/Presented by スターチャンネル

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