『セトウツミ』と併せて観たい! 高校生の青春を描く映画3選

(C)此元和津也(別冊少年チャンピオン)2013 (C)2016映画「セトウツミ」製作委員会

(C)此元和津也(別冊少年チャンピオン)2013 (C)2016映画「セトウツミ」製作委員会

菅田将暉と池松壮亮、いま売れに売れているこの二人が共演した映画『セトウツミ』が7月2日(土)より全国公開中だ。本作は、ちょっとおバカな瀬戸と、クールな秀才の内海が、放課後に河原で時間をつぶすために喋る姿を描くだけ、という珍しい青春映画。映画における青春というジャンルを振り返ると、実に多種多様な作品の数々が作られてきた。そこで今回は、『セトウツミ』と併せて観たい、高校生の青春を描く映画を3本紹介する。

一夜を共に歩む青春

『夜のピクニック』/監督:長澤雅彦

<あらすじ>高校生の貴子(多部未華子)は、梨香(貫地谷しほり)らと共に、高校生活最大のイベント「歩行祭」に参加する。実は貴子には、歩行祭で一つの目標があった。複雑な関係にある男子生徒の融(石田卓也)と話をしたかったのだ。しかし、不器用な貴子は融になかなか話しかけることができず…。

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高校生らしい話のネタや、無駄なエネルギーに満ちた一夜の歩行祭では、気まずい関係にあった貴子と融の距離感が、友人たちの介入をきっかけに少しずつ縮まっていく。その友人たちを演じたのは、今を時めく若手俳優陣。ひょうきん者の梨香を演じた貫地谷や、音楽好きの変わり者・光一郎に扮した柄本時生、貴子の友人でアメリカに留学した杏奈を演じた加藤ローサ、そして意外な役どころで往生する池松壮亮などが織りなすアンサンブルは、可笑しさと瑞々しさ、そして優しさに満ちている。

グランドホテル形式で描かれるほろ苦い青春

『桐島、部活やめるってよ』/監督:吉田大八

<あらすじ>バレー部のエース桐島が、突然退部した。このニュースに騒然とする学校で、映画部の前田(神木隆之介)は、なんとか撮影場所を確保しようと奔走する。一方、桐島の友人である菊池(東出昌大)や、桐島の恋人である梨紗(山本美月)は、突然の退部の訳を聞こうと、それぞれ桐島を探すのだが…。

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朝井リョウの原作と明確に異なるのは、神木が演じる前田の姿に比重が置かれていること。どの学校にも存在するスクール・カースト(学校における序列。一般的に運動部が上位に位置する)が、その下層部に位置する前田の視点を軸に描かれることで、本作には非常に共感しやすい青春群像劇が形成されている。グランドホテル形式(舞台は単一で視点が複数の物語形式)によって少しずつ紡がれる秘められた人間関係、それぞれの思いがぶつかり合うクライマックス、そして高橋優が熱唱する主題歌「陽はまた昇る」 には胸が熱くなること必至だ。

ゆるゆるでグダグダな青春

『男子高校生の日常』/監督:松居大悟

<あらすじ>男子高校生のタダクニ(菅田将暉)は、親友のヨシタケ(野村周平)、ヒデノリ(吉沢亮)と共に、グダグダな日々を送っている。そんなある日、文化祭が女子高と合同で開催されることとなり、男子校一同は大盛り上がり。りんご(岡本杏理)やヤナギン(山本美月)ら女子生徒の登場に興奮を隠せないタダクニたちは、気合を入れて文化祭に取り組むのだが…。

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本稿で紹介した作品は当てはまらないが、青春映画は往々にして「リア充」の姿を描きがちである。そういったアプローチの場合、鑑賞者に羨望を抱かせることはできても、共感を抱かせることは難しい。ところが、文化祭に至るまでのグダグダな日々をゆる~く描いた本作には、共感を誘う描写が盛りだくさんだ。タダクニたちが女子の前で無意味にかっこつけたり、それが空回りして女子の怒りを買うシーンの数々には、「アホだな~」と思う一方、「でも分かるな。こいつらの気持ち」と思わずにいられない。個人的には、栗原類が演じた細野の不思議キャラと、角田晃広(東京03)が扮した老けすぎの副会長がツボ。

(文:岸豊)


映画『セトウツミ』
公開中

監督:大森立嗣 『まほろ駅前狂騒曲』『さよなら渓谷』
原作:此元和津也 (秋田書店「別冊少年チャンピオン」連載)
出演:池松壮亮、菅田将暉、中条あやみ
鈴木卓爾、成田瑛基、岡山天音、奥村勲、笠久美、牧口元美/宇野祥平
配給:ブロードメディア・スタジオ

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