【話題のテーマまとめ】『スキャナー・ダークリー』ほか、ドラッグにまつわる名作映画3選

元プロ野球選手に加え、介護を名目に引退した俳優、高校教師、AV女優まで…。日本におけるドラッグ汚染は、留まるところを知らないらしい。ただその一方で、ドラッグにまつわる映画には名作が多い。そこで今回は、ドラッグにまつわる名作映画を3本紹介する(ただし、絶対に手は出すなよ!)。

ドラッグと暴力に塗れた麻薬王の生き様

『スカーフェイス』/監督:ブライアン・デ・パルマ

<あらすじ>キューバ出身のチンピラ、トニー・モンタナ(アル・パチーノ)は、その怖いもの知らずな振る舞いを買われ、麻薬王フランク(ロバート・ロッジア)の組織に身を置く。次第に自身を脅かす存在となったトニーを恐れたフランクは、その殺害を実行するが、トニーはこれを返り討ちにしてしまう。こうして麻薬王の地位を手にしたトニーだったが、麻薬の過剰摂取やファミリー間に生まれた軋轢によって、次第に追い詰められていき…。

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名匠デ・パルマの切れ味鋭い演出がさえ渡った暴力描写、そしてトニーに扮したパチーノの怪演は圧巻。特にオープニングとラストは、目をそらすことを許されない程の緊張感と迫力に満ちている。「成り上がった者の末路」というストーリーはその後の映画界で一大ブームを巻き起こし、ヒップホップを中心とするブラック・カルチャーには多大な影響を及ぼした。未だに語り継がれる名台詞の数々なども含めて、ハリウッド史上最高のギャング映画の一本と称される作品でもある。

鬱屈した現状から抜け出せない若者たちの悲哀

『ドラッグストア・カウボーイ』/監督:ガス・ヴァン・サント

<あらすじ>ドラッグ中毒から抜け出せないボブ(マット・ディロン)は、妻のダイアン(ケリー・リンチ)らと共に、方々の薬局を荒らし回っていた。そんなある日、ボブは思い切って大きな病院を襲うのだが、仲間の一人であるナディーンがミスを犯し、これにボブは激怒。仲間たちに亀裂が入ったのもつかの間、ナディーンは過剰摂取で死んでしまい…。

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ドラッグなしでは生きることができない、堕ちた若者たちの姿をクールな映像表現で描き出した秀作。長編2作目にしてその手腕を確立しつつあるサント監督には頭が下がるが、ディロンが見せる熱演も素晴らしい。今では出演作も少なくなってしまったが、人気絶頂にあった当時の彼は、見る者を引き付ける、言説を超えた、正しくカリスマ的な存在感を持っている。決して晴れやかな気持ちになる作品ではないが、ディロンがボブという役柄を通じて表現する、鬱屈した若者が痛感する失望のインパクトは、見る者全ての心を揺り動かすことだろう。

ロトスコープで描かれる、愉快で皮肉なブラック・コメディ

『スキャナー・ダークリー』/監督:リチャード・リンクレーター

<あらすじ>物語の舞台は、物質Dと呼ばれるドラッグが蔓延した近未来のアメリカ社会。潜入捜査官のボブ・アークター(キアヌ・リーヴス)は、麻薬組織の大物を捕らえるため、自ら麻薬中毒者になり、同じく中毒者であるドナ・ホーソーン(ウィノナ・ライダー)、ジム・バリス(ロバート・ダウニー・Jr)らと怠惰な生活を送っていた。そんな暮らしを送る内に、ボブは少しずつ事実と妄想の区別がつかなくなり…。

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名作が多いリンクレーター監督だが、本作は彼のフィルモグラフィーの中でも抜群の個性を誇る。まず印象的なのが、実写映像をアニメーションに加工した「ロトスコープ」。現実と空想が入り混じったような質感の映像は、ボブの視点を通じて曖昧化していく物語と見事に調和している。キャストの豪華さ、そして彼らが交わす非生産的な会話も面白い。特に、自身もかつてドラッグに溺れたダウニー・Jr.扮するバリスの台詞回しは最高に笑える。終局に用意された予期せぬどんでん返し、そして一握の希望が込められたラストシーンも秀逸だ。

(文:岸豊)

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アーティスト情報

ガス・ヴァン・サント

生年月日1952年6月24日(66歳)
星座しし座
出生地米ケンタッキー州

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ブライアン・デ・パルマ

生年月日1940年9月11日(77歳)
星座おとめ座
出生地アメリカ

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