【終戦記念日】ユーモアの裏に隠された“戦争”とは?笑えるだけじゃない戦争コメディー映画4選

『帰ってきたヒトラー』

(c)2015 MYTHOS FILMPRODUKTION GMBH & CO. KG CONSTANTIN FILM PRODUKTION GMBH

戦争をテーマにした映画の中には、戦争をコメディーとして扱う作品もある。一見すると不謹慎と思われる「戦争コメディー映画」。しかし中には、ユーモアとの対比によって初めて浮かび上がる“戦争の実態”も存在する。今回はそんな「笑えるだけじゃない戦争コメディー映画」をご紹介。“笑い”の裏に隠されたメッセージをあなたはどう感じるだろうか?

戦争を知らない村で出会った、北と南の兵士たち

 トンマッコルへようこそ

トンマッコルへようこそ

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韓国で2005年度の興行成績第1位に輝いたヒューマン・ファンタジー・ドラマ。1950年代の朝鮮戦争を舞台に、山奥の不思議な理想郷に迷い込んだ敵対する兵士6人が、村人たちののんびりしたペースに癒され人間性を取り戻していく姿をユーモアを織り交ぜ感動的に綴る。山の奥深くにある不思議な村“トンマッコル”。ある日アメリカ人パイロットのスミスが操縦する飛行機が不時着する。その後、道に迷った韓国軍兵士2人と人民軍兵士3人もそれぞれ村にやって来た。村で顔を合わせた両軍兵士は、武器を手に一触即発の状態に陥るが…。

【みどころ】
世間から遠く閉ざされた森の奥に住むトンマッコルの村人は、戦争はおろか銃のことすらよくわからない。そんな純粋無垢な彼らのもと、敵同士だった兵士たちが出会い、お互いをヒトとして認識していく。

中でも印象的なのは、兵士たちが初めて村で出会う場面。キョトンとした表情の村人たちを間に、銃口を向けあい、大声で威嚇し合う兵士たち。そんな彼らの姿は、戦争の空虚さを浮き彫りにするようで、本作の象徴的なシーンだ。

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三谷幸喜が魅せる逆説的な検閲劇

  笑の大学

笑の大学

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日本が戦争へと突き進んでいた昭和15年。国民の戦意高揚の妨げになると様々な娯楽が取締りの対象となっていたこの時代、演劇もまた台本の段階で厳しい検閲を受けていた。警視庁の取調室では2人の男が新作喜劇を巡って熱い火花を散らしていた。一人は、一度も笑ったことがない厳格な検閲官・向坂睦夫。相対するは、笑いに命をかける劇団“笑の大学”の座付作家・椿一。向坂は台本から“笑い”を排除しようと椿に無理難題を突きつける。上演の許可をもらうためその要求を聞き入れながらも、なんとか“笑い”を残そうと苦悩する椿だったが…。

【みどころ】
三谷幸喜監督、役所広司、稲垣五郎がW主演の本作。幾度となく繰り返される検閲の中で徐々に打ち解けあっていく、厳格な検閲官・向坂と作家・椿。戦時中が舞台であるにもかかわらず、作品作りに熱中し始めるふたりの姿はユーモラスで微笑ましい。戦争がもたらす文化的な制約。その中で悪戦苦闘するふたりのコミカルなやりとりは、その制約を一蹴しているかのようで爽快だ。

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演技とは思えない、チャップリンの名演説

 『独裁者』

独裁者

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18年の第一次大戦末期、トメニアのユダヤ人一兵卒チャーリーは飛行機事故で記憶を失い入院する。それから数年後のトメニアは独裁者アデノイド・ヒンケルの天下で、ユダヤ人掃討の真っ最中。そんな折、退院したチャーリーは生まれ育ったユダヤ人街で元の床屋の職に戻る。親衛隊の傍若無人ぶり、特にそれが恋人ハンナに及ぶに至り、彼は勇猛果敢かつ抱腹絶倒のレジスタンスを開始。それがどういうわけかヒンケル総統の替え玉を演じさせられることになり……。

【みどころ】
言わずと知れた喜劇王チャールズ・チャップリンの名作。全編のほとんどはサイレントで、チャップリン扮するヒンケル(ヒトラー)のコミカルで滑稽な姿が描かれている。しかし、ラストシーンでは兵士たちに向けた、チャップリンの肉声の演説シーンが収録されている。ナチスのヨーロッパ侵攻が過激化した1940年に制作された本作。現実に迫る脅威に対して、チャップリンの心の叫びにも聞こえる演説は、現代の私たちに何を訴えかけるだろうか?

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71年前は過去のこと?このヒトラーを笑えるか!?

帰ってきたヒトラー

(c)2015 MYTHOS FILMPRODUKTION GMBH & CO. KG CONSTANTIN FILM PRODUKTION GMBH

帰ってきたヒトラー

1945年に死亡したはずのアドルフ・ヒトラーが、なぜか2014年のベルリンで目を覚ました! 社会の激変ぶりに戸惑いを隠せないヒトラー本人だが、道行く市民や観光客は彼のことをモノマネ芸人だと勘違いしてしまう。リストラされ起死回生を狙うテレビマンが密着ロケを敢行すると、その過激ながら正論に聞こえてしまう“ヒトラー語録”の数々に、ドイツ中から熱烈な支持を集めることに…。ヒトラーは再び民衆の英雄になってしまうのか?

【みどころ】
印象的なのは、ヒトラーに扮したオリバー・マスッチとテレビマン・ザヴァツキ役のファビアン・ブッシュが実際にドイツの街に繰り出しロケを行うシーン。移民問題などで右翼よりな世論が増えつつある欧州諸国。そこに紛れ込んだヒトラーがあぶり出す現代ドイツの問題と国民のリアルな反応は、もはやドキュメンタリー映画を見ているようだ。

一見するとヒトラーを風刺した内容だが、ヒトラーの鋭い主張に魅せられていく本作。映画のラストシーン、ヒトラーのセリフで思わず鳥肌が立つ。あなたは、本作のヒトラーを笑い飛ばせるだろうか?

今回、紹介した作品はどれも本当に笑えるものばかりだ。コミカルなやりとり、風刺にギャグ。戦争をユーモアで捉える作品には賛否両論があるだろう。しかしそのユーモアの裏側には、悲惨さや恐ろしさだけではない戦争の空虚さや空しさを感じる。これらの作品が笑えるだけじゃないのは、笑いの裏側に戦争の実態をまざまざと感じるからなのではないだろうか?

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アーティスト情報

シン・ハギュン

生年月日1974年5月30日(44歳)
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出生地

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生年月日1956年1月1日(62歳)
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