山崎まどかが選ぶ 「女子パワー炸裂の ガールズムービー」10本

“乙女カルチャー”に造詣が深いコラムニストの山崎まどかさんは、 女の子たちがグループで闘う映画をセレクト。 監督や脚本家など女性クリエイターの活躍についても語ってくれました。

※ピックアップ作品は、2012年末に発行された『シネマハンドブック2013』掲載のものとなります。ご了承ください。


山崎まどかが選ぶ「女子パワー炸裂のガールズムービー」10本

ミーン・ガールズ

16歳にして初めて学校に入学した主人公ケイティが、校内のさまざまなルールに戸惑いながら、やがて学生同士の派閥争いに巻き込まれていく学園ドラマ。

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ローラーガールズ・ダイアリー

ドリュー・バリモアが初監督を務めた青春ドラマ。保守的な母親から美人コンテストへの参加を強いられていた女子高生が、ローラーゲームの魅力にハマる。

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ジェニファーズ・ボディ

ミーガン・フォックス&アマンダ・セイフライドが共演したホラーコメディ。悪魔に取りつかれてしまった女子高生がセックスを餌に、男を次々と虜にしていく。

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チアーズ!

キルスティン・ダンスト主演の青春映画。チアリーディング・チームの新キャプテンとなったトーランス。だが全国大会目前にチームの振り付けが盗作と発覚する!

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キューティ・ブロンド

政治家を目指す恋人にフラれたブロンド美人のヒロインが、彼を追って難関ハーバード・ロースクールに進学し、弁護士を目指して奮闘するコメディ。

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キューティ・バニー

プレイボーイ・バニーとして活躍していたものの、突然クビを言い渡された主人公が、大学女子寮の寮母の仕事に就き、ダサい寮生たちのイメチェンに一役買う。

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ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン

公私ともに崖っぷちの30代独身女性が、親友の結婚式の花嫁介添人を引き受けたことをきっかけに大騒動を巻き起こす。女性たちの赤裸々な本音が笑いを誘う。

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クルーレス

アリシア・シルヴァーストーン主演の学園ドラマ。おしゃれ大好き&センス第一の女子高生が、友達の恋を応援するうち、自分の愚かさに気づいていく。

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聖トリニアンズ女学院 史上最強!?
不良女子校生の華麗なる強奪作戦

イギリス版『有閑倶楽部』と称される人気コミックを映画化。悪名高き全寮制女子校を舞台に、学校存続の危機に立ち上がった不良女子高生たちの奮闘。

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ガールズ・ルール! 100%おんなのこ主義

60年代のニューイングランド。伝統的な全寮制女子校に通う少女たちが、男子校との合併を阻止しようと走り回る姿をコミカルに描く学園ドラマ。

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『ミーン・ガールズ』―よいガールズムービーの条件をすべて兼ね備えた映画

『ミーン・ガールズ』

『ミーン・ガールズ』

私が思う、よいガールズムービーの条件は、クリエイターが女性で、ニュースターの女優がいて、女の子の間で定番になっていること。この映画はすべて兼ね備えていますね。脚本家ティナ・フェイ『サタデー・ナイト・ライブ』で女性初のヘッドライターとなり、コメディエンヌが活躍する場を広げた存在。『ミーン・ガールズ』では女子グループの病理、そして絆をうまく描いています。 リンジー・ローハンも輝いているし、いじわるグループのリーダー役レイチェル・マクアダムスも単なる記号でなく、ちゃんと魅力的に描かれているのがよかったですね。

『ローラーガールズ・ダイアリー』―いかにも暴れそうな女性を集めたところを評価したい

『ローラーガールズ・ダイアリー』

『ローラーガールズ・ダイアリー』

70年代にはキワモノスポーツだったローラーゲーム。それがここ10年で、女の子が自分たちでチームを作り、好きな格好をしてオルタナティブに頑張るものになった。それを映画にしただけでも面白いんですが、この作品は暴れそうな女性を集めたところを評価したいです。しかも若い子ばかりじゃなくいい歳をした女性もいて、それがみんな仲間として楽しそうで。『女子』『ガールズ』をいつまで使うのかと言われがちですが、それを吹き飛ばしてくれる作品です。初監督のドリュー・バリモアは安定感があり、早くも名匠の域に達していると思いました。

『ジェニファーズ・ボディ』―女の子同士の複雑な友情をトリッキーに見せた変化球映画

『ジェニファーズ・ボディ』

『ジェニファーズ・ボディ』

賛否の分かれる映画ですが、女の子同士の関係や複雑な友情をトリッキーに見せた変化球映画としてオススメしたい作品です。ミーガン・フォックスは“男性を食うビッチ”みたいなことを言われてきた女優ですけど、この映画で文字通り男を“食って”いたのが面白かったですね。一方のアマンダ・セイフライドは、MTVムービー・アワード恐怖演技賞を受賞した際、『世間的にヒットしなかった作品だけど、誇りにしている』とスピーチしていました。私はティーン向け映画の価値をわかっている女優が好きなので、彼女もそういう女優なんだと思いました。

『チアーズ!』―アスリートとしてフェアに闘う姿が観ていて気持ちいい

『チアーズ!』

『チアーズ!』

ハイスクールものでは、チアリーダーって勝ち組の女の子として描かれることが多いですが、この映画は、アスリートとして頑張っている女の子たちが主人公。フェアに闘っているので観ていて気持ちがいいし、彼女たちが仲間のように思えてくる。主演のキルスティン・ダンストも、好きな映画に必ずこの作品を挙げています。自分のことをよくわかっているなと思いますね。この映画に限らず、彼女は“文科系の男の子に優しい”役を演じることが多いですが、かといって媚びたところがない。ソフィア・コッポラなど同性にも人気があるし、いい女優ですよ。

『キューティ・ブロンド』―ギャルのポジティブさで周りを変えていくところが新機軸

『キューティ・ブロンド』

『キューティ・ブロンド』

リース・ウィザースプーン演じる主人公は、ピンクしか着ないし、ブロンドヘアをフワフワさせた超ギャル。そんな彼女が、恋人に『賢い女じゃないとヤダ』と言われ、一念発起してロースクールに入学しますが、そこで知的に変身するのではなく、ギャルのポジティブさや優しさで周りを変えていくところが新機軸で面白かったですね。脚本を手がけたキルステン・スミスカレン・マックラー・ラッツ『ヒース・レジャーの恋のからさわぎ』で出世した女性コンビ。女の子が自分らしく頑張る作風を得意としています。ぜひ注目してほしい二人です。

『キューティ・バニー』―女の子が集まる映画は、ニュースターの顔見せ的な作品が多い

『キューティ・バニー』

『キューティ・バニー』

『キューティ・ブロンド』の脚本家コンビの作品です。女の子が集まる映画って、ニュースターの顔見せ的なものが多く、この映画には今をときめくエマ・ストーンカット・デニングスが出ています。話としては、元プレイボーイのモデルが寮母となり、イケてない女子大生たちを人気者にしようとする話なんですが、女の子たちがモテメイク&ファッションで校内を練り歩くシーンが中盤にあります。最後に同じようなシーンがあって、彼女たちが、より“自分らしく”映っているんですね。そこが女性が作った映画だな、うまいなと感じましたね。

『ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン』―30代女性の不安を切実に描きつつ、笑えて泣ける映画

『ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン』

『ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン』

コメディエンヌだけ、しかもアラフォーばかりの主演でこんなにヒットした映画はなかったですよね。主演のクリステン・ウィグ『サタデー・ナイト・ライブ』で有名で、当時の仲間と脚本を書いてこの映画を作りました。30代半ばでどん底の主人公が、親友の結婚式のブライズメイズを頼まれたことで騒動が起こるんですが、30代女性の不安を切実に描きつつ、笑えて、最後は女の友情に泣けます。大人になりきれない男の人の映画って多いじゃないですか。それを女性でやるとイタいって言われてたけど、これは“女子のボンクラ映画”として楽しめますよ。

『クルーレス』―女の子のモノローグがひたすら続く手法が面白い

『クルーレス』

『クルーレス』

90年代の作品ですが、アメリカでは今のティーンも通過儀礼として観る映画です。学校で人気者の女の子がダサい転校生を改造していくうち、自分の無知さに気づくという話で、ひたすら女の子のモノローグが続く手法は、今観ても面白い。それとアリシア・シルヴァーストーンが履いていたニーハイソックスやミニのプリーツスカートが当時流行りました。それが今も定番になっているのはすごいですよね。

『聖トリニアンズ女学院 史上最強!?不良女子校生の華麗なる強奪作戦』―悪知恵に長けた女の子たちの共闘がとても痛快

『聖トリニアンズ女学院 史上最強!?
不良女子校生の華麗なる強奪作戦』

『聖トリニアンズ女学院 史上最強!?不良女子校生の華麗なる強奪作戦』

有名な漫画が原作で、'54年から何度も実写化されています。舞台は私立高校で制服もカワイイんだけど、生徒たちは、クロケッツの試合で殺し合いをするような悪魔みたいな子だらけで。そんな悪知恵に長けた女の子たちが学校を存続させるために共闘するのが痛快。それと、このシリーズは男優が女装して校長を演じていて、本作では『アナザー・カントリー』ルパート・エヴェレットが演じています。

ガールズ・ルール! 100%おんなのこ主義―ステキなセリフの数々にグッときました

『ガールズ・ルール! 100%おんなのこ主義』

ガールズ・ルール! 100%おんなのこ主義

当時、ニュースターだったキルスティン・ダンストレイチェル・リー・クックが出ています。60年代、女子校と男子校の合併話が持ち上がり、女の子たちが生徒会長などのポジションを男子に取られないよう反乱を起こす話で、それがフェミニズムの初期として描かれていました。ステキなセリフもいっぱいあって、校長先生が退学処分になった生徒に自分らしく生きるよう説くシーンはグッときましたね。


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プロフィール

山崎まどか

1970年東京都生まれ。文筆家、コラムニスト。主な著書に「イノセント・ガールズ」「女子とニューヨーク」共著に「ヤングアダルトU.S.A.」ほか。最新著書は「オリーブ少女ライフ」。

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