MovieNEX発売記念!! ディズニー映画『ズートピア』―森川智之(キツネのニック・ワイルド役)インタビュー

森川智之

森川智之

ウォルト・ディズニー生誕115周年、没後50周年という記念すべき年に公開されたディズニー・長編アニメーション第55作目の『ズートピア』。その興行収入は、全世界で10億ドルを突破、そして日本国内でも76億円を突破する大ヒットを記録した。動物たちの“楽園”ズートピアで、ウサギとして初の警察官になった主人公のジュディと行動を共にすることになる詐欺師のキツネ、ニック・ワイルドの吹替えを担当した声優・森川智之にインタビュー。役どころや本作の魅力について伺った。

本作で描かれている動物たちは擬人化されているため、ニックに対する役作りの仕方は、森川にとって一人の人間(キャラクター)をつくり上げるのと同じような感覚だったとか。

「アカギツネの役ですが、観察に行こうとは思いませんでした(笑)。自分の中のキツネのイメージ…“スルスルっ”というすり抜ける感じだったり、ちょっと孤独な感じ…もありつつ、キャラの設定があるので、人物像というか…キャラクターとして受け止めていましたね」

それは、演技に対するこだわりからも見て取れる。

「基本的にはオリジナルをしっかりと踏襲する、ということですが、声の雰囲気や(キツネの)野性味を出すというよりは、『ニックが何を言いたいのか、伝えようとしているのか』を汲んで、合わせていくところに集中しましたね。ボイスマッチだけを考えてしまうと、どうしても“なぞる”作業に近くなってきてしまうので、そうなるとどうしても(オリジナルに)負けるというか、絵にも負けちゃう。吹替えとして、ニックの躍動感や生きているように見せるところは気を遣いましたね」

ニックとジュディ

ニックとジュディ

ニックのオリジナル・ボイスと森川の声はぜひ8月24日(水)発売の『ズートピア』MovieNEXで聴き比べてほしいのだが、オリジナル・ボイスのほうが森川よりも低音で、動物感がより強くなっているようにも感じるのである。なお、本作の音声収録は個別だったというが、やはりそこは一線で活躍するベテランの技と経験が活かされるところでもある。

「相手がいてこその台詞なので、そこはいちばん気をつけなくちゃいけないところで。今の映画って、5.1chとかチャンネルごとに録るので、みんなで集まっても個別の収録になるんですね。個別に収録してはいますが、僕は(ジュディ役の)上戸さんの台詞を聴いて収録、上戸さんも僕の台詞聴きながら収録できているので、呼吸感はちゃんと合わせられますね。そういう意味ではいいもができていると思いますし、昔にあったような「あ、なんか(相手との)質感が違う」という“ズレ”のようなものはないのかなと」

なんの知識もなしにビジュアルから感じる第一印象は正直「子供向けかな?」と思ってしまう『ズートピア』だが、フタを開ければ子供はもちろん、むしろ大人の方が楽しめるし考えさせられる内容になっている。

「ディズニーが作る長編アニメーションなので、子供向けなんだろうなと思っていたら『あれ?…話の内容が大人でも楽しめちゃうぞ』と(笑)。そして、実際に完成されたものを見たときに、余計な不安がすべて払拭されるというか、こんなに細やかで、ワクワクするし、立体的で奥行きがあって。動物の縮尺もそれに合わせたように作っていて『なんかすごいな!』って。(劇場公開時に)リピーターがすごく増えたというのは、毎回毎回違う角度から見る楽しみ…大人の目線でズートピアという社会を見ることもできれば、主人公のジュディとニックの可愛らしい掛け合いを見る楽しみとか、ほかのキャラクターを見るとか、ストーリーの中での事件を追う楽しみとかっていう部分でも、いろんなエッセンスがあるのかなと思って。それが、大ヒットに繋がったのかなって思いますね」

ビジュアルから入ると、いい意味で大きく裏切られることになる

ビジュアルから入ると、いい意味で大きく裏切られることになる

多角的に観られることも大きな魅力であり、それがつまり鑑賞後の会話の内容になる。例えば親子で観たなら、ただ「キャラクターが可愛かったね、楽しかったね」というよりは、描かれている動物の関係や社会の縮図について語らいあうだけでも大変な量になるだろう。

結果的に大ヒットとなった本作だが、映画公開当時、ネットなどには吹替え版の森川に対する絶賛の声があふれていた。

「それは見ました! 人から聞いて『すごいことになってるよ』って(笑)。調べてみたら“ニック、イケメン”とか“森川最高か!”みたいなのが出てて、何が起きてるんだろうって思って。僕は通常通りの仕事をさせてもらって、収録終わったらあとは皆さんに楽しんでいただくだけだったので。公開後に評判を聞いたときには、自分の予想とは反したところで盛り上がっていたので、びっくりしましたね」

そのニック、年齢は明かされていないものの、とても大人なキャラクターという印象を受けた。

「僕はオッサンだと思ったんで(笑)。ディズニー映画で、長編アニメーションのオッサンの人気は出ないだろうなって思ったので。いわゆる、ジュディをもり立てる役に徹するのかなと思っていたら、意外や意外…ニックがすごい人気で。上戸さんも『ニック! ニック!』って言ってましたから(笑)」

ニックが秘めていた思いとは…

ニックが秘めていた思いとは…

ニックとジュディ――二人は劇中で描かれる“肉食・草食”の壁を超え、物語が進むにつれて良いバディになっていくのが鑑賞者としては気持ちいいところであり、ワクワクするところだ。最後に森川からメッセージをもらった。

「知り合いの、働いているある女性に言われたのですが、『ズートピア』は自分を応援してくれる映画で、観ることでもう一歩先まで頑張れる気持ちにさせてくれると。会社では結構上の立場の方なのですが、入社して、色んなものにぶつかりながらのぼり詰めていったからこそ、ジュディが自分に置き換えられるんでしょうね。女性にはもちろん観ていただきたいですが、男性はやっぱりニックを見てもらって。いわゆる世の中の、大人って“大人しい”って書いて『大人』じゃないですか? 子供の頃の躍動する気持ちっていうのが、どんどん大人になるにつれておとなしくなって、それでいて、今度は社会に揉まれることで自分を守るような鎧を身に纏ってしまう。ニックはジュディと出会うことによって、自身の鎧を脱ぎ捨てて、彼自身も成長していくんですよね。映画館だとお気に入りのシーンを繰り返し見ることもできませんし、そういう意味では、自分の手元にこの素敵な宝物が届くと思うので、ぜひ、元気になりたいときとか、モチベーションをあげたいとき…そして老若男女問わず、皆さんに『ズートピア』を観ていただければなと思います!」


映画『ズートピア』
デジタル配信中/8月24日(水)MovieNEX発売

(C) 2016 Disney

公式サイト:disney.jp/zootopia

ズートピア

ズートピア

監督 バイロン・ハワード  リッチ・ムーア
製作総指揮 ジョン・ラセター
脚本 ジャレド・ブッシュ  フィル・ジョンストン
音楽 マイケル・ジアッキノ
声の出演 ジニファー・グッドウィン  ジェイソン・ベイトマン  イドリス・エルバ  ジェニー・スレイト  ネイト・トレンス  ボニー・ハント  ドン・レイク  トミー・チョン  J・K・シモンズ  オクタヴィア・スペンサー
概要 「アナと雪の女王」のディズニーが贈る感動のファンタジー・アニメ-ション。動物たちが人間のように暮らす楽園“ズートピア”を舞台に、史上初のウサギの警察官となった主人公が、周囲の偏見を乗り越え、ズートピアを揺るがす難事件の解決に奔走する姿を描く。監督は「塔の上のラプンツェル」のバイロン・ハワードと「シュガー・ラッシュ」のリッチ・ムーア。動物たちの楽園ズートピアで、史上初のウサギの警察官となったジュディ。立派な警察官を目指して意欲満々の彼女だったが、周囲は小さなウサギに務まるはずないと半人前扱い。それでも決してへこたれないジュディ。折しも、巷では14件もの連続行方不明事件が発生、警察も捜査に追われてんてこまい。ついにジュディにも捜査に参加するチャンスが巡ってくるが…。

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