【レビュー】アニメ映画『君の名は。』―歴代の新海誠監督作品のエッセンスが随所に散りばめられた会心作

(C)2016「君の名は。」製作委員会

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長編アニメ映画『君の名は。』が8月26日に公開初日を迎えた。これまで新海誠監督作品の配給は、制作を共にしてきたコミックス・ウェーブ・フィルムが主だって行ってきたが、前作の中編『言の葉の庭』では東宝映像事業部が担っていた。

『星を追う子ども』以来2作品ぶりの長編となった今作は初めて製作委員会が組まれ、コミックス・ウェーブ・フィルムはもちろんのこと、配給の東宝本体のほかKADOKAWA、ジェイアール東日本企画、アミューズ、voque ting、ローソンHMVエンタテイメントと、より宣伝に力を入れた布陣で臨む。

(C)2016「君の名は。」製作委員会

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今作はダブル主人公で、そのキャストは立花瀧に神木隆之介、宮水三葉に上白石萌音。アニメでの神木は『千と千尋の神隠し』の坊、『ハウルの動く城』のマルクル、『借りぐらしのアリエッティ』の翔、『サマーウォーズ』の小磯健二などの好演で知られる。上白石は『おおかみこどもの雨と雪』の毛野のほか、今年は『ちはやふる』(実写)で大江奏を演じたことでも好感触を得ている。

また今作は宮﨑駿監督が長編の制作より退いてからの業界動向が、それとなく反映されるかたちとなった。作画監督の安藤雅司はスタジオジブリに所属後フリーとなったベテラン。キャラクターデザインは『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』『心が叫びたがってるんだ。』などの田中将賀が担当しているものの、作画ファンには安藤の個性が絶妙に表れているのが分かるだろう。

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RADWIMPSの曲が盛り上げる予告編を見ると、内面が入れ替わってしまった瀧と三葉が、彗星の大接近で元に戻ってハッピーエンドといった作品のように思えるが、もちろん予告編のみで判断してしまうのは早計だ。本編のオープニング単体でもミュージックビデオを堪能した気分に浸れてしまうのだが、見終わった後で再び予告編を見ると全く印象が異なる。

入れ替わった際の振る舞いについて、取り決めを互いに提示していく瀧と三葉。メモ書きなどでは埒が開かず、遂には電話してみるも繋がらない。予告編の印象を変えてしまうのは、瀧が三葉の地元を訪れてみてからの展開になる。同じ高校生でありながら、住んでいるのが東京と岐阜(飛騨地方)では、会話が噛み合わないのは当然ではないかと思うに違いないが、単なる地域差に留まらないところが本作の最大の見せ場となった。

『ほしのこえ』以降、『雲のむこう、約束の場所』『秒速5センチメートル』『星を追う子ども』など、歴代の新海監督作品のエッセンスが随所に散りばめられているのも見どころで、ファンにとっても嬉しい作品と言える。どちらかというと最後はハッピーエンドになるものの、やはり新海監督ならではの終わり方かもしれない。そして見終わった後は予告編だけでなく、2人が階段で振り返っているキービジュアルも見てほしい。

(C)2016「君の名は。」製作委員会

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(文:真狩祐志)


映画『君の名は。』
大ヒット上映中

神木隆之介 上白石萌音
成田凌 悠木碧 島崎信長 石川界人 谷花音
長澤まさみ 市原悦子

監督・脚本:新海誠
作画監督:安藤雅司
キャラクターデザイン:田中将賀
音楽:RADWIMPS

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アーティスト情報

神木隆之介

生年月日1993年5月19日(25歳)
星座おうし座
出生地埼玉県

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上白石萌音

生年月日1998年1月27日(20歳)
星座みずがめ座
出生地鹿児島県

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