長州力が選ぶ「“その時代”、“その背景”、そして“その匂い”を感じさせる映画」10本

トップレスラーとして数々の名勝負を演じてきた長州力さんは実はかなりの映画マニア。その時代やその国ならではの空気を感じる10本には、意外な恋愛映画もラインナップ。

※ピックアップ作品は、2011年末に発行された『シネマハンドブック2012』掲載のものとなります。ご了承ください。


長州力が選ぶ「“その時代”、“その背景”、そして“その匂い”を感じさせる映画」10本

スリーパーズ

ケヴィン・ベーコン、ロバート・デ・ニーロ、ブラッド・ピットら豪華スターが初共演を果たした社会派ドラマ。少年院で看守から暴力や性的虐待を受けた4人の若者たちが、出所後、復讐に乗り出す。

⇒作品詳細・レビューを見る

ゴッドファーザー

イタリアからアメリカに移住し、巨万の富を築いたビト・コルレオーネ一族の複雑な人間模様や周囲のマフィアとの抗争劇を壮大なスケールで描く。第45回アカデミー賞で作品賞を含む3部門を受賞した。

⇒作品詳細・レビューを見る

スカーフェイス

ハワード・ホークスが'32年に監督した『暗黒街の顔役』をバイオレンス描写満載でリメイク。無一文だった男トニーがアメリカでマフィア組織の配下となり、やがて暗黒街の頂点へと上り詰めていく。

⇒作品詳細・レビューを見る

シティ・オブ・ゴッド

住民の視点からスラムの現実を描き、ベストセラーとなった同名小説を実録タッチで映画化。暴力が渦巻く貧民街に生きる少年が殺人に手を染め、ギャングに成長するまでを壮絶な暴力描写とともにつづる。

⇒作品詳細・レビューを見る

ラブ・アクチュアリー

クリスマス目前のロンドンを舞台に、職業も年齢も違う19人の男女の恋の行方を描いたハートウォーミングなラブストーリー。ヒュー・グラントが秘書に恋してしまう英国首相をコミカルに演じた。

⇒作品詳細・レビューを見る

タクシードライバー

大都会ニューヨークを舞台に、ベトナム戦争から帰還し、人生に鬱屈した思いを抱えるタクシードライバーの狂気を描いたセンセーショナルな一作。13歳の売春婦役をジョディ・フォスターが熱演。

⇒作品詳細・レビューを見る

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ

マカロニ・ウエスタンの巨匠が10年以上の歳月をかけて手掛けた長編。ニューヨークでユダヤ移民の子どもたちが自衛のためにギャング集団を結成。彼らの友情や裏切りが哀愁を帯びた音楽とともに描かれる。

⇒作品詳細・レビューを見る

羊たちの沈黙

猟奇殺人事件を捜査するFBI訓練生が手掛かりを得るため、元精神科医で収監中のレクター博士に助言を求める。アンソニー・ホプキンス扮する博士は映画史に残る悪役。第64回アカデミー賞で作品賞ほか全5部門受賞。

⇒作品詳細・レビューを見る

パッチギ!

60年代の京都。日本人と在日韓国人の高校生の対立を背景に、日本人少年の恋と葛藤を描いた青春群像劇。朝鮮学校の女生徒役を沢尻エリカが瑞々しく好演した。

⇒作品詳細・レビューを見る

その男、凶暴につき

北野武が初監督を務めたバイオレンス。犯罪者を追い詰めるためには暴力も辞さない異端の刑事が、麻薬組織の捜査のため、組織や殺し屋と壮絶な攻防を繰り広げる。

⇒作品詳細・レビューを見る


『スリーパーズ』―殺人を犯した男二人とそれを助けようとする仲間の友情が感動的

『スリーパーズ』

『スリーパーズ』

子どもの頃からずっと一緒に過ごしてきた4人が少年院で看守たちにレイプされ、出所後に復讐する話なんだけど、4人のうちの一人で、ブラッド・ピット扮する検事が、看守を銃殺してアリバイはないはずの仲間をどうにかして助けるために闘う友情が感動的でしたね。それに、出所後に片や検事で片やギャングと、それぞれの運命が分かれていくところも切なくてよかったです。

彼らが助けを求める神父を演じたロバート・デ・ニーロも存在感がありました。彼はこの時代の映画には出まくっていましたよね。どんな役でもこなせるので、好きな俳優さんです。

『ゴッドファーザー』―ドンパチよりも“人間関係”を丁寧に描いた作品が好き

『ゴッドファーザー』

『ゴッドファーザー』

全3作を年に何回も観るほど好きな映画です。“『ゴッドファーザー』3部作を好きな映画に挙げる人は権力志向が強い”って分析する人もいたけど、僕はそうは思わない。やられてしまう側、背負わされてしまう側に感情移入してしまうんです。登場人物たちが長い歴史の中でどう成り上がって、どう生きていくのかに興味が湧くし、兄弟愛の素晴らしさも感じる。

この映画に限らず、ドンパチよりも“人間関係”を丁寧に描いた作品が好きなんですよね。あとは『PartIII』後半でゴッドファーザーを継いだアンディ・ガルシアの代を描いた続編が観てみたいですね。

『スカーフェイス』―終わるときには何も残さない!というのがラテンの最たる世界

『スカーフェイス』

『スカーフェイス』

主人公はキューバからマイアミにやって来ますが、僕は80年代にフロリダにずっと住んでいて、周りにスパニッシュ系の人もいたので、この映画の“匂い”は実感としてわかりますね。主人公がマシンガンをぶっ放すシーンは完全に狂ってる。終わるときはすべて破壊し尽くす! あとには何も残さない!というのがまさにラテンの最たる世界だと思います。

それと、主演のアル・パチーノ『スリーパーズ』のデ・ニーロもイタリア系アメリカ人で、個人的にラテンの血が入った役者が好きっていうのもあるかもしれない。これまで何度も観ている一本です。

『シティ・オブ・ゴッド』―貧困の中で子どもたちが成長していく過程にクギづけになった

『シティ・オブ・ゴッド』

『シティ・オブ・ゴッド』

強盗やドラッグ売買、殺人が起こるブラジル・リオデジャネイロ郊外のスラム街を舞台にしたドキュメンタリー的な作品です。実在の街なのでリアリティがありますし、中でも少年リトル・ダイスが簡単に銃を使うシーンはショッキングでしたね。何より、かなり貧しい環境の中で、子どもたちが縄張り争いをしながらどう成長していくのか、その過程にクギづけになりました。

彼らの行く先には暗い未来が待っているのかもしれないけど、『スリーパーズ』と同じように、“仲間がいる。一人じゃない”という描写がこの映画の魅力なんじゃないかなと思います。

『ラブ・アクチュアリー』―最後はみんなハッピーエンドっていうのが気持ちいい

『ラブ・アクチュアリー』

『ラブ・アクチュアリー』

複数のエピソードが一つになり、最後はみんなハッピーエンドなのが気持ちいいですね。「アメリカの女性は最高」というセリフとか、イギリスならではのユーモアもあって楽しめました。好きなエピソードは、ポルトガル人女性に恋をした小説家の話。言葉が通じなくても愛の力で一直線の主人公に共感しました。

僕が恋愛映画を選ぶのが意外ですか? 普通に好きですよ(笑)。基本的に何でも観ます。『オータム・イン・ニューヨーク』は切なくてよかった。あとアン・ハサウェイが好きなので『プリティ・プリンセス』『プラダを着た悪魔』も面白かったですね。

『タクシードライバー』―キャストが本当に街の人に見えるほどリアリティがあった

『タクシードライバー』

『タクシードライバー』

僕ね、この映画で描かれる70年代に2ヵ月ほどニューヨークの知人の家に滞在したことがあるんです。自分は街の魅力にハマらなかったけど周りには抜け出せない人間がいましたよ。何か惹き付けるものがあるんでしょうね。この作品は背景の色が時代を表しているというか、カラー映画なんだけど僕にはモノクロに見えたんですよ。

『タクシードライバー』というタイトルの付け方もシンプルに見えつつ、何か感じさせるものがある。デ・ニーロもジョディ・フォスターも本当に街の人に見えるほどリアリティがあり、デ・ニーロを初めて意識した作品でしたね。

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』―ギャングの頂点を極めながらも挫折していく主人公が切ない

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』

3時間以上ある話だけど、長いスパンの物語を描いた映画が元々好きなんですよね。この映画もデ・ニーロ演じるユダヤ移民の男の少年時代から老人になるまでが描かれています。一度はギャングの頂点を極めながらも挫折していく姿が何だか切ないんですよ。ヒロインのダンスをのぞく場面もよかったなぁ。

主人公だけじゃなく、脇役も存在感があって、大人になってからの場面では、当然、子ども時代と役者が違うから一瞬誰が誰だかわからないんだけど(笑)、自然とわかるように作られているというか、それぞれキャラが立っているので面白かったです。

『羊たちの沈黙』―レクター博士とクラリスの“父と娘のような関係”が興味深い

『羊たちの沈黙』

『羊たちの沈黙』

実際の猟奇殺人事件をモチーフにしているのが時代と言えば時代なのかな。単純にハンニバル・レクター博士がケージからどうやって逃げるのかという先が読めない展開にハラハラしました。クライマックスはしてやられましたねぇ。それに、レクター博士とFBI訓練生クラリスがしだいに“父と娘のような関係”を築いていくのが興味深かったです。アンソニー・ホプキンスも好きな役者の一人ですね。でも時々ジャック・ニコルソンとごっちゃになるんだけどね(笑)。

『パッチギ!』―南北分断の話を、シリアスではなくコミカルに描いている

南北分断の話を、シリアスではなくコミカルに描いているのがいい。この映画の舞台は60年代後半だけど、その頃僕は体動かしてたかなぁ。『パッチギ!』みたいなことはなく、川で石投げたりとか(笑)。周りにも面白いオヤジがたくさんいて、銭湯に通ってたときもヤバい人たちが牛乳飲ませてくれたりして優しかったですよ。同じく井筒作品の『岸和田少年愚連隊』もそうだけど、当時の雰囲気が詰まった映画だと思います。

『その男、凶暴につき』―突発的な暴力描写に次に何が起こるかわからない恐怖が漂う

新宿の映画館で観ました。武さんの最初の映画ですけど、とにかくインパクトがありましたね。主人公の刑事がとにかくムチャクチャだし、突発的な暴力シーンがいっぱい出てきて『羊たち~』と同じく次に何が起こるかわからない恐怖が漂っている。僕は『HANA-BI』よりこっちのほうが好きです。映像としてきれいすぎるものより、限りなくモノクロに近いカラー映画のほうがスーッと物語に入っていけるんです。


(C) 2011 Universal Studios. All Rights Reserved. TM & Copyright (C) 1972 Paramount Pictures. All Rights Reserved. Restoration Copyright (C) 2007 by Paramount Pictures Corporation. All Rights Reserved. TM, (R) & Copyright (C) 2008 by Paramount Pictures. All Rights Reserved. (C) 1983 UNIVERSAL STUDIOS. ALL RIGHTS RESERVED. (C) O2 Filmes curtos Ltda. and Hank Levine film GmbH 2002. (C) 2003 WT VENTURE LLC.ALL RIGHTS RESERVED. (C) 1976 COLUMBIA PICTURES INDUSTRIES, INC. ALL RIGHTS RESERVED. (C) 1983 Embassy International Pictures. All rights reserved. (C) 2006 Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc. All Rights Reserved. Distributed by Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC.

プロフィール

長州力

1951年生まれ。'73年新日本プロレスに入門し、'74年にデビュー。プロレス第3次黄金期を築く。'10年より新イベント「LEGEND THE PRO-WRESTLING」をスタート。

この記事を読んだ人におすすめの作品

アーティスト情報

長州力

生年月日1951年12月3日(66歳)
星座いて座
出生地山口県徳山市(現・周南市)

長州力の関連作品一覧

関連サイト

TSUTAYAランキング

おすすめ映画ガイド

TSUTAYA MUSIC PLAYLIST