新作映画『アズミ・ハルコは行方不明』を観るべき3つの理由――蒼井優×高畑充希が仕掛ける男社会への“華麗なる逆襲”

(C)2016「アズミ・ハルコは行方不明」製作委員会

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『アズミ・ハルコは行方不明』ってどんな映画?

とある地方都市に暮らす27歳の安曇春子は、会社では上司からセクハラ発言に浴びせられ、実家は祖母を介護する母のストレスが充満し、居心地の悪さを感じる日々。周りの同世代が結婚し、家庭をもつなか、春子は恋人もおらず「もう27歳」という事実をただただ実感するばかりだ。そんな春子が忽然と姿を消した…。その後、春子の顔をモチーフにしたグラフィティ・アートがあふれたり、女子高生のギャング団が現れたりと静かだった田舎町は不穏な空気に包まれる。

観るべき理由:1――男社会に対する“華麗なる逆襲”

突然、行方不明になった安曇春子=アズミ・ハルコとは何者なのか? ストリートを飛び出しSNSにも拡散する春子の肖像が意味するものとは? そして男だけを狙う女子高生ギャングの目的は? 閉塞的な地方都市をバズらせる3つの事件が、アラサーの春子、20歳のキャバ嬢・愛菜、謎の女子高生たちという3つの視点で描かれている。

原作は山内マリコの同名小説。映画では時系列を崩すことで、登場人物たちが味わう「今、ここで何が起こっているのか?」というカオスな状況に、観客を巻き込むことに成功している。そこに浮かび上がるのは、過酷な現実と向き合う女性たちのサバイバル劇。春子失踪のナゾに隠された、男社会に対する“華麗なる逆襲”に女性は溜飲を下げ、男は降伏するはずだ。

観るべき理由:2――蒼井優×高畑充希 初共演が実現も…

主人公の安曇春子を演じるのは、数々の作品で圧倒的な存在感を放つ実力派の蒼井優。単独主演は『百万円と苦虫女』以来8年ぶりとなる。9月に行われた記者会見では「主人公なのに、行方不明。これはラクかもしれないと思ったんですが、意外と出番が多くて(笑)」と語っていたが、感情を全開にせずとも、微妙な仕草や視線の動きで、春子の不安や葛藤、いらだちや諦めを表現する力量はさすがの一言だ。

そんな春子とは正反対に、本能の赴くままに生きるキャバ嬢役には、朝ドラ「とと姉ちゃん」で国民的ブレイクを果たした高畑充希が起用された。これまでのイメージをブチ壊す“ちょっと頭が悪そう”な女子像が新鮮だ。ちなみに蒼井と高畑は初共演…ながら、設定上、同じシーンでの共演はほとんど無し。それだけに両者が顔をそろえる瞬間の、まるで魔法がかかったようなソワソワ感がたまらない!

観るべき理由:3――日本映画界に風穴開ける“30歳パワー”

監督を務めるのは、長編デビュー作『アフロ田中』(2012)が高く評価された松居大悟。その後も『男子高校生の日常』『自分の事ばかりで情けなくなるよ』『私たちのハァハァ』と立て続けに、話題作を発表し、頭角を現すと同時に劇団ゴジゲンの主宰として全作品の作・演出・出演を担うなど、マルチな才能を発揮している。現在31歳の俊英だ。

そんな松居監督が同世代のプロデューサーである枝見洋子(『桐島、部活やめるってよ』「ゆとりですがなにか」)とタッグを組み、さらに撮影時30歳だった蒼井という強力なキャスティングを得て、完成させた『アズミ・ハルコは行方不明』。まるで磁場に引き寄せられたような“30歳パワー”が予測不能な化学反応を示し、没個性なタイトルがあふれる日本映画界に、風穴を開けることに期待したい。

(文・内田涼)


映画『アズミ・ハルコは行方不明』
12月3日(土)より新宿武蔵野館ほか全国ロードショー

出演:蒼井優 高畑充希 太賀 葉山奨之 石崎ひゅーい
菊池亜希子 山田真歩 落合モトキ 芹那 花影香音 /柳憂怜・国広富之/加瀬亮

監督:松居大悟(『ワンダフルワールドエンド』『スイートブールサイド』『私たちのハァハァ』)
原作:「アズミ・ハルコは行方不明」山内マリコ(幻冬舎文庫)
配給:ファントム・フィルム

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アーティスト情報

蒼井優

生年月日1985年8月17日(33歳)
星座しし座
出生地福岡県

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太賀

生年月日1993年2月7日(25歳)
星座みずがめ座
出生地東京都

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