【インタビュー】人間の“根っこの部分”に興味がある-第2回TCP準グランプリ受賞者・ヤングポール

ヤング・ポール氏

ヤング・ポール氏

11月10日(土)に都内で開催された、クリエイターの発掘と育成を目的とした第2回「TSUTAYA CREATORS' PROGRAM(TCP)」最終審査会。375作品の応募企画からグランプリ1作品、準グランプリ2作品、審査員特別賞1作品の計4作品の映画化が決定した。この度、『ゴースト・マスターズ~呪いのビデオができるまで~(仮)』で準グランプリを獲得したヤングポール氏にインタビューを行った。

まずはここがスタート地点。

アメリカ人の父親と日本人の母親を持ち、フリーランスの監督として、フジテレビ『FLASHBACK』、『それでも僕は君が好き』、日韓共同制作映画『BRAKEMODE』など、ドラマ、映画、MVなどの演出を手掛けてきた経歴を持つポール氏。

今回の応募のきっかけについては、「ジャンプしたいな、チャレンジしたいなという思いがありました。TCPはわかりやすく結果が出る。自分で書いた脚本をプロデューサーに見せるフローは、脚本の内容だけでなく、タイミングなど様々な要因が絡んで成立までの道が非常に遠い。いざ制作が決まっても予算が集まらなくて、途中でポシャることもよくあります。そんな不明瞭な部分が多い映画作りの中で、TCPは制作から販促までゴールが決まっている。そんな白黒はっきりした世界は、当時の自分の気持ちとも一致していました」と話した。

ヤング・ポール氏

ヤング・ポール氏

また、「受賞までは選考が長かったので、ほっとした気分が大きかったですね。でも、まずはココがスタートなんだ。テンションを落とさないで、新しいスタート切らないといけないんだ、と感じています」と安堵の気持ちと、新たな作品作りへの熱意を語ってくれた。

人間の“根っこの部分”に興味があった

そんなポール氏の映画企画『ゴースト・マスターズ~呪いのビデオができるまで~(仮)』は、低予算ホラーの撮影現場が舞台だ。現場で起こる奇妙な現象の数々。しかし、“ホラーの撮影”という状況と低予算でタイトなスケジュールに、スタッフはその異変を気に留めていなかった。そんな中、主人公の助監督だけは徐々に異変に気付き始める。そんな矢先、ホンモノの悪霊たちが撮影隊に襲い掛かる…。

TCPでのプレゼン映像より

TCPでのプレゼン映像より

プレゼンテーションで「本作は“熱血ホラーコメディー”です! 必死で本気な人間がとる行動は、必死だからこそ笑えるもので、時に哀しく、そして哀しさを背負った行動には観る人にアツい気持ちを呼び起こします」と語ったポール氏。

「たとえば、不謹慎な話ですが、怒られているときに『怒っている人って結構面白いな』って考えてしまうんです(笑)。普段言わない無茶苦茶な事を言ったり、変なことをしたりとか。だけどそれって、本気で怒っているからこそ、その人の“素”がだだ漏れになってしまっているという面もあるのかと。怒っている人だけじゃなくて、必死な人って社会的なルールやモラルに縛られている余裕すらなくて、その時に出してしまう動物的な“根っこの部分”に非常に興味があります」。

TCPでのプレゼン映像より

TCPでのプレゼン映像より

極限状態の人間が垣間見せる“根っこの部分”。ポール氏が本作でカメラに収めようとしているのは上っ面ではない“人間”そのものの姿なのかも知れない。そんな姿を炙り出すために選んだのがホラー映画だった。

「単にホラー映画で怖がらせるだけではなく、“ある必死にならざるを得ない状況の人たち”を撮ってみたかったんです。そもそも幽霊を信じるという行為自体にシュールさがある。それを本気でやったら面白いんじゃないかな」

“本気”というスパイスがホラー映画にどのようなユーモアを生み出すのか、期待が高まる。

頭おかしい人が多いなって思う(笑)

また、今回の企画の題材を「映画撮影もの」にしたことには、もう一つ理由があったそうだ。

「ドラマや映画に関わっている人は、『頭おかしいんじゃないのか?』と思う人が沢山いたんです、ディスってるわけではなく(笑)。性格が歪んでいるように思えても技術がものすごい人だったり、現場で誰も想像もしなかった画を撮るカメラマンがいたり、ただ適当に見えるけどいい作品を作り続けているプロデューサーだったり…本当に尊敬する人、面白い人たちをいっぱい見てきた。そういう人たちを映画のキャラクターにしたら面白いんじゃないかなと思いました」

TCPの最終プレゼンにて犬童一心監督と

TCPの最終プレゼンにて犬童一心監督と

これまでの個性的で魅力的なスタッフとの出会い。それが本作のひとつの出発点となっていることを明かしてくれた。

さらにポール氏は「だから今回の受賞は、今までお世話になった人にある種の成果を報告できてうれしかったです。今回の映画で自分もそんな尊敬する人たちの一部になりたい、期待に応えて、また一緒に仕事をしたいと思っています」と熱意を語った。

おもしろい映画とは?-「価値観を変えてしまう映画」

最後に、ポール氏にとって「おもしろい映画」とは何か聞いてみた。「観終わった後に見た人の価値観を変えてしまう映画ですね。鑑賞前に思っていた映画とは、『全然違った!』と思えて、かつ面白くて…さらにその人が今まで、考えたようなこともなかった考え方とか、価値観までを変えてしまうようなインパクトのある映画が、僕はおもしろい映画だと思いますね」。

ポール氏が本作で描く「熱血ホラーコメディー」の『ゴースト・マスターズ~呪いのビデオができるまで~(仮)』。ポール氏が創り上げる、ホラー×本気×コメディーの映画はどんなインパクトを生み出すのか? 今後の展開にも目が離せない。

(取材・文/nony)

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