『虐殺器官』プロデューサーと担当編集者が語る、早逝の作家・伊藤計劃の凄さとは?

 

山本幸治プロデューサー、『虐殺器官』『ハーモニー』の担当編集者・塩澤快浩

3日、伊藤計劃による同名小説の映画化作品『虐殺器官』の公開初日を記念して、【Project Itoh】 3作品一挙上映オールナイトイベントが開催。上映前には【Project Itoh】の生みの親であり、「ジェノスタジオ」代表でもある山本幸治プロデューサーと、『虐殺器官』『ハーモニー』の担当編集者を務めた塩澤快浩が登壇し、伊藤との出会いや、【Project Itoh】の誕生秘話などを語った。

本作は、徹底した情報管理システムを構築したアメリカを舞台に、米軍特殊部隊クラヴィス・シェパード大尉が、「虐殺の王」と呼ばれる謎のアメリカ人「ジョン・ポール」を追跡する姿を描く戦争ドラマ。初日を迎え【Project Itoh】が完結となった心境を聞かれた山本プロデューサーは、「先日、『ひと仕事終わったんだって?』って母親から初めてメールがありました(笑)。『虐殺器官』はアフレコロールを見たときから『面白い!』と確信していたので、その時から観客目線ではありました。昨年の年末から『完成が間に合うか?』とブルーになることはありましたが、画さえ上がれば(作品のクオリティに関しては)大丈夫だと思っていました。『虐殺器官』は、絵コンテの段階から、画面のカッコ良さがありましたね!」と満足げにコメント。

伊東の死については、「伊藤さんの小説には、やはり侵食してくるような“圧”があるんです。それは病を抱えて『これが最後かも…』という状況の中で、作品に自分が反映されているからこそ出てきた“圧”なんだと思います。プロモーションに際して『祈りなのか? 悪意なのか?』という言葉を使ったのですが、自分の命は終わるけど、世界は続いていく。伊藤さんは世の中をどう見ていたのか、そこには悔しさ(=呪い)もあったかもしれない。でも、自分はいなくても、世界にこうあってほしい、という“祈り”もあったんじゃないかと思うんです」と感慨深そうに語った。

一方の塩澤は「伊藤さんが他社の新人賞に最終選考で落ちて、それが『虐殺器官』だったんです。2006年の秋ごろに原稿をいただいていて、2007年の1月か2月に初めてお会いしました。作品を読んで、もっとアクションを足してほしいと思ったんですが、お会いしたら『こう書き直します』という改稿案を、伊藤さんが既に持っていました。それはこちらが考えていたものと全く同じで、そこから『ムンバイ編』が加えられました」と出会いを述懐。作家としての凄さを聞かれると、「『語りの力』が凄いですね。単に物語を進めるためだけではない、キャラクター自身の声がある。病に冒された伊藤さんの生への執着なのか、この強さは、なかなか他の小説にはないと思います」と分析していた。


映画『虐殺器官』
公開中

■CAST&STAFF
【虐殺器官】 原作:「虐殺器官」伊藤計劃(ハヤカワ文庫JA)

<スタッフ>
・監督:村瀬修功
・キャラクター原案:redjuice
・アニメーション制作:ジェノスタジオ

<キャスト>
クラヴィス・シェパード:中村悠一
ウィリアムズ:三上哲
アレックス:梶裕貴
リーランド:石川界人
ロックウェル:大塚明夫
ルツィア:小林沙苗
ジョン・ポール:櫻井孝宏

プロジェクト公式サイト:project-itoh.com
「虐殺器官」公式サイト:http://project-itoh.com/#/geno/top/

ツイッター:@PJ_Itoh
(C)Project Itoh / GENOCIDAL ORGAN
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