小島慶子が選ぶ「親と子の関係を考えさせられる映画」5本

ラジオパーソナリティの小島慶子さんは2児の男の子の母。映画の中の印象的なシーンをご自身のお子様とのエピソードを交えながら話す姿には、優しいママの顔が垣間見えます。

※ピックアップ作品は、2011年末に発行された『シネマハンドブック2012』掲載のものとなります。ご了承ください。


小島慶子が選ぶ「親と子の関係を考えさせられる映画」5本

英国王のスピーチ

第83回アカデミー賞で作品、監督、主演、脚本賞を受賞した感動の伝記ドラマ。吃音症に悩むイギリス国王ジョージ6世が妻と言語療法士のサポートを得て国民を勇気づけるスピーチをするまでを描く。

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歩いても 歩いても

『誰も知らない』の是枝裕和監督が手掛けたホームドラマ。ある夏の日、年老いた両親のもとに次男と長女がそれぞれの家族を連れて帰郷。彼らの何気ない会話から家族の過去や葛藤が浮かび上がってくる。

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天空の城ラピュタ

『ガリバー旅行記』をモチーフにした冒険活劇。見習い機械工として働く少年パズーは、空から降ってきた謎の少女シータを助ける。二人はシータが身につけていた“飛行石”を巡る陰謀に巻き込まれる。

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オーケストラ!

いつか復帰する日を夢見ながら劇場清掃員として働いてきた元天才指揮者が、パリから送られてきたオーケストラ募集のFAXを見つけ、昔の仲間とともにニセのオーケストラを結成することを思いつく。

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ヒックとドラゴン

『リロ&スティッチ』の監督コンビによるファンタジーアドベンチャー。バイキングとドラゴンが敵対する島を舞台に、落ちこぼれバイキングのヒックと傷ついたドラゴン、トゥースの秘密の友情を描く。

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『英国王のスピーチ』―私自身も、息子たちの言語化できない葛藤に耳を傾けている

『英国王のスピーチ』

『英国王のスピーチ』

自分はしゃべる仕事をしていますけど、言葉ってすべてを言い表せるものではないと思うんです。というのも、その人にとっての本当の言葉とは、言語化される前に自分の中で鳴っているものだと思うから。この英国首相も、表出されない部分にたくさんの言葉をため込んでいるし、それに耳を傾ける人として言語療法士がいる。私もよく息子たちに「そのモヤモヤは“嫉妬”っていう名前が付いているんだよ」と教えてあげたりとか、彼らの中に眠っている言語化できない葛藤や欲望に耳を傾けるようにしています。そういう意味で、非常に共感できる映画でした。

『歩いても 歩いても』―その人たちの関係の中でしか乗り越えられないものがある

『歩いても 歩いても』

『歩いても 歩いても』

家族というのは、体裁の整わない感情と打算と建前が交錯する場。そこで交わされる会話と交わされない会話とが合わさって、見慣れた家族の関係がだんだん変容していく。『歩いても 歩いても』ではその過程が非常にわかりやすく描かれていたと思います。惹き付けられる感じでもあり、突き放して笑うような感じでもあり…。樹木さんのハッとするようなセリフも、映画だといかにも芸術表現のように見えますが、誰の中にもある感情ですよね。その人たちの関係の中でしか乗り越えられないものがあることを考えさせられた作品でした。

『天空の城ラピュタ』―“お父さんはそこから戻ってきた”という事実が子どもを強くする

『天空の城ラピュタ』

『天空の城ラピュタ』

ジブリアニメは個人的に好きでよく観ているんですが、中でも『天空の城ラピュタ』は、本当に短い描写なんだけど、パズーのお父さんが空に浮かぶ城ラピュタに行って帰って来たっていうのがすごいなと思ったんですよ。“お父さんはそこから戻ってきた”、その事実だけで子どもは勇気を持てるし、何かを信じることができるような気がしました。劇中でパズーもその後、冒険に出ますしね。でももっと言うと、冒険はしなくたっていいんです。旅に出なくてもそこから帰って来た人がいるというだけで、その人の世界ははるかに豊かになると思うんですよ。

『オーケストラ!』―人は“この世界にようこそ”と言ってほしくて一生懸命になる

『オーケストラ!』

『オーケストラ!』

ラスト12分間の演奏シーンに尽きますね。人間というのは「この世界にようこそ」と言ってほしくて何かに一生懸命になると思うんです。劇中、アンヌ=マリーも舞台上で自分は歓迎されているんだ! と感じたと思うし、私も子どもに伝えたいのはそれだけで。劇中、さまざまな心の傷を持つ人が登場しますが、みんな望んでいることは同じ。世界がもう一度、自分に手招きしてくれますように。どんなにダメな人もイヤなやつも、密かにそう願っているんです。音楽がその希望を叶えるシーンは感動的でした。息子たちもそういうものと出会うといいですね。

『ヒックとドラゴン』―言葉にできないけど、確かに存在するものがあることを伝えたい

『ヒックとドラゴン』

『ヒックとドラゴン』

ヒックがトゥースを手なずける場面で、彼らの絆が結ばれる瞬間に、言葉が一切ないのが素晴らしいんです。言葉にはできないけど、確かにそこに存在するものがあるってことをどうにかして子どもに伝えたくて。今は何でも説明されがちだけど、一定でなくて永遠でないものの中にしか、実は本当に信じられるものってないのかもと思っていて、それに対する答えがあの場面には詰まっている気がします。ちなみに私の長男は、お父さんがヒックに「お前を誇りに思う」と言う場面で泣いていて。あ、彼にも小さなプライドがあるんだなぁって発見しましたね。


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プロフィール

小島慶子

タレント、エッセイスト。最新刊は、小説『ホライズン』(文藝春秋より2017年4月20日発売) 南半球に暮らす4人の女性の半目と共感、孤独を描いた長編。

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