新作映画『ひるね姫~知らないワタシの物語~』を観るべき3つの理由――「わかりやすさ」が魅力の神山健治“入門編”

 

(c)2017 ひるね姫製作委員会

『ひるね姫~知らないワタシの物語~』ってどんな映画?

2020年、夏。岡山県倉敷市で父親と二人暮らしを送る高校生の森川ココネは、何気ない日常の中で、ついつい居眠りばかりしてしまう。決まって見るのは「機械づくりの国、ハートランド」を舞台に、姫君エンシェンが冒険を繰り広げる不思議な夢…。東京オリンピックを3日後に控えたある日、ココネの父親・モモタローが不可解な理由で逮捕されてしまう。父が残したタブレットの情報を頼りに、ココネは真相を突き止める旅に出かける。

観るべき理由:1――あえての「わかりやすさ」が魅力の“入門編”

東のエデン』『攻殻機動隊S.A.C.』などを手がけ、国内外で熱い支持を集める神山健治監督が、初めてオリジナル脚本で長編アニメーションに取り組んだ本作。ありふれた女子高生ココネが生きる現実世界と、彼女が寝ている間に見る夢の世界がクロスオーバーしながら、逮捕された父親の汚名を晴らし、その裏にある驚きの陰謀が暴かれるというサスペンスフルな展開が、見事な伏線回収とともに描かれる。ファンであれば、神山監督ならではの手際の良い語り口に改めて感銘を受けるはず。

と同時に、現実と夢のシンクロが生み出す相互性をはじめ、いい意味でふんわりした都合の良さが、メルヘンな世界観にとてもマッチしており、ずばり「わかりやすい」。アニメは好きだけど、神山作品はちょっとハードルが高いと思っていた人にとっては、まさに入門編。春休みにデートや家族連れで楽しめる極上のエンターテインメント作品なのだ。

観るべき理由:2――テーマは「家族の絆」と「未来への願い」

もちろん、これまでの神山作品同様、深く胸に突き刺さるメッセージが込められているのは言うまでもない。何よりも感動的なのは、ココネの冒険を通して、徐々に明らかになる森川家の物語。若くしてこの世を去ったココネの母親にまつわる秘密とは? そこに隠された親子の確執や夫婦愛、親から子へ受け継がれる絆が、現実/夢、過去/現在を貫き、1本の線となって、清々しい未来を見せてくれる…。

未来、といえば2020年が舞台になっているだけに、物語のカギを握る自動操縦や人工知能、それらを活用するガジェットなど、手が届きそうな将来の世界がリアルに描かれている点も大きな魅力。もはや“近未来”などない現代において、あくまで明るい未来への願いを込める神山監督の心意気に思わずニンマリ。

観るべき理由:3――日本の長編アニメ、多様性の高まりに期待!

日本の長編アニメといえば、ジブリ作品や人気アニメの劇場版、もしくはコアなファンだけを対象にしたマニアックな作品という二極化が進んでいたが、ここ最近では細田守監督の躍進や昨年、『君の名は。』『聲の形』『この世界の片隅に』が巻き起こした一大旋風のおかげで、多様性の高まりが期待できる状況に。『ひるね姫~知らないワタシの物語~』もまた、アニメファンの裾野を広げる可能性を秘めた一作だ。

2017年は本作をはじめ、ジブリ出身の米林宏昌監督による新作『メアリと魔女の花』、湯浅政明監督の『夜は短し歩けよ乙女』『夜明け告げるルーのうた』、岩井俊二監督の同名傑作をアニメ化する『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』など個性あふれるアニメ長編が目白押しである。

(文・内田涼)


『ひるね姫~知らないワタシの物語~』
3月18日(土)全国ロードショー

原作・脚本・監督:神山健治
キャスト:高畑充希、満島真之介、古田新太、釘宮理恵、高木渉、前野朋哉、清水理沙、高橋英樹、江口洋介ほか
音楽:下村陽子
キャラクター原案:森川聡子
作画監督:佐々木敦子、黄瀬和哉
演出:堀元宣、河野利幸
制作:シグナル・エムディ
配給:ワーナー・ブラザース映画

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