表現すること、教えること、そして未来の自分―EXILE TETSUYAインタビュー『EXILE UNIVERSITY ~あなたの夢はなんですか?~』

EXILE TETSUYA

EXILE TETSUYA

『EXILE UNIVERSITY ~あなたの夢はなんですか?~』と銘打たれた一本のドキュメンタリー・ムービー。これは、パフォーマーのEXILE TETSUYA(以下:TETSUYA)が雑誌『月刊EXILE』にて連載中の『EXILEパフォーマンス研究所(通称:E.P.I)』の活動の一環として、淑徳大学 人文学部表現学科で客員教授として教檀に立ったTETSUYAを追ったものである。

E.P.Iで所長も務めるTETSUYAは、EXILEのパフォーマンス向上のため“食”“息”“動”“考”という表現に欠かせない4つのテーマに軸を置き、様々な角度から終わりなき探求を続けている。

今回、5月17日に開催された東京・お台場でのFINAL上映会(※本作は、一般劇場公開されていない)にて、イベント後のTETSUYAに直撃インタビュー。学生たちとの交流を経てTETSUYAが感じたこと、得たものに迫った。

『EXILE UNIVERSITY ~あなたの夢はなんですか?~』/(C)2016『EXILE UNIVERSITY』製作委員会

『EXILE UNIVERSITY ~あなたの夢はなんですか?~』/(C)2016『EXILE UNIVERSITY』製作委員会

冒頭でドキュメンタリー・ムービー、と書いたが、実際のところこの作品はそうなるべくして作られたものではなかった。

TETSUYA:大々的に“ドキュメンタリー・ムービー”と銘打っていますが、もともと(1つの作品として)作ろうと思ってスタートしたわけではなくて。だからこそナチュラルな表情や、僕やも生徒の皆さんのリアルなが撮れていると思っています。

「現代表現論」講義(※全7回)の初回、学生たちに自分の“夢”を聞くTETSUYA。講義を受けるメンバーの前で各々が夢を聞かれれば、つい大きなもの想像したくなってしまうもの。では、TETSUYA自身は夢をどう捉えているのだろう?

TETSUYA:必ずしも壮大なものを夢と呼ぶわけでもないですし、結局は「何かをしたい!」という自分の願望でしかないと思っています。自分の正直な心の声に素直に反応して、行動して、それを形にできるかどうか。それが夢につながっていくことなんだろうなと。そのための努力と結果がワンセットで夢なのかなと思いますし、自分の心にウソをつかないことが夢を叶える近道であるとも思っています。

『EXILE UNIVERSITY ~あなたの夢はなんですか?~』より/(C)2016『EXILE UNIVERSITY』製作委員会

『EXILE UNIVERSITY ~あなたの夢はなんですか?~』より/(C)2016『EXILE UNIVERSITY』製作委員会

「表現する」ということにおいて、TETSUYAが伝える方法はもちろんダンス。言葉での伝達と違って、その難しさは想像に難くない。

TETSUYA:ダンスって本当に、感情の赴くままに表現すること。回りくどいこともなく、ただただストレートに、自分の感情をむき出しに体を動かせば、それがダンスなんです。言葉のようにあれこれ作戦を立てるというよりは、ストレートに感情をぶつけるというのがダンスだと思っています。

普段接する環境とはあらゆるものが違う中、学生たちに「Rising Sun」のダンスを教えていくTETSUYA。7回目での講義で「Rising Sunを人前で踊る」ことを目標に授業は進んでいくが、もちろん学生たちも慣れないことに戸惑ったり、照れがあったり一筋縄ではいかない。TETSUYAはまず、「眼の前の1人にしっかり思いを伝えること」から説いていく。それは、1人に伝わらなければ大人数にも伝わるはずがないから、と。人に伝えることの重要さを早めに知っておくことは、後の人生にも大きなプラスになるのではないだろうか。

TETSUYA:よくよく思い返すと、僕がまだダンスを始める前、素直に自分の心にストンと刺さることを言ってくれていた人たちに共通していたのは、 “かっこいい”人達だったんですよね。例えば街の先輩だったり、学校の先生でもいたんですけど、「かっこいい」と思った瞬間の言葉は効くなと(笑)。それは見た目のカッコいいではなくて、生き方や生き様、信念や想い。そういうかっこよさは、何かを伝えるときには必要なんだなと感じたので、彼らにとってかっこいい客員教授でないといけない。けれど、EXILEでもいなければいけない。でも僕の中では、自分が(ダンスを)教えてもらっていた街の先輩っていう感覚でも在りたくて、そういう3つくらいの顔で彼らに接することが、僕の出来る最大限なのかなとは感じていました。

『EXILE UNIVERSITY ~あなたの夢はなんですか?~』より/(C)2016『EXILE UNIVERSITY』製作委員会

『EXILE UNIVERSITY ~あなたの夢はなんですか?~』より/(C)2016『EXILE UNIVERSITY』製作委員会

講義の途中には、TETSUYAが本気の「Rising Sun」ダンスを見せる場面もあった。TETSUYAのような世界を決して目指しているわけではない彼らにとって、目の前で繰り広げられるプロのパフォーマンスは、それが時としてマイナスに働くこともあるのでは、正直感じてしまったが、TETSUYA曰く「離れさせる踊り方もある」という。

TETSUYA:(本気のダンスを見せたことについては)彼らを信じていましたし、だからこそ手を抜くのが一番よくないことだったので。実際、気持ちを離れさせる踊り方もあるんですよ。でも、EXILEのパフォーマンスの歴史上、それはしてこなかった。そしてその歴史を受け継いだのが、今の自分のダンスのスタンスなので。やっぱり難しくカッコよくしようと思えばいくらでも踊れるんですけど、自分の中ではもうそれは通り過ぎているというか、EXILEのステージを踏んできたからこそ、そこは絶対に自信を持ってあのダンスを見せたというのはあります。

そんな本気のダンスを踊ったことを嬉しそうに語るTETSUYA。

TETSUYA:本当に幸せなダンスを踊らせてもらいましたね。ただ自分が思った通りに踊るダンスっていうのはなかなか踊れるものではないので。

5月17日に開催された東京・お台場でのFINAL上映会にて/(C)2016『EXILE UNIVERSITY』製作委員会

5月17日に開催された東京・お台場でのFINAL上映会にて/(C)2016『EXILE UNIVERSITY』製作委員会

また、ダンス発表の本番に向けてポジショニングなどを学生たちに決めさせる中、TETSUYAは彼らの話し合いを見ながら「自分が納得するまで喋ることはとても大切だし、納得するということは、同時に責任を持つこと」とも伝える。これは、彼らに限ったことではなく、ごく一般的に誰にでも当てはまることだと気付かされる。

TETSUYA:何か組織に入ったり、会社に入ったりすれば必ずそういうことを感じるときも来ると思いますし、常に自分が主役であるわけでもない。EXILEで言えば、僕らもスターに見えるかもしれないけど、でもやっぱりボーカルがいるから僕らがいられるて。でも僕らは、パフォーマーとして、どのポジションで踊っていてもやること、伝えたいことはひとつなので、その場所に自分のプライドと責任を持ってEXILEを全うしたいと、ずっと思いながら踊ってきたので。あの言葉は自分の中ですごく大事にしていた言葉なので、それをしっかりと学生たちに伝えたいなと思いました。

EXILE TETSUYA

EXILE TETSUYA

講義の冒頭でも「良い先生というのがどういうものかは自分はわからないけど、どれだけ良い先生になれるか」と漏らしていたTETSUYAだったが、彼の想いは講義を重ねるごとに伝わり、学生たちの意識も動きもどんどん変化していく。結果、学生たちはラストに素晴らしいパフォーマンスを見せ、TETSUYAと共に「Rising Sun」を披露することとなる。このように、E.P.Iの活動を通して他人に刺激をもらうということは、TETSUYAのようなプロは必ずしもプロから、ということはない。今回改めて彼らと向き合って何を感じていたのか?

TETSUYA:表現学科だったので“表現する”という点は共通していたので、そういう意味では僕の想いは伝わりやすかったなと感じていましたし、その環境はありがたかったですね。でも結局どんな職種にしても、一番伝わるのは「一生懸命」なんだなというのをあの時踊ってみても感じたし、それはいつもステージで踊っていても感じること。それが間違いないんだなと再確認しました。彼らと接する上で気をつけていたのは、「怒らない」こと。この7回の講義で距離をどこまで縮められるか、というのが僕のやるべきことだったと思います。

『EXILE UNIVERSITY ~あなたの夢はなんですか?~』より/(C)2016『EXILE UNIVERSITY』製作委員会

『EXILE UNIVERSITY ~あなたの夢はなんですか?~』より/(C)2016『EXILE UNIVERSITY』製作委員会

この淑徳大学の講義も3年目となり、ひとつの結果を出したことに安堵するも、「(結果に)満足することは難しい」と改めて実感したTETSUYA。彼はE.P.Iでの活動を通して、EXILEに何をもたらそうとしているのか。

TETSUYA:僕は一生EXILEで在りたい。パフォーマーとしてだけではなく、EXILEだからこそできることを一つ一つ形にしていく。それがハイレベルならハイレベルなほどEXILEらしいなとも思いますし。いつまでステージの上で踊れるのか分からないけれど、踊りはずっと続けていくだろうし、EXILEという名前が一生僕に付随するのであれば、その名前で、自分やEXILEを輝かせるというサイクルをずっとしていきたいですね。

ヘアメイク/寺本彬人(AVGVST)


EXILE TETSUYA プレミアムドキュメンタリー『EXILE UNIVERSITY ~あなたの夢はなんですか?~』

この記事を読んだ人におすすめの作品

アーティスト情報

TSUTAYAランキング

おすすめ映画ガイド

TSUTAYA MUSIC PLAYLIST