キアヌ・リーブスとチャド・スタエルスキ監督が語る、『ジョン・ウィック:チャプター2』のアクションに込めたこだわり

キアヌ・リーブスとチャド・スタエルスキ監督

キアヌ・リーブスとチャド・スタエルスキ監督

世界中でセンセーションを巻き起こした『ジョン・ウィック』の公開から3年...最強の殺し屋の新たな戦いを描くシリーズ第2弾『ジョン・ウィック:チャプター2』を引っ提げて、キアヌ・リーブスとチャド・スタエルスキ監督が、去る6月に来日。声をそろえて「リアル志向なアクションが好き」と語る2人に、本作のアクションに込めたこだわりや、映画制作の現場における“暗黙の掟”などについて話しを聞いた。

前作では、亡き妻から贈られた子犬を、ロシアン・マフィアのボスの息子に殺されたジョン・ウィック(リーブス)が、封印していた暗殺者としての自己を開放し、血みどろの復讐を繰り広げた。その結末の数日後から幕を開ける本作では、かつて交わした契約を反故にしたことを理由に、イタリアン・マフィアのナンバー2であるサンティ―ノ・ダントニオ(リッカルド・スカマルチョ)がジョンの家を爆破。やむなく命令に従い、サンティ―ノの姉にしてナンバー1のジアナ(クラウディア・ジェリーニ)を始末したジョンだが、裏切ったサンティーノによって700万ドルの懸賞金をかけられ、殺し屋たちから狙われることになってしまう...。

リアルなアクションとSFアクション、どちらが好き?

SFアクションの金字塔『マトリックス』シリーズでも、主演とスタントマンとしてタッグを組んだ過去がある2人。そこで、『ジョン・ウィック』シリーズが描くリアル志向なアクションと、『マトリックス』シリーズが描いたCGありきのアクションのどちらを好むか聞いてみた。「実のところ、SFアクションはあまりやっていないんだ。ちょっとワイヤーをやっただけ...ん?いっぱいやったかな(笑)?いや、もしかしたら...誰よりもやっていたのかもしれない(笑)」とジョークを飛ばすリーブスは、悩みながらも「リアルなアクションの方が好きかな」と回答。

これを聞いたスタエルスキ監督は、「君以上にワイヤー・アクションをしている俳優は、いないんじゃないかな?」と苦笑い。「アメリカではね(笑)」と続けるリーブスは、「カメラの中で撮影できるアクションが好きなんだ。ワイヤーを使ったり、走ったり、車を運転したり...自分自身で行うことができるものということさ。顔だけスキャンされて、『今日はもういいよ』と言われて他人に演じさせるのは好きじゃないんだ。僕だって、撮影を楽しみたいからね!(笑)」とアクションへの熱い思いをのぞかせる。

キアヌ・リーブス

キアヌ・リーブス

「95%のハリウッド映画は銃の扱い方を適切に描いていない」

徹底したヘッドショットや長回しの多用などから、他のアクション映画との差別化意識が強く感じられる本シリーズ。アクションの中でも、ジョンの「リロード(銃の再装填)」を見どころとして挙げるスタエルスキ監督は、「とても正確だ。彼は様々な銃を用いながら、色々な種類のリロードを見せてくれるんだよ」とリーブスを絶賛。これにはリーブスも、劇中で見せるリロードの動作を見せながら「“これぞジョン・ウィック!”というリロードを考えるのはすごく楽しいんだ!」とご満悦に語る。

「ほとんどの人々が知っている銃の扱い方の95%は、ハリウッド映画から学んだものだ。そして、95%のハリウッド映画は銃の扱い方を適切に描いていない」とハリウッド製“ガン・アクション”に苦言を呈すスタエルスキ監督は、「ガン・アクションは最近まで安全に撮影することができなかったんだ。なぜなら、空砲を使っても危険なものだったからね。近い距離で演技することができないから、距離を取る必要が生まれ、それによってカットが増えてしまうんだ」と近距離で銃を使う撮影の難しさを解説する。

(C)2017 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.

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銃を引き抜く動作は「いわば侍の抜刀のようなもの」

しかし、テクノロジーの進歩に伴い、今では近距離で安全に撮影ができるようになったとのこと。スタエルスキ監督は、「この作品でキアヌが使っている銃は本物だけど、安全のために銃砲身に改良が行われているんだ。それに、マズルフラッシュもCGで後付できるから、安全に撮影ができる。そういうわけで、キアヌは(徹底したヘッドショットを含む)近距離におけるリアルな銃撃戦を繰り広げることができたんだ」と満足そうに撮影を述懐する。

さらに「この映画では銃の専門家に話を聞いて撮影を行ったから、キアヌの銃撃スタイルは極めて正しいものになっているよ」と力を込めて話すスタエルスキ監督は、「銃を引き抜く動作はすごく難しくて、訓練を積まないとできないものなんだ。いわば侍の抜刀のようなものだけど、キアヌは脇目も振らずに銃を抜くことができる。すごく練習を重ねたんだよ」と、ほとんどのアクションを自分自身で務めたリーブスの労をねぎらう。

(C)2017 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.

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大先輩に言われた俳優の掟「監督の椅子に座ってはいけない」

劇中には、「コンチネンタルホテルでの“仕事”は禁止」など、ジョンを含め殺し屋たちが順守する暗黙の掟が存在する。俳優にもそういった掟があるのか聞くと、リーブスは大先輩とのエピソードを明かしてくれた。「アル・パチーノに(2人は『ディアボロス/悪魔の扉』で共演している)、『監督の椅子に座ってはいけないよ』と言われたんだ。すごく縁起の悪いことなんだよ(笑)。別の映画の撮影現場で、ある若い俳優が監督の椅子に座ろうとしていたから、『よすんだ!』と彼をつかんで止めたことがあったな(笑)。『坊や、こっちに来るんだ。監督の椅子には絶対に座っちゃだめなんだぞ』ってね」

『マトリックス』シリーズでリーブスと共演したローレンス・フィッシュバーンや、ラッパーとして知られるコモンなど、個性的なキャストが演じる新キャラクターたちが、ジョンと複雑に絡み合う本作は、こだわりが詰め込まれた本格派アクションだけでなく、人間模様の面においても見応え十分に仕上がっている。終盤にかけては、衝撃と言うほかない展開が待ち受けており、今秋に撮影がスタートすると報じられている3作目にも期待は高まるばかりだ。スタエルスキ監督が「この映画を酷評した人には復讐しちゃうね(笑)」と絶大な自信をのぞかせる『ジョン・ウィック:チャプター2』は、この夏必見のアクション映画としてオススメしたい。

チャド・スタエルスキ監督

チャド・スタエルスキ監督

(取材・文:岸豊)


映画『ジョン・ウィック:チャプター2』
7月7日(金)TOHOシネマズ みゆき座ほか全国公開

監督:チャド・スタエルスキ『ジョン・ウィック』
出演:キアヌ・リーブス、コモン、ローレンス・フィッシュバーン
配給:ポニーキャニオン 2017年/アメリカ
原題:John Wick : Chapter 2

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ジョン・ウィック

ジョン・ウィック

出演者 キアヌ・リーブス  ミカエル・ニクヴィスト  アルフィー・アレン  エイドリアンヌ・パリッキ  ブリジット・モイナハン  ディーン・ウインタース  イアン・マクシェーン  ジョン・レグイザモ  ウィレム・デフォー  トビー・レナード・ムーア
監督 チャド・スタエルスキ
脚本 デレク・コルスタッド
音楽 タイラー・ベイツ  ジョエル・J・リチャード
概要 「マトリックス」シリーズのキアヌ・リーヴスが、ロシアン・マフィア相手に復讐の鬼と化す伝説の元殺し屋を演じる痛快ガン・アクション・ムービー。監督はこれが初メガフォンとなるチャド・スタエルスキ。愛する妻を病で亡くし、悲しみに暮れるジョン・ウィック。そんな彼の心を癒してくれたのは亡き妻から贈られた一匹の小犬デイジーだった。ある日彼は、マフィアのボスを父に持つ若者ヨセフから、愛車の69年式マスタングを譲ってほしいと迫られ、これを断る。するとヨセフは、夜中にジョンの自宅を襲撃し、マスタングを奪い去っていく。その際デイジーまでをも殺され、すべてを奪われたジョンの怒りが爆発、たった一人で犯人への復讐に立ち上がる。彼こそは、かつて裏社会で恐れられた伝説の殺し屋だったのだ。

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