止まらないキャラ愛!『カーズ/クロスロード』メーター役・山口智充インタビュー

『カーズ』シリーズにおいてメーターを演じてきた山口智充

『カーズ』シリーズにおいてメーターを演じてきた山口智充

今から11年前の2006年に登場した『カーズ』は、アメリカでおなじみのモーターレースNASCAR(ナスカー)をモチーフに、レースの世界で生きる1人のルーキー、マックィーンを中心に描いた話。そして2011年の『カーズ2』ではアメリカを飛び出し、イギリス、イタリア、そして日本までもがレースの舞台に。この2作でレーサーとして、一台の車として大きく成長し、今やベテランレーサーとなったマックィーンに訪れる“クロスロード(分岐点)”が、7月15日(土)に公開となる『カーズ』3作目のテーマ。「ディズニー/ピクサー最大の衝撃」と謳われた本作で彼が見つける答えとは――?

今回、そんなマックィーンの親友であり、シリーズ通しての人気キャラクター・メーター(レッカー車)の日本語吹替を担当してきた山口智充にインタビュー。自身の“メーター愛”をたっぷり語ってもらった。

山口はメーターへの熱い思い入れがたっぷり

山口はメーターへの熱い思い入れがたっぷり

メーターといえば、自身の能力のみを信じ、周りの声を聞かないマックィーンの心を開かせることになる重要な車の一台。山口が考えるメーターの魅力は、その普遍性にあるという。

「彼はシリーズ通して変わらないですよね。登場の仕方もそうですけど、メーターが出てくるとメーター色になる、存在感のあるキャラクターで。流行りも関係なく、どこに行ってもメーターはメーター。それが今回またハッキリしましたし、いいところですかね。車体も変わらず錆びれたままで直していないけど『それで俺は良いんだ』って。自分にとってのベストをしっかり持っているので、そこがカッコいいと思いますね。僕もそういう人でありたいという課題もあるのですごく共感しますね」

メーターのビジュアルは山口が言うように錆びれた車体だが、実際のところどうしてそうなってしまったのか、ということも『カーズ』では描かれる。しかし、彼はずっとそのままで姿を元に戻そうとはしない。そんなところも魅力のひとつだと語る。

「マックィーンはやる気満々のレーサーで、完全ドレスアップしていつもキメている人。僕からみたら、それってしんどいんじゃないかなって思うんですが、マックィーンはそうでなきゃいけない生き方をしている。メーターは普段正反対ですが、スピンオフの『カーズ トゥーン/メーターの世界つくり話』シリーズでいろんなものに変身するし、彼はそれを楽しんでいるんです。実はドレスアップも出来る車だし、ふと自分に戻ったときには非常にナチュラル。全部ひっくるめて周りの人に見せているので、安心するんだと思いますし、そこもすごく素敵ですよね」

(C)2017 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

(C)2017 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

山口がここまで思い入れを持つメーターも、吹替現場ではあっさり誕生することになる。ものまねも得意な山口ならではのエピソードだ。

「最初、こんなキャラクターです、というのを書面でもらって『歯でてるやん!』っていうところからスタートして、こんな感じか…って僕の中の印象でちょっと練習をするんですよね。自分がやっているものまねと一緒で、自分の中でのイメージと『やろう』『やった』『できた』というのが瞬間的にパンッ!と起きた感覚で。メーターの声がバッと出て、そのままレコーディングに臨んだんですが、現場では監督からも『ちょっとそのイメージじゃない』とも言われずにスッとスタートしたので『あ、これで良いんだ』と。その時初めて(アフレコ中)後からヘッドホンに流れてくる声で英語版の声を知りました。でも、それを意識しているとものまねになるし、全てそのまま出せないし、なんとなく雰囲気だけ掴むようにはしています。『何となくこの辺(タイミング)で喋っている』っていうガイドと言う意味だけで聞かせてもらっている感じです」

実はこのインタビュー直前に山口も初めて作品をすべて通して鑑賞したのだが、作品の完成度の高さに興奮を隠しきれない様子だった。

「映像の綺麗さ、リアルさはもはや“アニメーション”という枠を超えていますよね。『カーズ』『カーズ2』もそうだったんですど、本作ではそれをさらに超えたなと。森のシーンなんかは実写映像なのかなと思ったくらいです。今回は『カーズ』以上にレースが大きな軸なので迫力のある映像が多くて、スピード感とテンポの良さも相まって、スクリーンでのエンターテインメントとしてすごく楽しめました。マックィーンに関しては、ついにこういう時代がやってきたかと。(見た目は)車だけど人間模様というか人間臭い物語で、最終的には全員人間に見えてくるっていう…それが『カーズ』で。特に今回は人間臭かったですね。マックィーンの生き様というか、シリーズの年月の経過とともに追われる立場になっているところとか、そんなに他人事に見れないというか、ある意味共感しながら観ていましたね」

(C)2017 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

(C)2017 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

本作でマックィーンの隣りにいるのは、新たな相棒となるストーム。ここまで関係を深めてきたメーターとしては気が気でない? かはさておき、山口の思いは…

「メーターとしてはちょっと嫉妬しましたね。単純に出番が少なかったので(笑)。立場は変わっていないんですけどね。マックィーンが認めたクルーズがいるなら、メーターも応援する。それは当然のことだし、喜びでもありますよね。メーターはそういう車。大好きなマックィーンが『この人だ!』と認めた人がいるというだけでそれが嬉しくて。マックィーンもクルーズも応援するよ、っていうのがメーター。自分に関わる人みんなを応援したいっていう。マックィーンが『引退しようと思っている』ということに対しての『ん?』っていうちょっととぼけたメーターのリアクションが、本当に分かっていないのか、『なんでそんなこと言うの?』なのか、人生経験を積んできたメーターにとっては、僕の想像ですけど(レッカー車として)色んな車を引っ張ってくる中で、どこかマックィーンの気持ちに気づいているというか、受け止めた上でわざととぼけているんじゃないかなって。そっちにも取れるんですよね。マックィーンが選んだ答えならそれが正しいと思ってあげるのは素敵だなと思いましたね。だから彼のことを一番わかってあげていると思います」

(C)2017 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

(C)2017 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

「僕は勝手なことできないですね(笑)」と台詞はあくまでオリジナルを忠実に、でもそこに山口のメーターを自然に感じさせるというテクニックも意識しているという。彼のメーターとしての誇りはシリーズがある限りいつまでも続くだろう。

「映画を観た人が『ぐっさんこれアドリブで入れたんじゃないの?』って思われるのが一番いいですよね。それがトレースではなくオリジナルっぽく聞こえるようになるのが目標というか。それができた時に成功したのかなと思いますね」


映画『カーズ/クロスロード』
7月15日(土) 全国公開

監督:ブライアン・フィー
製作総指揮:ジョン・ラセター
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン

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