新作映画『ダンケルク』を観るべき3つの理由――究極の実験が生み出した、異次元の傑作スペクタクル

(C)2017 Warner Bros. All Rights Reserved.

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『ダンケルク』ってどんな映画?

第二次世界大戦真っただ中の1940年。ヒトラー率いるドイツ軍によって、フランスとイギリスの連合軍の兵士40万人が、フランスの港町ダンケルクに追い詰められた。逃げ場を失った状況で、生還を諦めない若者たち。一方、イギリスの輸送船や駆逐艦、民間船をも動員した史上最大規模の救出作戦“ダンケルクの戦い”が動き出し、数の上では劣勢な英空軍も出撃を開始した。陸、海、空で繰り広げられる命がけの撤退劇。その結末とは?

観るべき理由:1――天才ノーランが挑んだ“体感型アトラクション”

天才の名をほしいままにし、今や世界中の映画ファンが新作を待ち望む監督、クリストファー・ノーラン。約3年ぶりとなる最新作『ダンケルク』では、初めて実話に基づく作品づくりに挑み、自らが押し上げ続ける“映画の新基準”をまたまた更新してしまった。

特に、登場人物たちの主観に重きを置き、彼らが体験する恐怖と緊張を、ダイレクトに観客に強いるというストーリーテリングは、過去作との大きな違いであり、本作の真骨頂! 本物にこだわり続けるノーラン節が、より一層発揮されており、戦争という題材ゆえ、不謹慎な言い方かもしれないが、まずは予備知識なしで“逃げまくる体感型アトラクション”として楽しむべし。見終わった後で、歴史背景などを復習すれば、感動と興奮はさらに深まるはずだ。

観るべき理由:2――3つの時制と視点で語る、究極の実験的手法

もう1つ、大きな魅力となっているのは、史実に基づく決死の救出作戦が「陸地での1週間」「海上での1日間」「上空での1時間」という3つの時制と視点で描かれている点。スペクタクル大作でありながら、観客自身がまるでパズルのように、脳内で物語を組み立てていくという、非常に実験的な手法がとられているのだ。

悔しくなるほど緻密に計算された物語構造は、『メメント』『インセプション』など、時間がもたらすマジックを知り尽くしたノーラン監督だからこそ。観客の感情を揺さぶるだけでは飽き足らず、頭をフル回転させて、一瞬の油断も許されない戦場の臨場感を、さらにスリリングなものにしている。クライマックスで3つの視点が1つに重なる“シビれる瞬間”はまさに異次元の感動だ。

観るべき理由:3――兵士たちにとって最大の敵は? 来日したノーラン監督を直撃

本作がノーラン作品として異色なのは、106分という上映時間。近年手がけた『ダークナイト ライジング』(165分)、『インターステラー』(169分)に比べても、極めて“短い”作品に仕上がっている。史実に基づく戦争映画…と聞けば、「2時間超えが当たり前」というイメージがあるだけに、先月来日したノーラン監督に「なんで106分なの?」と直撃。思わず納得の答えが返ってきた。

ノーラン監督

ノーラン監督

「兵士たちにとって最大の敵は、迫りくるタイムリミットなんだ。彼らが味わう緊張感を持続させ、観客にも体感してもらうには、短い作品であるべきだと考えた。実際、脚本はたった76ページだしね。兵士たちが自分の心境や半生を語り始める…。そんな戦争映画によくあるセリフに基づいた描写は要らないんだ。音楽と映像の“リズム”を一致させることも強く意識したよ。これもテンションを保つ効果があるからね」

(取材・文:内田涼)


映画『ダンケルク』
9月9日公開

監督・脚本・製作:クリストファー・ノーラン
出演:トム・ハーディ、マーク・ライランス、ケネス・ブラナー、キリアン・マーフィー、ハリー・スタイルズ ほか

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アーティスト情報

クリストファー・ノーラン

生年月日1970年7月30日(48歳)
星座しし座
出生地英・ロンドン

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ケネス・ブラナー

生年月日1960年12月10日(57歳)
星座いて座
出生地英・北アイルランド・ベルファスト

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