『その夜の侍』山田孝之との怪演勝負、隅から隅まで堺雅人の圧勝―【TSUTAYAプレミアムで映画漬け】

『その夜の侍』

『その夜の侍』

本企画は、TSUTAYAプレミアムを利用して1日1本映画を鑑賞し、その記録を予想と感想を交えてお伝えしていくものである。

2018年7月10日の鑑賞タイトル『その夜の侍』

※作品データはページ下部に

鑑賞前の期待値「堺雅人と山田孝之のバッチバチな演技対決が凄そう」

個人的にシリアスイメージの薄い堺雅人と、怪演といえばこの人・山田孝之のバッチバチな演技対決が凄そう。パッケージ観ただけで名作の予感がプンプン。そしてもともと人気舞台を映画化したとのことで、その面白さはおそらくお墨付きか?

鑑賞後の感想「何かすっきりしない…けど夫は確実に前を向いた」

5年前、妻を殺害された夫の健一(堺)が犯人の木島(山田)に復讐しに行くという、内容は至って単純なものだった。ただ、ストーリーはこんなに簡単なのに、人物描写がすごく、中でも抜きん出ているのはの堺雅人の役作り。妻を亡くした喪失感からの“壊れている”感が最初から…というか全編通す徹底ぶり。そして最近すっかりコメディ俳優っぽくなっている山田孝之だけど、これは「僕が観たい山田孝之」。良い。木島は、人をひき逃げした手前、後戻りできない道に入ってしまった感で、もともと「なんとなく生きている人」だったかは不明。だが、何故か彼にちょっかいを出された(被害にあった)人間が結果ついていくあたり、人の心の隙間というものはわからないなと。

シチュエーションはというと、冒頭~堺雅人と山田孝之が対峙するまでは、夏の暑い陽気で汗ばんだ空気感と描写が続き、いざ対峙する場面は台風が来ている中の豪雨。5年経っても遺骨を家に置き、妻の服の匂いを嗅いで思いを馳せたり、事故当日の留守電を何度も繰り返し聞き、おまけにブラをポケットに忍ばせている(おそらく事故のときに身に着けていたものか)ような男の煮え切らない思いが、この汗ばんだ空気感によって高められる。そして今まで溜まりに溜まったジリジリ感じを一気に洗い流すような豪雨。この“何かが吹っ切れたような”演出に期待を煽られるが、堺雅人が取った行動は意外だし、妻の弟(新井浩文)が紹介した女性との触れ合いがなかったらこの結末にはなっていなかったと思う。

この結末は個人的には「それで良いのか?」と思ったが、その対決を経てラスト、パンイチの堺雅人が取る行動に少しの希望を見た。プリンを片手に、あれだけ繰り返し聞いていた妻のメッセージを消したのだ。しかしこれで終わりではない。じっと見つめていたそのプリンを頭の上に載せると、手で潰してグシャグシャと。一息ついて次のプリンに手を伸ばし…とまさかのプリンまみれになる堺雅人。この間、長回しのセリフ無し。生前の妻からはこっそりプリンを食べていることを叱られていたのだが、どんな思いでプリンを潰したのか。この場面の台本になんと書かれているのかとても知りたくなった。

『その夜の侍』で一番グッときたポイントは「絢香の三日月」

劇中、デリヘル嬢役(だと思う)の安藤サクラとのシーン。下着姿で絢香の「三日月」を熱唱している姿に初めは笑ってしまったが、歌われている歌詞にふと引き戻される。前向きなことを歌っているはずなのに、男性の引きずる恋愛体質のような感じとダブって「なんかわかる」と勝手に共感。堺さんもパンイチな分、余計歌がしみる気がした。

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『その夜の侍』について

【製作年】2012年
【監督】赤堀雅秋
【出演者】堺雅人、山田孝之、綾野剛、谷村美月ほか
【あらすじ】人気劇団“THE SHAMPOO HAT”の作・演出を務める赤堀雅秋が、自身のヒット舞台を自らメガホンをとり映画化した復讐劇。
【Filmarks★評価】3.3(5点満点中)

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アーティスト情報

堺雅人

生年月日1973年10月14日(44歳)
星座てんびん座
出生地宮崎県

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山田孝之

生年月日1983年10月20日(34歳)
星座てんびん座
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綾野剛

生年月日1982年1月26日(36歳)
星座みずがめ座
出生地岐阜県

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