小林幸子に、映画・ボカロまでインタビュー!「ネットの子たちはピュアだった」

歌謡界の大御所にもかかわらず、“ラスボス”の愛称でネット民にも親しまれている小林幸子

小林幸子

小林幸子

そんな彼女が5月2日(月)に放送されるCS映画専門チャンネル・ムービープラスの『この映画が観たい#32 ~小林幸子のオールタイム・ベスト~』に出演する。

この番組は、出演するゲストがこれまで影響を受けた映画を、自分の人生を振り返りながら語る、というもの。小林は、映画を「カタルシス(浄化)」と語る。

演歌をメインにした芸能スタイルに固執せず、ボカロ曲に挑み、はては映画『テラフォーマーズ』とのコラボで特殊メイクも厭わない柔軟性。その原動力は意外にも「持って生まれた性格」と、あっけらかんに語る小林の素顔に迫るべく、インタビューを行った。

『寄生獣』、興味本位で見てみたら…

─失恋したとき、落ち込んだときに観る映画は何ですか?

小林:泣くと自分を浄化できるので、とにかく泣ける映画ですね。
最近では、飛行機の中で観た映画『母と暮せば』が泣きましたね。アニメも観たんですけど、それも泣きました。

映画『妖怪ウォッチ エンマ大王と5つの物語だニャン!』は今のブームだから観ておかないといけない、という気持ちで観に行ったんですけど、泣かされました。笑ったところもありましたけど。

大人と子供が一緒に感動できるところがいいですね。老若男女、全男全女が「いいな」と思うのが大ヒット作品であり、大ヒット曲にもつながるんでしょうね。

─「妖怪ウォッチ」とは意外ですね。

『映画 妖怪ウォッチ エンマ大王と5つの物語だニャン!』DVD

映画 妖怪ウォッチ エンマ大王と5つの物語だニャン!』 (C)LEVEL-5/映画『妖怪ウォッチ』プロジェクト 2015

小林:話題だからこれは観ておかなければいけないと思ったんです。話題ってことは観客が沢山いるから話題になるのであって、なんで子供たちにこんなに人気があるんだろうって思って。観てみたいと思ったんです。

同日に『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』と映画『妖怪ウォッチ エンマ大王と5つの物語だニャン!』を観ました。

─『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』は3D映画ですが、3D映画は好きですか?

小林:『スター・ウォーズ~』は2Dで観ましたが、3D映画も大好きです。SFものって、すごく好きなんです。

─最近観たSF映画は何ですか?

小林:進撃の巨人』と『寄生獣』は観ました。

『寄生獣』はどうして観たのか、自分でも分からないんですよ。おっかないのとか大嫌いなので絶対観ない人なのに、なんで観たんだろうと。

漫画が映画化された作品でおもしろいのがあるって聞いて、興味本位で観てみようと思って。いつでも(映画館)を出られるような姿勢で観てたんですが、3分、5分と経って、そのうちに惹きこまれていきました。怖いシーンは慣れてくるものですね(笑)。

『テラフォーマーズ』とコラボしてツノゼミの特殊メイクを初めてしたんですが、特殊メイクって面白いですね。特殊な格好はいつもしてますが、特殊メイクまでしちゃって(笑)。

「特殊な恰好」は『クレオパトラ』から

─映画を観るときはどんな基準で作品を選びますか?

小林:俳優さんで選ぶときもあればストーリーで選ぶときもあるし。色んな条件ですね。
映画評の「★」の数とか、何かのときにメモしておいたりもしますよ。

子供と動物は涙腺がゆるくてダメですね。でもやっぱり観ちゃいます。『皇帝ペンギン』も観ました。

─小林さんといえば豪華絢爛な衣装でも有名ですが、今までに衣装について参考にした映画などはありますか?

『クレオパトラ』DVD

クレオパトラ』 (C)2016 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.

小林:クレオパトラ』は参考にしましたね。あとはオードリー・ヘプバーンの衣装。それから、何年か前に『ココ・シャネル』を映画館に観に行きました。映画は映画館で観るのが一番好きなんです。映画館に観にいけなかったときはDVDで観ますけど、やっぱり映画館は迫力が違いますね。

ニコ動挑戦は「持って生まれた性格」

─ネットユーザーからの人気が高くなっている現状についてどう思われますか?

小林:実感としてはあまりないんですが、ニコニコ動画にアップした動画が100万回再生されたりして興味を持ってくださってるんだなって思います。

自分のコンサートにも、今までとは「明らかに違う」と思われる客層の方がいらっしゃいますね。きっとネットからのお客さんだと思います。じーっと演歌を聴いてくださいますが、「千本桜」を歌うと一斉に盛り上がって一緒に歌ってくれるので不思議な感じです(笑)。

ボカロ曲を歌うことによって、皆さんがすごく応援してくれますけど、だからといって「演歌とネット文化の懸け橋になろう」という気持ちは全くないんです。演歌は演歌として大事にしていきたいし、これからのことを大切にしてくれる人のことも大事にしていきたいです。

─新しいことに挑戦しようと思ったきっかけは何ですか?

小林:持って生まれた性格かもしれないですね。

あと、スタッフが「こんな面白いのありますけどやりますか?興味ありますか?」って聞いてくれるようになってから色々変わりました。

前は「興味持つわけないよね」という思い込みがあったんでしょうね。でも今はどんどん面白い話を持ってきてくれますよ。

自分が面白いとか面白くないじゃなくて、その話を持ってきてくれた人たちが本当に面白いと思ってるって分かったら、「じゃあ、乗っちゃおう!」っていう感じで。軽いかもしれませんが、大事なことだと思うんです。

「仕事を選ばないのか」って言われたことも過去にはありました。でも、このスタイルを貫いているので最近は誰にも何も言われなくなりました(笑)。

─ここ3年ほど、ネット上(ボカロなど)の新しいことに挑戦されたなかで、新しい発見などありましたか?

「ネットの子たちはピュア」

小林幸子

小林:ネットの子たちは、ちょっと前までは引きこもりだったりオタクだったりしましたけど、今「オタク文化」って世界の言葉ですもんね。「OTAKU SUMMIT」っていうのがあって、私も呼ばれて行ったんですけど、すごいですね。海外の人から「SACHIKO!」って呼ばれて(笑)そこに来ている子たちは、無表情だったり喋り方があまり上手じゃなかったりするんだけど、でも、ちょっとお話しするとニッコリ笑ってとてもピュアで普通の子たちでした。

もともとニコ動がそういった子たちの気持ちを代弁するようなシステムを作りたいっていうことが始まりなんですよね。それがよく分かりました。
『ぼくとわたしとニコニコ動画』っていう歌があるんですけど、初めて聴いたとき泣いてしまいました。今の子たちってこういう状況なんだなって思って。

「ウチに帰って テレビをつけた ワイプに流れる 作り笑い」

こんなの観ても面白くないっていうところから入っていく詞にすごく興味を持って。ここに来る子たちって、すごくピュアなんですよ。

─小林さんが涙を流されたのは、「自分にもそういう時期があった」という共感の涙ですか?

小林:共感ではなく、今の子たちの気持ちになったから。

私の寂しさは分かりやすい寂しさですから。親元を離れ、小学生の頃から芸能界で仕事をしていて寂しかったって原因が分かっているから。

だけど、今の子たちには訳の分からない寂しさがある。本人にも分かっていない寂しさが曲の中に出てくると「どうしたらいいんだろう」と思うんです。どうしてあげることもできないけれど、彼らが私の『脳漿炸裂(のうしょうさくれつ)バーサン』を聴いて「ワロタwww」「幸子さんありがとう」って言ってくれるのがすごく嬉しいです。

─その嬉しさは、長い芸能生活でも初めてですか?

小林:「ワロタwww」って言われたの、今までないですから(笑)。褒め言葉ですからね。

私がデビューした頃にはTwitterなんかもなかったですしね。

─多くの人たちの前で歌を歌ってきた感じとは違った新しい感覚ですか?

小林:演歌や歌謡曲のお客さんたちの前で歌う感覚とはまるで違いますね。

「歌います」「聴きます」ともすると「歌ってあげましょうか」「聴いてあげましょうか」みたいなものが交錯しているんですけど、ネットは歌ってる側も聴いてる側も一緒っていう感じでしょうか。目線が一緒なんですよね。それをすごく感じます。

コミケなんかも、売る側も買う側も参加者という括りだから。ネットの世界からは、そういうことを教えてもらいましたね。

文化はいつからどこから変わったのかは分からないですけど、きっちり分けられて、良い悪いを評論するのではなくて、異なる文化をどうやって楽しんでいくのかっていうことが大切なんだと思います。不思議だったと思うんですよね、最初わたしがネットの世界に入ってきたときは。

『この映画が観たい#32 ~小林幸子のオールタイム・ベスト~』
5月2日(月)23:00~(再放送あり)、CS映画専門チャンネル・ムービープラスで放送

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小林幸子

生年月日1953年12月5日(64歳)
星座いて座
出生地新潟県

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