若手No.1コンビ「ニューヨーク」 初の大阪単独ライブは「逆ギレ」しそう?【インタビュー】

皮肉や可笑しみ、怒りに満ちたコントと漫才で、若手No.1の実力と称されるお笑いコンビ「ニューヨーク」。

ニューヨーク

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今夏は、東京と大阪で単独ライブを予定している。そんなニューヨークの嶋佐和也と屋敷裕政が今回、初の大阪単独ライブにまつわる思いや意気込みを語ってくれた。

初の大阪ライブ「恐怖しかない」

──まずは今回の単独ライブ「爆弾」(7月29日に東京・ルミネtheよしもとで公演)と「NEW YORK GRAND KAGEZ」(8月24日に大阪・なんばグランド花月で公演)について教えてください。

屋敷(以下、屋):「爆弾」は毎回やっている恒例の単独ライブです。新ネタ8本と撮りおろしのVTRを展開します。漫才4本、コント4本ずつ。それで計90分。チケットはもう完売済みで、あと当日券が数枚出るか出ないか……?という状況です。

──大人気ですね。ネタは、5月のライブではやっていないものを?

嶋佐(以下、嶋):そうですね、まだどこでもやっていない完全な新ネタを8本一気に出します。

──一方、大阪での単独ライブは初ですか?

屋:初めてです。しかもNGK(なんばグランド花月)で……未開の地なので恐怖しかないですね。はたしてチケットが売れるのか、大阪のお客さんが笑ってくれるのか。

──関西のノリだったり、関東とは一味違うお笑いへの意識だったり。

屋:そうなんですよ。しかも向こうでNGKと言ったらお笑いのスーパー聖地。

嶋:ミュージシャンにとっての日本武道館みたいな。

屋:それに、僕らより大阪で愛されている先輩芸人さんたちがいっぱいいると思うんですよ。なのに東京の若いコンビがいきなり来てネタをやるんですから……大阪の人たちブチ切れてるんじゃないかな。いや、もう「ブチ切れながら来るんじゃないかな?」って……ただただ怖いっすね。

──お客さんがライブ前から怒っているかもしれないと(笑)。

屋:怖いですよ。お客さん皆で「絶対笑わないぞ!」と結束してるんじゃないかと戦々恐々です。

──「東京の若手No.1はどんな奴らだ?」という目はあるかもしれませんね。

屋:大阪では「爆弾」でやったものも含めて、今までやった中でベストのネタをやるつもりです。チケットの値段は、今回は勉強させてもらうつもりで破格です。

嶋:激安価格。

──値を下げたのはやはり、未開の地でお笑いをやる恐怖が強くて?

屋:そうですね、いっぱい来てほしいですし、僕らのことをあまり知らなくても来てほしい。東京のお笑いを見せたいです。

嶋佐和也

嶋佐和也

嶋:まず、「なんぼのもんじゃない?」と品定めの概念が間違っているんで! 変に構えずにとにかく楽しんでほしいです。

──ニューヨークさんと言うと、皮肉や偏見、悪意まじりの「ディスり芸」が特徴の一つとして知られています。大阪でもウケるのでは。

屋:ABCお笑いグランプリ(開催地、大阪)の決勝に出させてもらったときウケてなかった気がするんですよね……。

大阪のお客さんの意識を改革したいです。「ニューヨーク面白い!」ってなれば大阪人、大阪府にとってもいいこと。もう、大阪の街そのものを変えたいです。

嶋:そう。今の大阪、まだまだイケてないんだよな……。「こんなお笑いもあるんだ!」って受け入れてほしいです、とにかく。

屋:僕らはNGKで次いつやれるか分からない。もしかしたら二度とやれないかもしれない。だから東京からもぜひ見に来てほしいですね。じゃないと……純度100%大阪人だけだと怖いです。

東京の人が来て過剰に笑ってくれないとエンジンかからないかもしれません。正直、本当に怖いんで助けに来てほしいです(笑)。

ツッコミは伝わりやすさ重視

──ネタは普段どうやって作っているんですか?

屋:単独ライブのときは作家さんがついて頂いたりします。今回の新ネタも、いつもと同じ作家さんと一緒に3人で作りました。

嶋:(作家さんは)僕らの話に、耳を傾けてくれる感じです。

──ネタは、どういう風に生まれるんですか?

屋:「こういう話どう思う?」と世間話からが多いですね。「フラッシュモブ(不特定多数の人が突然踊りだしたり演奏したりして注目を引く行為)されたらちょっと嫌じゃない?」とか。ムカついていること、怒りからが一番面白いネタができやすいんです。

嶋:たしかに。時事ネタとかね。

屋:「こういうことが腹立つ」と話が出てきたとき、どういう風にネタへ落とし込むのが一番面白いか。そう考えていくのが、最短距離でネタができやすいんです。

──漫才・コント、両方得意なイメージですが実はどちらが得意、とかありますか?

屋敷裕政

屋敷裕政

屋:例えば10本ずつ作れと言われれば、コントのほうが作りやすいです。単独ライブに向けて新ネタを作るときも、たいていコントのほうが先に4本出来上がります。漫才のラスト1つ、2つがけっこう悩んで、もう、本当に絞り出す感じ。

──漫才とコント、両方やる理由は?

屋:両方やったほうが売れる確率が2倍になる気がして。

嶋:コント番組にも漫才番組にも出られますし、賞レースもライブも両方出場できます。

屋:漫才もコントも優勝した人はまだいないですしね。

──ネタの中では、ツッコミの例えが強烈な印象がありますが、どんな風に仕込んでいるんですか?

屋:基本、2人で考えてますよ。どの悪口の言い方、どのツッコミの仕方が思わず笑ってしまうか、けっこう細かく話し合いますね。すんなり耳に入って笑ってしまう悪口の言い方もあったりするんで。

嶋:いかに伝わりやすい言い回しにするか考えますね。「こう言ったほうが面白いけど、これじゃあ伝わりにくいだろう」と言い回しを妥協することもあります。

──聞き手、お客さんのことを考えて伝わりやすさ、分かりやすさを優先している。

嶋:はい。ただし言いたいことはブラさずに。

怒りネタとは真逆……好きな映画は「爽やか・感動」系

──ネタは、舞台用とテレビ用で変えるんですか?

屋:基本的には変わりません。テレビ局の人から「これやってくれ!」と希望を受けて舞台のネタをそのままやったりしています。ただテレビで言えないような言葉や内容は、自主的にカットしたり内容を変えたりしています。「テレビでは完全にできないな……」ていうネタもありますね。

──例えばどんなネタですか?

屋:悪口がストレートすぎるもの。例えば占い師が占い師の悪口を言うというネタです。あと実は、ゲッターズ飯田さんに「今年売れる芸人1位」と言って頂いたので、占い師さんをリスペクトする意味も込めて自主的に封印しています。

嶋:だから今年売れなかったら、来年解禁しようと思ってます(笑)。テレビ仕事もっと増やしたいですねぇ。

──他に今後の目標や希望などありますか?

屋:よく言うのは、賞レースで優勝して王道の売れ方をしたいです。誰も実現したことのないM-1とキングオブコントの両方で優勝できたら理想ですね。

おかずクラブとかマテンロウとかイジられやすい芸人さんがいる中、僕らは普通の人間でやってきました。そういうのもあって、テレビに出てイジられ役よりMCにチャレンジしてみたいです。でもこの芸歴・年齢でMCをやるというのはなかなか難しいので「革命を起こさないと」とは思っています。

嶋:映画出たいっすね。

屋:同期のデニス・植野行雄も『日本で一番悪い奴ら』に出てて面白かったなぁ。でも、今は正直お笑い以外のことを考えてないです。

嶋:僕は海外で旅行……(笑)。年に1回色んな国行きたいっすね……。あとは芸人パワーで好きな夏フェスとかプロレスとか格闘技イベントに全部タダで行って、いい生活したいですねぇ。

屋:売れるか!そんなヤツ!

──まぁまぁ(笑)。ところで、少し話が変わりますが、お二人はプライベートでどんな映画やDVDを観ているんですか?

『私たちのハァハァ』など、エロなしの女子高生が頑張る姿が好きだという屋敷

『私たちのハァハァ』など、エロなしの女子高生が頑張る姿が好きだという屋敷

屋:旅猿』、よく観てます(笑)。あとは青春系の映画。『リンダリンダリンダ』とか『スウィングガールズ』みたいな女の青春を扱う作品が好きです。『私たちのハァハァ』みたいなやつ。全然エロくない、女子高生が頑張ってる姿が好きなんですよね。男子の野球ドラマとかでもいいですけど。

嶋:僕は…、お笑いでめっちゃ観たのは松本人志さんの『VISUALBUM』。あれめっちゃ観たな……。他にも、ジャンル問わず何でも観ます。一番好きなのは『ダンサー・イン・ザ・ダーク』。ビョークが好きで日本武道館のライブも観に行きました。

あとは『リトル・ミス・サンシャイン』。皆に観てほしいな。

──お二人ともイメージと違って爽やかな作品ばかりですね……(笑)。それでも色々お話をお聞かせ頂いて、ことお笑いに関しては怒りを意識している印象がありました。最近怒りを感じている人・ニュースなどはありますか?

嶋:最近あんまりいないんですけど、もしも大阪のライブがスベったら大阪人に怒りが芽生えるかもしれません。

屋:ショックで、大阪ではライブにもテレビ番組にも出ないかもしれないです。本当にお客さん怒ってるんじゃないか、スベるんじゃないかって怖くて怖くて。想像しただけでもう……逆ギレしそうですよ!

(文・写真:桜井恒二)

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