平井堅、シングル・ベスト・コレクション『歌バカ2』をリリース【インタビュー】

平井堅

平井堅が約12年ぶりにシングル・ベスト・コレクション『歌バカ2』をリリースする。これまでに平井堅はデビュー10周年時に初ベストアルバム『歌バカ』(2005年)、15周年時にシングルのカップリング曲を収録した『裏 歌バカ』(2010年)を発表しているが、歌を愛してやまない平井堅が、以前から自らのことをそうたとえた“歌バカ”を、平井堅という歌い手をまっすぐに表現した“歌バカ”を、彼は迷うことなく今作にも名付けた。

平井堅がこれまでにリリースしたシングルは43作。その時その時の平井堅が映し出されたシングル曲が網羅された今作を聴けば、彼がいかに様々な楽曲をこの世に送り出してきたかが、あらためてわかるだろう。彼の歌手人生において最初の大きな転機となったのは、8thシングル「楽園」(2000年)。

1995年にシングル「Precious Junk」で華々しくデビューしたものの、なかなかヒット曲に恵まれなかった彼が起死回生の7thシングル「Love Love Love」を経てリリースしたのが、それまでのイメージを覆すR&B色の強い「楽園」だった。作家に詞曲を委ねた「楽園」は、自分が歌い手に徹して歌うことで、彼自身が“シンガーソングライター・平井堅”に捉われずに、歌い手としての新たな道を見い出すことができた楽曲になった。

そして、「楽園」「why」「LOVE OR LUST」で、平井堅は“和製R&Bシンガー”というイメージを聴き手の中に強く印象付けることになる。しかし、平井堅は自分に持たれたひとつのイメージに捉われることなく、「even if」(11thシングル)のような心に静かに染み入るバラードやポップな「KISS OF LIFE」(13thシングル)など、様々なタイプの楽曲を発表。

また、誰もが知っている「大きな古時計」をカヴァーし、幅広い世代に平井堅の歌と名前が広がったことで、彼の音楽はさらに自由度が高まっていった。2004年にリリースした20thシングル「瞳をとじて」(映画『世界の中心で、愛をさけぶ』)以降、「いつか離れる日が来ても」(映画『あの空を覚えてる』)、「僕は君に恋をする」(映画『僕の初恋をキミに捧ぐ』)、「アイシテル」(映画『ゴースト〜もういちど抱きしめたい〜』主題歌)、「いとしき日々よ」(ドラマ『JIN〜仁〜』主題歌)など、この時期に平井堅が手がけた映画やドラマの主題歌は、“平井堅=バラード・シンガー”というイメージを聴き手に強く印象付ける楽曲になったが、彼はまたしてもそのイメージに捉われることなく、自分の声だけですべてを構築したアカペラ曲「キミはともだち」、心がほっこりする「君の好きなとこ」、キラキラのポップソング「POP STAR」、女性目線で歌詞を書いた妖艶な女唄「哀歌(エレジー)」で曲ごとに異なるアプローチをした。

ノリノリのアップテンポナンバー「CANDY」、絶対的な闇と絶望を描いた「告白」、安室奈美恵とコラボした「グロテスク」、インド人に扮したMVが大きな話題になった「ソレデモシタイ」など、平井堅はシングルを出すたびに聴き手の中に曲ごとに異なる印象を残してきたといっていいだろう。どの入り口から入っても、聴き手がどのタイミングで平井堅を知ることになっても(それが「ソレデモシタイ」のような極端な楽曲であっても!)、そのどれもが平井堅らしいと思ってもらえるのは、平井堅がこれまで本当に様々な楽曲を歌ってきたからだ。時系列順に並んだ『歌バカ2』収録曲は平井堅の軌跡だ。

その軌跡には何があろうとも歌い続けてきた平井堅の姿、どんな楽曲であろうが歌う覚悟、何があっても歌うことをやめないと心に決めた彼の決意が刻まれている。だからこそ、彼は“歌い手”として何度でも新たな挑戦するのだ。

シングル・コレクション『歌バカ2』は、デビュー曲「Precious Junk」から最新シングル「ノンフィクション」までの全シングル46曲収録した初回限定盤A、24thシングル「バイマイメロディー」以降にリリースした23曲を収録した初回限定盤Bと通常盤の三形態でリリースされるが、その三形態すべてに、スペシャル・ディスク『歌バカだけに。』がパッケージされている(初回限定盤Bには「バイマイメロディー」以降のMVを収録したBlu-rayも付く)。

『歌バカだけに。』は、もともと「平井堅が“歌い手”に徹するというコンセプトで何かできないか」という自身の思いが起点となって生まれた企画だが、この企画に賛同し、参加したアーティストたちの顔ぶれがあまりにも豪華すぎると話題になっている。

その10組のアーティストは、槙原敬之、KAN、草野マサムネ(スピッツ)、石野卓球(電気グルーヴ)、TOKO(古内東子)、BONNIE PINK、中田ヤスタカ、tofubeats、横山剣(CRAZY KEN BAND)、LOVE PSYCHEDELICO。自分が敬愛するアーティストから届いた曲たちを“最初に”聴いた平井堅自身は、どれだけ心踊ったことだろう。音楽性も活動スタイルもそれぞれに異なる10組のアーティストに、平井は「僕は歌に撤するので、どうぞお好きなように書いてください」とオファーしたとのことだが、きっとどこかで平井堅をイメージして書いたであろう詞曲は、普段の彼ら彼女たちの自作曲とはどこかが異なっていて、しかもそれを平井堅が歌っているのだから、参加アーティストたちのファンも興味津々の楽曲に違いない。

「バリエーションが豊かで、どの曲も自分が書かないような曲、書けない曲ばかり。自分で自分の音楽を色濃く築き上げてきた方たち、確固たる世界を持っている方たちばかりなので、平井堅のために書き下ろして下さった曲であっても、それぞれの方の濃い色が入っているんです。それらを歌い手として歌えるのが、とても嬉しかったですね。僕が書けない曲、書かないような曲を自分がどう調理できるか、どう歌おうかと悩むのもとても楽しかったですし、歌い手冥利につきました。みなさんに“新しい平井堅”“歌バカな平井堅”を楽しんでほしいです」

平井堅は自分でも詞曲を手がけるが、これまでにも作家が書いた詞曲を歌ってきた。それは「いい曲を歌いたいという気持ちが強い」からだ。以前、彼はこんなことを言っていた。

「僕はいい歌手にならないといけないと思う。何をもってして周りから“いい”と判断してもらえるのか、そこはまだ自分の中で漠然としているけど、自分がいいと思った曲、自信のある曲を、僕は歌い手として歌い続けていきたい」

ロックだろうが童謡だろうがテクノだろうが、今となってはどんな曲どんな歌詞を歌っても“平井堅らしいね”と思ってもらえるのは、彼がこれまで自作曲や提供曲で様々な楽曲を歌い、“平井堅にしか歌えない歌”“平井堅だからできること”を積み重ねてきたからだろう。だからこそ平井堅はこれからも歌い続ける。これからも攻め続けていく。平井堅の軌跡を刻んだシングル・ベスト・コレクション『歌バカ2』に、『歌バカだけに。』を付けたのは、その決意表明だと思う。(取材・文/松浦靖恵)

平井堅 リリース情報

Ken Hirai Singles Best Collection 歌バカ2

NEW ALBUM
2017年7月29日レンタル開始
2017年7月12日発売

初回限定生産盤A(4CD):BVCL-807〜10 4,620円(税抜)
初回限定生産盤B(3CD+Blu-ray Disc):BVCL-811〜4 4,620円(税抜)
通常盤(3CD):BVCL-815〜7 3,694円(税抜)
TSUTAYA 予約/購入特典
先着特典
オリジナル・アナザージャケット
(撮りおろし絵柄 TSUTAYA ver)

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アーティスト情報

平井堅

生年月日1972年1月17日(46歳)
星座やぎ座
出生地三重県名張市

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