「情熱よりも、優しく包み込むような歌い方を」久々のストレートなラヴ・バラードを前にGLAYのヴォーカリスト・TERUが切り拓く新境地とは?【インタビュー】

GLAY

GLAYのニューシングルは、夏のアルバム『SUMMERDELICS』と対をなす4曲入りの「WINTERDELICS.EP~あなたといきてゆく」。GLAYの代表曲のひとつ「ずっと2人で…」から20年の時を経て生まれた、新たなラブストーリーとも言われる渾身のバラード「あなたといきてゆく」などについて、ヴォーカルのTERUが語ってくれた。

─「あなたといきてゆく」は、ファンにとっては“あの曲がついにリリースか”という気持ちだと思います。

「そうですね。今年の春のホールツアーからやっていて、もともとはアルバム『SUMMERDELICS』の1曲として収録する予定だったんですけど。TAKUROが久々にどストレートなラブバラードを書き上げて、GLAYのファンのみならず音楽が好きな人へアプローチしていこうということで、このタイミングでシングルとしてリリースすることが決まりました」

─レコーディングもしていたんですか。

「ホールツアーの前には終わってました。ただ、あとで録り直したいと思っていたんですよ。ライヴで歌うことによって、目の前にいる人たちが求める歌い方に成長していくので、それを収録したいと思っていて。実際歌おうとしたんですけど、最初のテイクを超える歌い方が見つからなかったんですよ。これはファンの顔を見て歌う曲というよりは、第三者の気持ちで歌ってるものが一番いいんだという答えが自分の中で出たので、最初のままでリリースすることにしました。たぶん歌い直すともっと情熱的な歌い方になってしまうだろうし、ファルセットも使わなかったかもしれないと思うんですね。でもあの時は自然にファルセットを使って、優しく包み込むような歌い方だったので、それでいいんだということを僕なりに感じてそのままにしました」

─あの高音、TERUさんなら地声で出ますよね。

「出るんですよ。でもその時に何かを思って、優しく歌ったんですよね。その時の気持ちを大事にしたいなと思いました」

─TAKUROさんから歌詞の説明はあったんですか?

「なかったんですけど、最初は“あなた”が全部ひらがなだったんですよ。そのあと歌い直そうとした時に、祖母や祖父、母や父と書いて“あなた”と読ませるようになっていて。それで気づいたのは、きっと僕は恋愛だけじゃなくて家族や周りの人に対して“あなた”と歌っていたから、ああいう優しい歌い方になったんだなと」

─この歌詞は、女性言葉になっていますね。

「僕にはそういう意識はあまりなくて。“あなたからのプロポーズ(ことば)”とか、そういう感じはするんですけど、全体的には家族のことを歌っていたりするので、誰が誰にという曲でもないんですね。TAKUROは早くに父親を亡くしていて、父親のイメージが湧かないということを言っていたんですけど、でも今は家族を持ったことにより、父親とはこういうものだということを理解してきて、それで“冬の厳しさ、貴方のよう”という一節を書いたと言ってました」

─こういうテーマはたとえば山口百恵さんの「秋桜」とか、歌謡曲の中には綿々とありますけれど、ロックバンドのGLAYが歌うところに価値があると思います。

「TAKUROのいいところはそういうところで、ギターキッズから始まってますけど、作詞作曲に関してはいろいろなジャンルにルーツがあるので、GLAYが今までのロックバンドと違うのはそういうところなのかなと思いますね。だからHISASHIとJIROが必要だったんですよ。よくJIROが“これじゃ演歌じゃん”ってTAKUROに言ってるのを聞きましたからね、過去に何回も(笑)。そこで“じゃあ俺たちがアレンジでもっとロックにしていこう”ということもあるし、あとHISASHIがギターソロを弾くと、どんなバラードでも真ん中を外してくるんで、TAKUROが“この曲のこのギターソロはどうかな?”と言ってるのもよく聞きますね(笑)。そしたらHISASHIが“大丈夫。半年後にはこれじゃなきゃダメだと思うから”って(笑)。そうするとやっぱり、半年後にこれしかないなと思うんですよね。そこは本当に面白いですね」

─カップリングには「時計」「Satellite of love」の再録音、X JAPANのカヴァー「Joker」のライヴバージョンなども入って、これまでのシングルとは違う聴き応えがあります。

「シングルに対する考え方が変わったかもしれないですね。『Satellite of love』は、僕が歌を録り直したいと言ったんですよ。今だったらもっとうまく歌えるからというだけの理由なんですけど、自分の成長をこの曲で試したいと思っていたんです。ずっと苦手にしていた曲なんですよ」

─そうなんですか? それはなぜ?

「ずっとハイトーンが続いて、ヴォーカリストの力量が試される曲なので。もともとの音源に満足はしてるんですけど、今だったらもっとうまく歌えると自信があったのでやらせてもらいました。年齢を重ねるごとに歌い方が変化して、40代になってからは如実に変わったし、ツアーで喉を痛めずにうまく歌える方法がだんだんわかってくるんですね。ポール・マッカートニーが今も現役で歌っている、そういうものを目指していきたいと思っているので、自分も徐々にシフトチェンジしていって、ただ叫ぶだけじゃダメなんだという、それをファンが聴いて“もっと良くなったね”と思ってもらえるように。そういうことを自分なりにやり続けているので、何年かたつと相当変わるんですよね。『HOWEVER』だって録り直したいですもん」

─そういうものですか。

「でもああいう歌はもう歌えないです。あのがむしゃらな感じはもう無理。でもあの20代の頃のがむしゃら感がみんなに響いてくれたから、今ここにいるんだろうなとも思います」

─今のGLAYは、バンドをやることを純粋に楽しんでいるように見えます。

「楽しいです。自由に自分たちの発想でできちゃうので、それだけ責任も大きくなってきますけど、やりがいがあります。ただ、ちょっと油断するとすぐに置いて行かれる危機感は感じてます。いろんな音楽があるし、若くて勢いのあるバンドもいっぱいいるので、後ろからつつかれる感じはしますよね。“どけよ!”みたいな」

─あはは。そんなこと誰も言わないですよ。

「それは冗談ですけど(笑)。最近は[Alexandros]とかと仲が良くてよく飲んだりしますけど、僕らが20代30代の頃とは考え方が違いますね。僕らは朝まで飲んで、ライヴで喉を嗄らしてても“それがロックだ”ってやりすごしていて、僕はそれをやめて10年以上たちますけど、今の人たちは20代でそういうことを考えているんですよね。良い曲を書いてクォリティの高いライヴをやらなきゃ生きていけないことを、今の若い人たちは認識していると思います。でも10も20も離れた子たちが相手ですけど、僕らも負けたくないし、絶対どかねーぞって言ってます(笑)」(取材・文:宮本英夫)

GLAY リリース情報

WINTERDELICS.EP〜あなたといきてゆく~

NEW SINGLE
2017年11月22日発売
2017年11月22日レンタル開始

CD+DVD盤:PCCN-00029 2,000円(税抜)
CD only盤:PCCN-00030 1,200円(税抜)

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GLAY オフィシャルサイト

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