不思議な? 少女たちの日常短編集『空想少女』【TSUTAYAの名物企画人“仕掛け番長”のススメ】

│お母さんが魔法少女?? 成長するとイカになっちゃう女の子??
 ちょっと不思議な少女の物語が沢山詰まった短編集『空想少女』

ふと誰かを想い恋に落ちると、足元に穴が突然現れ実際に落ちてしまう。
落ちた先は地下闘技場で、そこには同じ誰かに想いを寄せたものたちが集められ、そして試合が始まる…。

『空想少女』に収められた最初の短編「恋愛地下闘技場」は、まさに“恋は弱肉強食”という様子をまた違った一面からみせる物語です。
主人公のかずさは、登校時間にいつも見かける男子にふと恋心を抱きこのデスマッチへ参加する事になってしまったのですが…。
物語は想像していたのとは少し違う方向へ進み、心が暖かかくなるようなラストを迎えます。

その他、子供を育てる忙しいママさんが魔法少女になってしまい色々なものと葛藤しながら頑張っていたら自分と一緒に戦ってくれる魔法少女の仲間が実は娘の友達のママさんだった!? という斬新な魔法少女もの「魔法少女?プリプリピンク」

少女マンガを読むと目が大きくなり自分の後ろに花が出現してしまったり、ラブコメを読むとラッキースケベ体質になってしまうなど、“マンガ病”という病が存在する世界でマンガ好きの3人の女の子仲良しグループを描く「マンガ病」

成長するとだんだん他の生物になっていってしまう世界で、母親の様なリスになりたかったのに手がイカの足になった事を悩む少女の姿を描いた「せいちょうき」など全10話の物語が収録されています。

どれも驚きとホッコリするようなちょっと不思議な短編で少し暖かくなってきた今の季節にぴったりの1冊です。

可愛らしいさと先生のイラストもとても魅力的な『空想少女』
気になった方はぜひ!

(文:仕掛け番長)

│仕掛け番長のおすすめ本

 

空想少女

発売中

著者:さと
出版社:秋田書店

“仕掛け番長”栗俣力也

【コンシェルジュ】仕掛け番長

栗俣力也(くりまた・りきや)。TSUTAYA IPプロデュースユニット 企画プロデューサー。
TSUTAYA文庫、コミック、アニメグッズの企画を担当。10年以上のキャリア持つ書店員でリアル店舗からヒット作を次々と生み出す事から仕掛け番長と呼ばれる。人生のバイブルは『鮫島、最後の十五日』

Twitter(@maron_rikiya)

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